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16年南イタリア

25.洞窟住居の世界遺産マテーラへ★オプショナルツアーに乗っかって

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前の記事よりつづき 】

2016年9月11日(日)

午前中いっぱいをアルベロベッロで満喫。
午後はツアー会社催行のオプショナルツアーに参加だ。

世界遺産マテーラへバスで出発。


この旅行予約時の、オットとワタクシの会話。

オット 「オプションでさー、マテーラっていう洞窟住居に行くツアーがあるよ」
こにゃくう 「興味ありません。洞窟はキライです」
オット 「え~、7千年前から現在まで続く、珍しい住居群なんだよ?」
こにゃくう 「私、閉所恐怖症なんで勘弁してください」



だがしかし、
アルベロベッロでの朝から夜までの行動をシュミレーションすると
「あれれ?アルベロベッロって、一日あればほぼ満足できちゃうんじゃ?」
ということに気づきました、ワタクシ。



2泊するんだから、この近くのもうひとつの世界遺産に行ってみるのもいいかな?
と、そう思い直し
(洞窟はコワイけど)オットのオプション提案に乗っかることにしたわけです。



目的地に近づいてきたようで
行く手に絶壁が見えてきた。
壁に無数の洞穴が開いているのがバスからも見えるぞ。
あれが住居跡の一部分なのかな?
(でも洞窟に行くのはヤダナー
)


洞窟住居群を「サッシ」と呼ぶそうです。
サッシが近くなると正面に屏風のような採石場が現れました。
マテーラ周辺は加工しやすい地質なのでしょう。
古来、簡単に掘り進むことができたことから
浸食も容易だったし、住居に加工することもできたのだろうね、と思う。

添乗員女史さん
「まずは、皆さまをサッシ群が一望できる場所にお連れします」

道路が狭く、この大型バスで進むには困難な場所に
ナイスビュー・ポイントがあるそうだ。
「皆様のために是非~」という添乗員女史さんのリクエストに応えて
「よし、行っちゃる!」と、敏腕ドライバー氏は
受けて立ってくれた。

パチパチ!
ありがとう、敏腕ドライバー氏。


張り直し/マテーラ
サッシ群が一望できるポイントに到着。
(通称、ムルジャ・ティモーネ展望台というそうです)

んー?
一面、灰色で何が何だか分からない光景だぞ・・・と思うこにゃくう。

近寄って、凝視して

そして
息を呑む。

張り直し/マテーラ
ナンダコレハ・・・!

張り直し/マテーラ
灰色の崖に貼り付くように
いや、崖と一体になって何やら大量の家屋がある。
たぶん・・・千や2千はある?


張り直し/マテーラ
崖に横穴を掘り進めた後、
入口をブロックで囲って家の体裁にしているのもあれば、
穴の入り口に扉をくっつけただけの家もある。
この辺りなんて廃墟状態だなあ。

添乗員女史さんが丁寧に解説してくれます。

「サッシ群は、グラヴィーナ川という河川が削った、深い渓谷に発生した住宅です」


ああ、ずーっと下の方に川が流れているね。
まっ茶色な水だけど。
あの川がこの渓谷を造ったのかー。

張り直し/マテーラ
無数の洞窟が見えますね?
ああした洞穴に、
古くは、旧石器時代から人類が住みだしたようです。
遡ること約7千年前ということになります。

洞窟住居はその後も人類に利用され続け・・・


8世紀~13世紀には修道僧が住みついていたり
15世紀にはアドレア海を挟んだ対岸のアルバニア人が渡って来て
住みついたりしていました。

張り直し/マテーラ
20世紀初頭になると
南イタリアの貧しい農村の人たちが
一旗上げようとマテーラに集まるようになります。
しかし仕事が上手くいかず、かといって故郷へも帰れず・・・
州都がポテンツァに移ったことで経済も衰退。
そうした夢破れた人々が
洞窟に住む道を選びます。
1920年頃、サッシの人口は爆発的に増えました。



