ふぐ 牧野@東京/浅草
2018年3月下旬某日
オットと隅田川でお花見・・・からの、ふぐ屋さんである。
浅草寺から西へ、合羽橋道具街を過ぎて都合10分ほど歩いただろうか。ここまで来ると浅草寺界隈の外国人観光客は皆無。静かな下町の夕暮れ時だ。
今回のお店チョイス&予約等はすべてオット主導。「河豚はもちろん、毛ガニ大根鍋がオイシイらしい」(オット)
は? 河豚は分かる。河豚屋だからな。毛蟹で大根ってナニ?せっかくなので一切の検索等をせず、予備知識ナシで連れて来られてみたよ。
こんばんわ。はじめまして。予約は17:20。マジ人気店でこの時間しか予約できなかった、とオットが言う。通されたのはカウンター。テーブル席もあり、奥に小上がり。2階に席もあるようだ。
生ビールは無いので瓶ビールをいただいています。(黒ラベル600円)お通しは数の子松前漬け。大振りの数の子で甘目なお味。メニューチョイスはオットに丸投げして、ワタクシはビールを飲むのに忙しい^^
「電話でお願いしておいた河豚刺しを、ね」などとオットがお店の方に言っている。河豚刺し、いわゆるてっさは要予約だそうです。
お~♪ふぐがキラキラと美しい!ひとりでこの皿を独占できるとはシアワセだっ(一人前5000円)
我が家は半年に一度のペースでふぐがお安く食べられるチェーン店で食べてそれで満足しているレベルの家族。その店でも十分オイシイと思うのだけど、ここ牧野さんの河豚はチガウ!適度にぽったりと厚い部分もあり、噛んだ時の歯応えが絶妙。さらに噛むごとに身から染み出る甘味。嗚呼。コレがお高い河豚屋さんの河豚なのネ・・・
皮のコラーゲン具合も、まあ違うこと!ぶよ~んとした弾力が堪らない。良い食の経験をさせてもらいました。
更にオットが選んだのがコチラ。焼きふぐ(5000円)大根おろし&ポン酢にまみれた河豚の切身たち。これを焼肉のようにロースターで焼き焼きして食べるという趣向。
毎日使っているのだろうに、ピカピカで新品のようなロースター。お手入れお掃除怠りないのだろう・・・などと感心していたら「焼き方、お教えしますね」と言ってお店の方がいい塩梅に焼いて下さる。「早い時間だから焼いてあげられますよ。混んできちゃうとそうも言ってられないけどねー」うまく言い表せないけど、標準語とは違う、東京弁を話すお店の方。ああ、下町言葉ってこーいうテンポでこーいう語尾なんだよね。お店の方々のトークも味付けのひとつ。
「(焼きふぐは)11枚へーってんだ。(入っているんだ)ケンカすっといけねーからよ、1枚追加だよっ」と、カウンター向うからシルバー世代の大将が焼きふぐの皿にふぐ一切れをぽちょん、と投げ入れてくれた。東京弁で。すばらしいオマケ!ありがとうございまーす。
ふぐ刺しでも食べられる部位の切身なので、焼き過ぎず片面だけの火入れでレア状態で食べてオッケー。ふぐの身って、加熱するとまた違ったおいしさ。
次は焼き白子。きゃー。おおきい。ぷっくり膨れた大振り白子が香ばしいカホリを振りまく。
ワタクシは無類の犬舌。アッツアツの焼きたて白子の端をぷつんと噛む。どろ~んと湧き出るミルキー白子。やばい。ウマすぎ。
白子のお値段。メニューには「時価」と書いてある。恐っ
値段確認しないで頼んだオット。でも、お会計時にみたら一人前3200円だった。前述の「お安いふぐ屋」でもちょこっとしかない焼き白子で2000円ほどすることを思うと、このボリュームで3200円はお得だと思う。

そして登場。毛がに大根鍋。これかー!たしかに、毛ガニで大根で鍋だー。※この鍋も要予約品。(19000円)
白みそ仕立ての鍋。浮いている黄色い浮遊物はバターが溶けたもの。そこに1本まるまるの大根と毛蟹が1杯入っている。豪快だ。
鍋になった蟹ってフツウは食べにくいのだけど、丁寧に下処理されているからか蟹スプーンでスルリと身離れするので食べ易い。
煮込んでいくとだんだん大根の味がしゅんでくる。そう、この鍋の主役は大根。ぶり大根が大根を食べる料理であるのと同じセオリーだ。
毛ガニの風味、味噌のあじ、バターのコク味に鷹の爪のピリ辛。複雑な味を吸い取った大根は無限に食べられるゾ。「ひたすら大根を食べっからね、ひたすら大根鍋ってーんだよ(と言うのだよ)」(大将)こんなオイシイ大根なら、ひたすら食べますっ
ビールを合いの手に、テンポよく大根1本丸々&蟹1杯を喰らう。カウンター向こうの大将にもビールを注ぎ、一緒に呑んでいただく。こういうやり取りって楽しいな。やがて、オットとふたりでひと鍋完食。汁も飲み干してやろうかと思ったが「〆に雑炊かラーメンを食べるのなら汁は残しておいてね」とお店の方に言われたので、うっ、もはやここまで。止む無く一度箸を収めましたw
この蟹みそバター汁でラーメンって最強でしょ!至福の時間ごちそうさま。(それでも残ったお汁はテイクアウトさせていただいた)
創業して90年ほどの老舗、牧野。店内を見ると年齢層が高い。そして常連さん率が非常に高い。我らなど初来店の若輩者って感じ。きっと昔から食いしん坊の間では有名なお店なのでしょう。この日も元プロ野球監督がいらしていたわ。(娘がプロゴルファーで素足に靴履く娘婿がいる方)
お会計を正直に書くと、ビール600円×4/日本酒1500円×1/お通し(数の子松前漬け) 300円×2/ふぐ刺し5000円×2/焼きふぐ5000円×1/ふぐ白子3200円×2/毛ガニ大根鍋 19000円×1/麺代600円×1/残ったお汁持ち帰りタッパー代300円×1+税8%で約50000円のお支払。
また寒くなったら再訪したいお店だ。
【蛇足】日本酒のラインナップが我らの方向性と違っていたので300mlを1本呑んだだけで淋しく終わらせ、ひたすらビールで乗り切った。これで好みの日本酒が置いてあったら・・・あと8千円は呑んでいたと思う。(冷酒:大関・大吟醸長兵衛そんなのワタシは飲みたかないっ)
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