やっほー!
ぶらぼ~♪
最高です。東京駅から午後の新幹線に乗り込んで2時間15分後には
京都駅着。
鳥居本は、観光客で喧しい嵐山を抜け、さらにさらに奥に行った所なので静かでイイんだな!
400年の歴史がある平野屋さん。最初は、愛宕神社参詣の一の鳥居脇で参詣客の為のお茶屋だったそうだ。やがて鮎の問屋業を始め、
鮎料理を出す料理屋さんになり、今日に。
夏の鮎以外、春の筍、秋の松茸、冬の牡丹鍋も評判だそうです。
こにゃくう、
京都にはまっていた独身のころ。平野屋さんの素敵な外観にタメ息止まらず。
「いつかは行きたい」と思いつつ、オーラ凄過ぎ!遠目に眺めるだけの憧れの店でした。
よーやく、このお店に入っても許されるお年頃になれた気がします。ハイ、通されたお部屋はコチラ。
涼やかな夏仕立てのお座敷。開け放たれた窓の向こうには池。山際の風が池を撫でて、涼しい風を座敷に運び込んでくれます。JRで嵐山に到着した時に、
京都の蒸し暑さを感じましたが
この座敷は湿度も温度も心地よく低いです。
6月も下旬の今日ですが、このブタさん蚊取り線香ひとつで蚊に悩まされること無し。自然の涼風を感じる贅沢。
趣ある衝立の前に扇風機が用意されていましたが、今晩は必要ないですね。
とっても良いお部屋に通していただいたようでウレシイ。座卓ですが、足元は掘りごたつタイプになっていて足の苦痛なくお食事ができます。
お部屋のしつらえを拝見・・・
お軸は滝を登る鮎。濃いピンクの額紫陽花が自然に活けられています。眺めながら、お料理をワクワクと待ちましょう。
「志んこ」と呼ぶ、お団子の一種。抹茶、白、ニッキの3種。ザクザクとした黒砂糖ときな粉を絡めて。素朴だけど、センスが光る提供の仕方。
平野屋さんが参道のお茶屋だったことに繋がるのでしょう。平野屋さんの店先では料理を注文しなくても、この志んこと抹茶だけをいただくこともできます。
てか、若輩者だったこにゃくうさんは、店先の緋毛氈に座ってこの志んこを食べては「いつかは平野屋で鮎」を心に誓っていたのでしたw
愛宕山、一の鳥居。そしてちんまりかわいい平野屋さんの絵のお茶碗。
頃合いよろしく、最初のお料理と瓶ビールが運ばれました。山菜のようですね。
わらび、蕗、土筆に、いたどり。手前のぽってりした物は蕗味噌。「すべて近くの山で採って参りました」と、14代女将。
イイ!最高の前菜ですっ。蕗の青煮は歯応えを損なわず。土筆はかわいいかたちそのままに。西京味噌で仕立てた蕗味噌が超おいしい。いたどり、って雑草かと思ってた(恥)こんなに良い食感になるとは!
「やまくじらよろし」と刻まれた箸置き。※猪の事を山鯨といいます。もう一方は「ちあいよろし」
※鮎のことを「あい」と呼ぶ地域もあるからか?
美味しい!と、オット。前菜ですでに平野屋さんに心を鷲掴みにされるこにゃくう夫婦。
こーなったらビールの部は終了。日本酒、行きます!予約時に、日本酒4合瓶1本の持ち込みをお願い申し上げました。
蜻蛉の柄が涼し気なお猪口を用意くださった女将。九谷、晶窯の酒器。
二品目のお料理。「せごし、でございます」と、女将。背越し、と書くようです。こにゃくう、無知にて初めて食べる
鮎料理。
ワタを縦に抜く。中骨を残したまま縦に輪切りにして、キュッと氷水で〆てある。若鮎を使っているので、骨ごと食べられるのだ。その骨の食感がシャクシャク、と快感。若鮎ながら脂の旨味をほんのり感じる。
丁寧に造られたツマも美味しいねぇ・・・オット共々、大絶賛です。
キング・オブ・
鮎料理。鮎の塩焼!お待ちしていました~ ♪美しくうねるプロの焼姿。
ひとりに2尾の塩焼きが供されるのですが、軽くいただけます。
てか、1尾だったら「もう1尾食べたいなー」って気分になってたことでしょう。
4品目。今が旬の茄子を、西京味噌と白胡麻で和えてあります。塩焼の後に、やさしい甘さ。
5品目。見事な八寸。酒飲み夫婦は感涙

もろこ、佃煮なんかじゃない。やさしい味の浅炊き。山桃も周囲で採れた物かもね。絹かつぎ、空豆、筍。玉蜀黍は丁寧な塩加減。ひとつひとつに、いちいち感動して食べてます。
こにゃくうさんは好きな物は最後に取っておくタイプなので、一番最後に「鮎寿司」を。
ハーブがほんのり香る、軽い〆具合。うまっ!
