2016年9月13日(火)
2千年前の地下水道を一時間かけて見た後、
一行は、一度外界に出ます。
「みなさん、着いて来てねー」
ってガイド嬢は歩いて3分程のアパートが立ち並ぶ小路に我らを連行します。
地下遺跡ツアーは二部構成で、ここからは後半部分です。
うらびれた・・・じゃない、庶民的なアパートがギッチリ並ぶ
「ここでーす」とガイド嬢。
『Teatro Romano』ローマ劇場・・・って掲示されている。
フツウのアパートだけどね!
おじゃましまーす、って感じでゾロゾロとアパートに入るツアー民ご一行様。
ちょっと古いアパートの室内でガイド嬢が説明を開始。
「ここは、中間層よりもやや低階級の人たちが住むアパートでした」
全員、どこが劇場なのかな?って顔してます。
もちろん、ワタクシも予備知識ゼロで来ましたので
なぜこの家に連れて来られたのかなー、と思っていました。
すると、ガイド嬢、突然古いベッドを部屋の隅に押し込んで
床板を跳ね上げました。
へ?
床板が隠し扉のごとく跳ね上がると
そこが古代ローマ劇場への入り口なのでした。
れっつご~、皆さん気を付けて降りてねー
忍者屋敷だわ、コレ(笑)
たぶん広大だったのだろうと想像される劇場の、ほんの一部しか見られないのだけど
この赤レンガ、このアーチ。
たしかに劇場だよ、コレ。
通訳兼ガイドのステファーニャの解説。(以下ステ)
ステ「赤レンガを焼くには熱量が必要だったからこのレンガは高級品。
その点も、ここが劇場だったと分かるポイント。」
そう言われてみれば・・・
先程のアパートの室内画像を改めて見ると
このレンガ、一緒よね。
劇場の一部分が露出して、家の柱に使われちゃっていたのね。
ステ「この部屋に住んでいた人は
もちろん、自分の家の床下に古代ローマの劇場があるなんて知らずに生活していたのよ。
『この辺りに劇場の遺跡があるはず・・・』
と睨んだ学者たちがやって来て、探し出したというお話し」
ステ「この、正方形を斜めに積む積み方。
ポンペイにはもう行かれた?
あそこにも同じ積み方の壁があるわ。
時代が被っているからね」
昨日訪れたポンペイのフォロ(公共広場)で撮った画像をチェック。
ホント。
斜めの正方形積み。
ステ 「庶民の人は、そんな史跡のことなんて知らないからね。
この空間の事も、なんだが広いなー、くらいに思って
劇場跡だと指摘されるまではガレージにしていたのよ」
20分の劇場跡見学が終了して
出口はそこらのアパートの裏口w
洗濯物が盛大にはためき
庶民がフツーに暮す生活空間。
もう一度移動して、
更に一ヵ所、劇場跡が見える部分を見学して終了。
この空間はプレゼピオの展示場として利用しているみたい。
ステファーニャに疑問をぶつけてみた。
なぜ、立派な劇場を再利用しないで上に家が建っちゃうの?
もったいないじゃん?
ステ「最初の支配者は古代ギリシャ人、次に古代ローマ人。
中世になるとフランス王家。
更にスペイン総督の時代もあるわ。
それぞれ違うカルチャーの民族だもの。
当然、自分たちの流儀で街づくりをしたかったのでしょう」
人口が増えても土地がないからどんどん積み重ねて建てていっちゃうのね。
ナポリはどこも掘ると遺跡が出てくるから工事が進まないのよー」
内容も濃く、
ナポリの歴史と街の成り立ちを理解できる楽しいツアーでした。
もうちょっと日本語の情報がほしいところだ。
ステファーニャが持っていた日本語のパンフレットがある。
(今はもう配ってないみたい)
ねだって譲ってもらったので以下に貼りつけておきます。
活字が、鏡文字になっちゃっているところはスルーでお願いしますw
解説文の最後
『-なぜなら、地下道や洞窟、トンネルは
井戸の中に捨てられたごみで埋まってしまったからです。』
って書きたかったんでしょうね。
イタリア人、がんばって日本語パンフを作ってくれた!
【追記】
「閉所恐怖症です!」と言ってるわりに
ちょいちょい地下にもぐっている自分に気付く(笑)
けっこう面白がっている自分は
閉所ダイジョウブだったんか?w