オットは萩市とその周辺の世界遺産物件が見たいという。
ワタシはそのお隣県、島根で自分のルーツ探しをしたい。
・・・そういう目的の旅行の記録です。
2017年5月12日(金)
山口宇部空港から、レンタカーを萩市街地に向かって走らせています。 我が人生、ほぼ初といってもいい山口県です。
(正確には高校の修学旅行では来ていますが)
山間の幹線道路沿いに展開する風景が関東人のワタシには新鮮です。 だって、どの家の瓦も同じ赤で統一されているかのようだから。
コレ、島根県石見地方の特産品、石州瓦ってやつですね。
関東では見ないカラーの瓦。
ほとんどの家がチョイスしています。
まるで欧州の街デザインのようではないですか!
ここはドブロブニクですか?(笑)
「萩反射炉跡」
んまっ
これまた地味な・・・^^;
金属の溶解炉であり、鉄を精錬するための設備ですね。
『萩藩の幕末における軍備充実の熱意がうかがわれます』
とパンフに書かれています。
そこにポツンと反射炉が立っている、と。
そういう施設なので入場無料です。
タイミングが合えば無料のボランティアガイドさんがいらっしゃるので 説明をお願いした方がいいと思います。
てか、説明が無いといったいこの煙突ナニ?で終わる可能性大w
1851年に佐賀藩ではすでに反射炉製造に成功していました。
「ソレの造り方、教えてほしい!」
1855年に萩藩は家臣と大工棟梁のチームを佐賀藩に送り込みます。
簡単に教えてくれるわけないですよね。
3度も家臣を派遣するも
佐賀からは「スケッチだけならいいよ」という許ししか得られませんでした。
カメラ撮影不可!のブロガー泣かせなレストランみたいですねw
結果、大工棟梁の完璧なスケッチのおかげで反射炉は無事、完成・・・ するわけはなく
サイズも大幅ミニ。
火を入れた形跡が皆無なことが分かっているので
コレはあれだね。
失敗作?
てか試作品ってこと?
・・・という見解になっています。
近代化をめざして一生懸命だったという事実が伝わる遺跡だと思うの」
なるほど。
説明看板に『萩藩のトライアル&エラーを証明する貴重な遺産』と書かれているには
そういう意味なんですね。
身近にある建材は木と紙だけの日本人が
西洋列強が持っている鉄って物体を自作できるようにならなきゃ
我らに明日は無い!って焦って
なんとか同じものを造ろう!ともがいた様子にじわります。
萩の人たちはこの反射炉を昔から誇るべき遺産と認識していたのですか?
「世界遺産にエントリーされるまで萩の人の大半は
コレがいかほどの意義がある遺物か、なんて知らなかったと思うよ。
草ボーボーの丘の上に何かあるよね、アレ。って感じ?
子供のころはかくれんぼをする場所だった~」 (ガイドさん)
立派な世界遺産案件の説明よりも
そーいう地元密着エピソードの方がずっとおもしろいですよw
もうひとつの世界遺産遺構、恵美須ヶ鼻造船所跡がある。
せっかくだからそちらもね。
ここは反射炉跡よりもさらにうっちゃられ感でいっぱい! 説明版があるだけ~。
ガイドさんのブースもあったけど無人!
ヒマ過ぎて帰っちゃったのかな?
防波堤を彷徨ってみるものの
コレが何なのか実感わかず。
ま、説明板を熟読すればいいんでしょうけれど。
しないよねw
江戸期を通じて大型船の建造を禁止してきた幕府が
幕末になって方針転換し各藩に造船を要請した、というのが肝なのかな。
そしてこの場所で萩藩メイドの2隻の洋式軍艦が造られた、と
そういう場所ってことでOK?
縄を張ってあるだけって、宅地造成地かよw
しかし・・・
反射炉にしても洋式軍艦にしても
造ったこともなければ見たことすらないものを
なんとか試行錯誤して近いものを造っちゃう江戸期の日本人って
けっこう凄くない?
感動するわ。
「世界遺産見学は一時中断!今から萩市内の酒蔵に見学の予約を入れてある」 (オット)
オットよ。
毎度、ぬかりないですなあ。