2018年7月12日(木)
神が降臨したかのようなモルゲンロートを見た後、AM 6:30。計画通り、トレッキングに出発します。
出発の時、ホテルを振り返ると「大角のだんな」2頭がまだ岩場で岩塩を舐めていました。(大角のだんな・・・野生山羊の一種シュタインボックを宮崎駿がハイジでそうキャラ設定したそうな)
7月の今であっても、クルムホテルを出てすぐの周囲にはところどころ残雪があります。が、避けて歩けば問題なくスルーできる程度の範囲でした。地質は石混じりでガラガラ状態ですが、トレッキングに対応した靴であれば問題ないかと。(年ごとの雪解け状態の違いはあると思います)
我らは旅行会社のツアーでスイスに来ています。旅行日程表では本日の行程は以下の通り。
『AM 9:00 ホテル出発→AM 9:31 登山列車にて ローテンボーデンへ→AM 9:36 ローテンボーデンからリッフェルベルグまでハイキングへご案内します。歩行距離:2.2㎞/歩行時間:1時間30分』
・・・と、いった感じ。ツェルマットに来たツアーのスタンダードな行程です。
しかし、我が家にとってはこのツアースケジュールでは満足度が低い。ワタクシとオットはツアーを離脱して今日一日、好きにトレッキングして過ごす予定。9時出発では遅いので日の出後すぐに出発です。もちろんホテルの朝食もパスで。
歩き出して30分ほどでリッフェルゼーが見えてきました。「ゼー」は湖なのでリッフェル湖ですね。
リッフェルゼーの水面に映るマッターホルン。誰が言い出したか「逆さマッターホルン」。それが見られる湖として、ツェルマットエリア・トレッキングの鉄板ポイントです。我らは敢えて終点のゴルナーグラートから歩いて来ましたが、ローテンボーデン駅からなら歩いてスグなので、誰でも苦も無く堪能できるスポットです。
風が強い日だと水面が揺れてしまうし、午後よりも朝の方が大気が安定している可能性が高い。逆三角形のマッターホルンを撮るためには、早朝が良いです。(いろいろがんばってみてこんな画像でナニですけど)
何よりこの時間なら誰もいない!10時くらいになると湖の周囲には人が集まり、トレッキングコースもマイペースで歩くことはできないでしょう。
リッフェル湖に映るのはマッターホルンだけじゃない。振り返れば、逆さモンテローザ(左)に逆さリスカム(右)も可能よっ。マッタ-ホルンより近いので迫力あるし、美しいわ。
まだ登山列車の始発も来ていない時間ですから、ツェルマット泊の観光客も現れていません。きっとオットとワタクシがこの日の逆さマッタ-1番乗りだろう。・・・と、思ったら、湖畔にキャンプしている2名の男子発見。ああ、そっかー。ここで日の出を迎えれば、マッターホルンのモルゲンロート+逆さ!という神画像が撮れるのだなあ。
こんなの。
↓
※ゴルナーグラート鉄道の乗車券です
この後、約2時間30分後には我らのツアーの皆さまもここへやって来て、すばらしい逆さマッタ-を見ることが出来るでしょうね。
リッフェルゼー(リッフェル湖)を後にして次のポイント、リッフェルベルグに向かって進みましょ。
歩きながら思う。クルムホテルの我々の部屋から見えるマッターホルンより、ぐっと山肌に接近したなあ、と。ツェルマットに向かって行くにつれ、山肌がリアルに感じられるようになって楽しいです。
マッターホルンの右肩あたりに山小屋があるのが見えるんです。よーく見ると、かなり立派な建物。日本で山小屋っていったら猛者みたいな男子相手の寝るだけ上等!って感じの、ワイルド空間ですわね。ここ、マッターホルンアタックを目指すための山小屋は、快適空間、シャワー有り、トイレ清潔、夕食はコース料理…という、行って見たくなる宿泊所らしいですよ。
※赤丸部分に建物が見えますか?
そのあたりのセンスにも、我が国とスイスのアルペン文化の違いを感じます。体育会系集う登山、日本。欧州のブルジョアジーの娯楽から出発、スイス。てっぺんはまず不可能でも、あの山小屋までは行ってみたいものだなあ。
そんな妄想をしながら歩みを進めると、前方でチョロリと動く何モノかが。画像、中央にちょこんと居ます。
マーモットですね、コレ!
常に警戒しているようですが、この日に通る人間はワタクシとオットが一番最初なのでしょう。本格的な警戒モードには入っていないようで、ざっと見て20匹くらいが草むらを俊敏に匍匐前進しています。プリケツがかわいいです。
背の高い樹は皆無です。見晴らしのよい丘を選んで無数の巣穴が掘られていて、コロニーが形成されています。視界が開けているから、鷹や鷲など外敵の接近がよく見渡せるのでしょう。何モノかが接近したら秒で巣穴に隠れます。
アルプスの少女ハイジで、ペーターがハイジに山に「かわいいの」がいるのだ、と語ります。それがこのマーモットなんですってね。ほんと、かわいい。
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