Welcome to my blog

16年南イタリア

22.アルベロベッロ観光★不思議なお家、トゥルッリの歴史

4 0

前の記事よりつづき 】

2016年9月11日(日)

イタリア・アルベロベッロ。
本日の行程表によると・・・
9:00~10:30
『おとぎの国のようなとんがり屋根の街並みを散策します』
となっており・・・


ツアーの皆さま12名は
添乗員女史さんに付き従ってトゥルッリと呼ばれる
独特な家屋群が並ぶエリアへ歩いていきます。

ああ、ジュゼッペ・ベルディ通りだわ。
うふふ。
今朝のオットと2人の散歩で、すでにここは歩いてるんだよねw
まあ、今朝の散歩のおさらい気分で付いて行きましょう。




世界文化遺産になっているこの珍妙な家屋について
添乗員女史さんが解説してくれます。

「もともと荒野だったこの地に、16世紀半ば頃から建てられ始めました。
周囲にある、使える石を集めて建材にしています。
屋根は平たい石を積み上げただけ、
壁も切り石を積み上げただけで出来ています。
接着剤を使っていません。
というより18世終りまで、建材を固定することが許されていませんでした」
(添乗員女史さん)



「当時は、住民の家の軒数によって
領主が、ナポリ国王に納める税金の額が決まるシステムだったのです。
徴税検査員が来たら、家を壊してしまって建設途中のフリをすれば
税金逃れができる。
調査が終わったらまた積み直せばいいだろう、と。
それが、領主・アクアビーバさんの悪知恵でした」
(添乗員女史さん)



住民たち自身の節税になるならまだしも、
領主の節税・・・というか脱税だよね?
それに付き合わされて都度都度、家を破壊しなくてはならなかった暮らし?
中世はひどいこと強制されてたんだなー。
そういう経緯でこの町の家屋は単純構造になったのねぇ。



あ。ここ、知ってるー。
今朝の散歩で発見した、かぼちゃがかわいいお家に来たわ。



家主のおじさんが
自宅の前でナッツ売りをやってた~。
この人が、かぼちゃトゥルッリのオーナーさんか!



わらわらと集まる日本人たちw
山盛りのアーモンドだぁ!
気前のいいおじさんはガンガン試食させてくれます。
「ホテルで摘まむのにいいわね!」
ということで
グループの多くの方が購入。
今日は日曜日だし、たくさんの観光客が立ち寄ってくれるよ、きっと。



更に進んで・・・
「コチラのお家では、自宅を開放して屋内を見学させてくれます。行きましょう」
(添乗員女史さん)

へ~!
レストランに改装した物ではなく、
生活の場のトゥルッリが見られるの?



おじゃましまーす。
わあ。天井が高くてなかなかオシャレにまとまってますね。
もともとは、即ぶっ壊しの目に遭っていた家とは思えませんっ。



「単純な構造ゆえに、屋内の空間を個室で区切ることができません。
1つのトンガリ屋根の下にはひとつの空間が広がります。
中心にリビングがあって、向こう側にベッドを置いて寝室とする、
・・・そういった使い方になります」
(添乗員女史さん)



布カーテンが垂れ下がっただけの奥に
シャワー&トイレ。
プライバシーもナニも無いわね、こりゃ(汗)

17世紀の江戸庶民の暮らしだって
四畳半一間+土間、みたいなもんだから
同じようなもんでしたけどね。



所々をへこませて棚にしたり収納スペースにしたり、の工夫があります。
こちらのお宅ではローマ法王のお写真を飾っているのね。

「バチカンがある影響でしょうか?イタリアは他の欧州の国よりも
敬虔なクリスチャンが多い印象があります」 (添乗員女史さん)



「天井部に板を貼ることで
屋根裏部屋を造る、というのも多くのトゥルッリでやってます。
このお宅では屋根裏は子供たちの寝室でした」
(添乗員女史さん)



こっちのドアはいわゆる勝手口ですかね?
キッチン&ダイニングのコーナーなんですね。

・・・あれ??



