17.カステル・デル・モンテ(イタリア・プーリア州)★天才皇帝こだわりの城
【 前の記事よりつづき 】
2016年9月10日(土)
イタリア、プーリア州に来ています。
本日のメイン観光は・・・
丘の上にポツーンと建つ城、カステル・デル・モンテ。
カステルは・・・「城」 (英語のキャッスル、な。)
で、デルモンテじゃないのよ。
ケチャップ関係ないからねw
デル (イタリア語では、~の)
モンテ 「山」 (マウンテン、だね)
山城。
見たまんまですわw
ハイシーズンは、自家用車は城の近くまで寄れないようで、
離れたところにある駐車場から
無料シャトルバスに乗ります。
両サイドに松が植えられた、なだらかな山道をバスで登って約5分。
いや、コレ日本人だったら「山」とは言わないかもな。
丘だわー。
(敢えて自力で歩いている人もいたわ。ツアーじゃなかったら歩きたかったな)
バスを降りてさらに歩いて城の元へ。
カステルデルモンテ!
1240年に建てられた城。
洗練されたデザイン!
13世紀の発想とは思えない、思い切ったセンスだなー。
ワタクシ、予備知識ゼロで来てますから
この城を前にして
約770年前の城と実感できませんでした。
丘の、いや、山だった・・・の上にコレが見えたら
当時の人々はビックリしたんじゃなかろうか。
というのが この、カステルデルモンテです。
中に入ってみまーす。
へえ~!
真中がスッコーンと吹き抜けていて、中心は中庭だ。
中庭を中心にして周囲をぐるりと建物が囲っているんだね。
おっしゃれ。
中庭から見上げた空が八角形。
やだー、斬新~。
この城はこんな形をしている。
八角形の中庭をぐるりと囲む、八角形の建物。
その8つの頂点に、これまた八角形の搭が8本。
皇帝、どんだけ8好きなん(笑)
城内ではイタリア人ガイド嬢の解説を
添乗員女史さんが通訳してくれます。
さらに、添乗員女史さん自身の
豊富な知識もプラスされた丁寧な案内が行われ
無知なこにゃくうさんの疑問に精いっぱい答えてくれました。
添乗員女史さん:当時を記録した資料がないので、
どういう目的で、どうしてここに建てられたのか、
という明解な答えは分かっていません。
フリードリヒ2世による建造、ということだけは事実です。
フリードリヒ2世は4歳にしてラテン語をたしなんだのを始めとして
6か国語をマスターしました。
頭の良い方だったのでしょう、自然科学や幾何学にも興味を持ちます。
数字を追求する中から8という数を導き出したのかもしれません。
今では想像するしかないですが。
建築にも興味を持っていて
生涯の間に、このカステルデルモンテ以外にも
たくさんの城を造っています。
添乗員女史:この八角形の中庭。
春分と秋分の日のちょうど正午に
石壁の影が中庭の一辺にぴったりと重なるように設計されています。
こにゃくう:ちょっと何言ってるか分かんないですね(汗)
地学、赤点スレスレだったんでww
でも、太陽や天文を制しているかのようなポーズって、
統治者には必要だったのかもね。
添乗員女史:次に、この城建設の目的ですが
戦時の為の要塞ではない、と思われます。
というのは、この左旋回の螺旋階段。
これでは駆け上がってくる敵兵が裕に剣を抜くことができます。
逆に、下る自兵は壁が邪魔で剣が使えません。
建っている場所も
特に紛争地点の最前線でもないですし。
水脈がほとんどないのに
天水に頼るには
貯水量が少な過ぎます。
たくさんの兵を長期間滞在させるのはムリでしょう。
添乗員女史:トイレはありますよ!
ただし、一ヵ所なんですけど・・・
こにゃくう:コレがトイレなんですかー!
雑な造りですねっ
てか、一ヵ所だけって・・・ますます城としてムリでしょ(汗)
アレコレ妄想して
「あーんなインテリアのお部屋、欲しいな」
とか
「こーんなコンセプトのお家に住んでみたいな」
とか思っちゃったりするもん。
けど、お洋服を買い足すようにお家は建てられないのがフツウ。
でも皇帝は思いついたら即、実践できたのではないかしら。
奇抜なアイデアが浮かんで
それを実現したのがこの城、ってことなのでは。
住む気なんて最初からなくて、造ったら満足♪って事なんだと思うわ。
そう思うと丘の上にポツンと立たせたのも分かる。
その方がかっこよくて目立つもの。
尚、城と呼ぶにはあまりにも何も無くて殺風景なのはナゼか。
フリードリヒ2世は失脚後、病死するのだが
建材、装飾品は根こそぎ盗み取られたから。
後に、フリードリヒ2世の孫が政敵に幽閉された牢屋でもあったらしい。
おそろしや。
荒れ果てたボロ砦のようだったこの城を
19世紀になってイタリア国家が買い取り、修復。
そして1996年の世界遺産登録のおかげで
遠く日本の民であるこにゃくうどももやってくるような
世界的名所になったのでした。
天才皇帝の夢の跡、カステル・デル・モンテ
なのでした。
【 つづく:今夜のホテル、アルベロベッロへ 】
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