上下水道も、まったく無い洞穴住宅群に大量の人。
家畜も洞窟の中で人と同居。
衛生面は最悪で
この頃の乳幼児死亡率は50%だったそうです。

いわゆる、「貧民窟」ってやつですね。
政府には「イタリアの恥」とまで言われてしまいます。



第二次世界大戦後、1953年。
サッシ地区をどーにかしよう!と考えたイタリア政府は
新しい住宅を造って
そこにサッシの住民を強制移住させます。
当時3万人が住んでいて1万5千人が応じたそうですが
貧民窟でも慣れ親しんだ住まいだ!と抵抗する住民も少なくなかったようです。
最後(1968年)は警察による強制執行。
サッシはイタリア政府の管理下に置かれ、
住むことを禁止された廃墟の街となります。


img_15.jpg
ところが。
1993年、サッシの文化的・歴史的価値が見出され
ユネスコにより世界遺産登録されます。
世界中の観光客が集まるようになり
再び息を吹き返す現在のサッシ群。


張り直し/マテーラ
そうか。
マテーラのサッシは
7千年に渡って、人間どもが「上書き」をし続けてきた町なんだね。


張り直し/マテーラ
添乗員女史さんの解説で俄然、興味が湧きました!
洞窟コワイなんて言ってられませんっ。
予備知識が無い観光も新鮮でいいもんです!

対岸から見るだけでなく
早くあの街の中に入って行きたいな~

「サッシ散策の前にレストランにご案内しまーす」(添乗員女史さん)

つづく:まずはランチなんだそーです 】

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6 Comments

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ふわり♪  

2017-02-14 05:38

実現できるかどうかかりませんが、こにゃくうさんの旅行記を読んで、アルベロベッロとマテーラへ行こうと旅程を模索中です。
不便な場所なので、日数を食うんですよね~
対抗馬はスペイン、アルハンブラ宮殿。
こっちも不便
特にマテーラに興味があるので続きを楽しみにしています

ちなみに私も閉所は苦手ですが、洞窟ぐらいならいけるかな。
ベトナムで地下壕を潜って通る体験は、3mで死にそうでした

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amalfi  

2017-02-14 17:47

amalfiといいます。
拙ブログに訪問いただきありがとうございました。

同じマテーラでも冬場の雰囲気とずいぶん違うのですね。次回?行くときはやはり半袖シャツで歩けるような季節がいいですね。

お気に入りに登録させてください。よろしくお願いいたします。

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こにゃくう  

2017-02-15 21:53

> ふわり♪さん
>アルベロベッロとマテーラへ行こうと旅程を模索中です。

を~♪フットワーク軽いですね!
私はこの2つの町は大変気に入りましたので、おススメしたいです。
南イタリアは、鉄道で行こうとすると不便なんだそうですね。
↑のコメントをいただいたamalfiさんが鉄道でマテーラに行かれていますが駅の表示が明解でなかったり、乗り換えが分かり難かったり…とハラハラの旅をされています。
そんな道中も旅の大切な思い出になりますけどね。

閉所恐怖症ナカマですね!
アルベロベッロのトゥルッリも窓が無いので、ちょっとコワかったと言うのが本音でして…
この後のナポリでは真っ暗&幅60㎝の洞窟に行くハメになるのですけどふわり♪さんのベトナム同様、息が出来なくなりそうでしたわ~

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こにゃくう  

2017-02-15 22:06

> amalfiさん
ようこそいらっしゃいませ!
ワタクシも、amalfiさんのブログにお気に入り登録させてください。
今後ともよろしくお願いします。
今回行ってみて、マテーラの廃墟感がとても気に入りました。
いつか、サッシをリノベしたホテルに泊まりたいな~と思っています。
夜景のサッシも是非見てみたいものです。

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洞窟住居後

terubon  

2019-07-31 16:36

先日こにゃくうさん宛てに送ったチュニジアのコメントの中に『マトマタ』と
言う洞窟住居に関する記事があります。スケールはまるで違うのですが一度目を
通して下さい。平地に直径50m位の丸い穴を掘ります。その穴の壁面を削って、部屋をいくつも作り行き来出来る様にしています。玄関は穴の底の面に作られ、
階段で登れるし、階上の部屋から紐を落としてあり、これでよじ登ります。
元々雨の少ない所ですが、穴の中に降った雨は外に流しだす工夫がしてありましたが、トイレは我慢して穴の外に出てやったのかな?、

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こにゃくう
To terubonさん

こにゃくう  

2019-08-02 14:48

只今、そちらへ伺って
全記事読んでまいりました
またも荒らしのようなコメですみません!
洞窟に住む、という同じ暮らしを選んだ人達ですね。
マトマタでは今でも不便な生活を選んでいる人がいるとは!

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