6品目。鮎のお粥。山椒の葉がちょこんと、カワイイ。
鮎の旨味と脂ってこんなに美味しい出汁が出るのねー。ココまでに出た鮎の頭や尾を使ったのかも。繊細な味のお粥で感動です。
7品目。これは、嵐山の名豆腐店
「森嘉」の品ですね。
「辛子とうふ」といいまして、中に海苔で包まれた和辛子が仕込まれています。お好みで辛子を醤油に溶いて食べるのです。
旅行者は買った豆腐を即、持ち帰るのは難しいですから
京都の飲食店で森嘉の豆腐に遭遇するのはラッキーです。
8品目。天婦羅。メインは鮎!そして、蓮・生麩・水茄子。蓼塩でいただきます。
は~ぁ・・・この鮎の天婦羅はひときわ美味しかったなー。今、こうして画像を眺めていると味が口中に蘇ってます。鮎の頭も、カリリと骨ごといただけました。
9品目。鮎の土鍋ご飯。炊きあがった鮎ごはんを女将が丁寧にほぐし、そして盛り付けてくれます。
「以前お店の前で黒いワンちゃんを見かけたのですが、今日はいませんね?」と女将に尋ねたところ「去年の11月にのうなったんですよ」とのこと。
えっ!そうだったですか・・・いたましいことです。人懐こい、優しいワンちゃんでしたよね。ももちゃん、14才のご長寿でした。合掌
(ももちゃんの画像がある過去記事)
さて、女将が丁寧によそってくださった鮎ご飯を頂きます!左の小皿には刻んだ生の蓼が。お好みで御飯にトッピングします。
「蓼は箸で取ってください。手で摘まんではあきまへん」へ~。ナゼでしょう?お行儀悪いから?
「手で触ると痒うなるんです」(女将)生の蓼なんて、お目にかかることが無かったので初しりです。
「鮎に蓼を合わせるゆうのは、誰が考えたんでっしゃろな。蓼は川に生えてはるよってにね」(女将)
クセがあるけど、スパイシー。蓼を使うと味わいに変化が出るんですね。
添えられた味噌汁にも捻りがあるの。じゅんさいと独活だもの~^^大好物。ほんのり柚子の香り。椀の底には一切れの柚子の皮が潜んでいました。
最後にメロンとさくらんぼ。滅多にデザートでは感動はしないのだけど、ジャストの食べごろメロンでオイシイ。
憧れの平野屋さんにやっと来れました。お料理はもちろん素晴らしい。歴史ある家屋も丁寧に保存・維持されているし、空間の演出もハイセンスだ。使っている器もひとつひとつ美しい。
近年の京都は外国人観光客で溢れかえっていると言ってもいいかも。特に、中心部はね。
祇園、先斗町あたりは自分のペースで歩けないもん。
今宵、鳥居本までやってきたことで静かな、京都ならではの夕食がいただけましたよ。
是非、またお食事に寄らせていただきたい。いつまでも静かな鳥居本と平野屋さんでありますように。
玄関脇のお花に水を遣る、かわいらしい女の子。もしかしたら、16代目女将候補でいらっしゃる?400年続いた名店、永久に!と思いました。
さて、我ら夫婦が勝手に「別荘」と呼んでいる、ムスメの、大阪の部屋に泊まりに行こうっと
<本日のお会計>鮎料理コース 15500円×2名、瓶ビール 1000円、日本酒持ち込み料 5000円、サービス料 15%、消費税 8%(合計)45954円(明細は書かれていなかったけど、たぶんこんな感じ)