あれは・・・ 



みけちゃん!
ここって、キミのおうちだったの~?
偶然だね!
また逢えてうれしいよー。



もう一匹、同僚のにゃんこちゃんがいて
積極的に接待してくれるのでした。


この子も人見知りしない、かわいい子♪



こちらが見学ウエルカムの、みけちゃんトゥルッリ。
基本無料ですが感謝の意を込めてチップを置いて行くといいと思います。



「ここからの眺めが最高に美しいです」 (添乗員女史さん)
と導いてくれたのは、
今朝、ワタシとオットが偶然見つけた「ベルベデーレの丘」でした。
やっぱり、添乗員さんもおススメのスポットだったんだー。



ベルベデーレの丘からのトゥルッリ群は実に美しい。
本日2度目ですが、見飽きません。

さて、町の中心部に入ってきました。



この2階建て家屋の前で、添乗員女史さん解説の始まり始まり。

「先ほど、領主の悪知恵で造っては壊し・・・を強制されていた、と説明しましたが
1797年になって、ついにアルベロベッロの住民代表が立ち上がり、
ナポリ国王に領主・アクアビーバの悪行を直訴します。
住民の訴えを聞きいれた国王は
悪領主・アクアビーバを追放し、封建支配から町を開放します。
以後、家屋は漆喰やモルタルで固定してもよいということになりました」



「アルベロベッロで初めてトゥルッリ以外のスタイルで建てられた
最初の家がコチラです。
当時の欧州では一般的だったデザインで、ちゃんと間取りが取れる設計。
やっと家らしい家に住めた、記念すべき1棟目といえましょう。
1797年のことです。
初代アルベロベッロ市長のダモーレさんの家なので
「カーサ・ダモーレ」と言われ
アルベロベッロ市民の権利獲得の象徴として大事に保存されています」
(添乗員女史さん)



へー。
なるほどね。
そういう経緯を知ると、この美しい家並みも
16世紀以来の苦しみあっての今の姿なんだとしみじみするね。
現在のトゥルッリは、丁寧にリノベーションされているけど
当時のトゥルッリは納屋みたいな物だったのかもね。



一行は「カーサ・ダモーレ」至近のビューポイント、
「ジャン・ジェローラモ広場」へ。
ここ、早朝散歩の時は
ワタシとオット以外にはカメラマニアのおじさんがいただけだったけど
日中は人々が引きも切りません。
撮影するなら朝イチがいいね。



昨晩、ディナーを摂ったレストラン、ピナコロのあるエリアに到着。
モンティ地区です。
ここで皆様と一緒の散策ツアー、約1時間は終了です。
以後は自由行動なので
オット、ムスメとまだまだ見たいアルベロベッロを探検します。

つづく

関連記事

4 Comments

There are no comments yet.
No title

ふわり♪  

2017-01-31 07:52

おおおお❗
どこで再会かと思ったら、ここでしたか

当時、石積みのみの家は粘土で隙間ぐらいは埋めてたんでしょうか。
トイレとお風呂が衝撃的ですよね~

それにしても、自宅開放とはストレスじゃないのかと思ったり、住んでるだけで塵も積もれば山となるチップなのだろうかと思ったり、貧乏性の私はしばし考えてしまったのでありました。

EDIT  REPLY    
No title

こにゃくう  

2017-02-01 16:02

> ふわり♪さん
知らずにみけちゃんのお宅を訪問していたのでした。
野良じゃないことが分かって、ホッとしました。

>当時、石積みのみの家は粘土で隙間ぐらいは埋めてたんでしょうか。

屋根は当時も今も、重ねているだけ!なんですって(驚)
てっぺんの尖った飾りが重しになって、崩れないんだそうです。
壁の石については、18世紀にお許しが出てからは漆喰で固めていますが、昔は積んだだけでした。
実はこの壁の厚さは80cm、分厚いお家だと2m!も厚みが有ります。二重構造になっていて、中心部には小石がギッチリ詰まってます。雨水が小石ゾーンを通過することでフィルターとなり、生活用水に使っていたそうです(地下に貯水槽がある)
そんなわけで密閉性が高く、むしろ湿度が籠るほどだったそうです。
長々と語ってしまいました~。
旅行を切っ掛けに相当トゥルッリに詳しくなりました(笑)

自宅開放してくれているご夫妻は、歴史ある貴重な家屋に住んでいるという矜持と誇りから、多くの人に見せてあげている…って感じがしました。私だったらやっぱりストレスですわ~w掃除、サボれませんよねw

EDIT  REPLY    
No title

mihi♪  

2017-06-11 10:24

おお~~。先ほどのみけちゃんとの再会!!なんか感動です!!

EDIT  REPLY    
No title

こにゃくう  

2017-06-11 21:00

> mihi♪さん
私もオットも、思いがけない再会で「をを~!」と、思わずすり寄ってしまいました。
伝統的家屋で自由自在に暮す猫ちゃんだったのでした。

EDIT  REPLY    

Leave a reply