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東京のうまいもん

茶禅華(サゼンカ)東京・広尾@中華なのに繊細かつエレガント

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2019年5月22日
東京・広尾。通る車はことごとく左ハンドルで、下校途中の小学生たちが流暢な英語でおしゃべりをする。
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あら、ドイツ大使館。こっちはフィンランド大使館。そんなインターナショナルな町、広尾の中華料理屋を予約した、とオットが言う。

5月はオットの誕生月である。先月4月のワタクシこにゃくうの誕生日には、ばばば~ん!と京都吉兆本店でお祝いしていただいたからね。オットに「お誕生日お祝いにお好きな店をリクエストしてくれたまえ。もちろんワタクシがごちそうしますよ」と申し上げたところ、オットが自主申告&自主予約で今晩の店「茶禅華」をチョイスしてきたわけです。



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高級住宅街の中、元フィンランド大使公邸だったおうちをレストランにしたそうな。

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あった!茶禅華~。コレ、中華料理屋じゃねーわ。チャイニーズ・レストランだわ(一緒かw)
目立たないサインが出ているだけで、店舗に見えない控えめな外観


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玄関ホールを入ったところ。シノワズリー♪お品の良いアンティーク家具と落ち着いた照明。

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いきなり最初の瓶ビールの画像。ダイニングには5組のお客様。店内を気軽に写すのは憚れる雰囲気だったので、自分らのテーブル上以外はほぼ写していません。ヱビス 972円(税込)

IMG_1660メニュー
テーブル上のメニュー。なんでしょ、この四文字熟語の羅列w 中国料理は食料と調理法がメニューなので、漢字から大体の雰囲気がにじみ出ていますが・・・

青山緑水

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「清湯スープ。四川の緑茶と京都の玉露で出汁をとり、奈良の三輪そうめんを添えています」
へー
緑色の浮遊物はお茶から抽出した油、とのことです。
へー
確かにお茶カオル。スタートから、中華料理の概念を軽く越えてくる。

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2品目:酒酔な大蝦

北海道産のぼたん海老。紹興酒のたれに漬け込んだそうです。紹興酒が上質なのでしょう。海老の甘みと紹興酒の風味に酔えます。「海老味噌も堪能してください」(スタッフさん)
尚、添えられた茶色い液体カップはスープじゃないよー。フィンガーボールです。

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3品目:酸橘と海蜇・・・って何?中華なのに懐石料理を思わせる八寸でやってきた。

IMG_1668 橘の釜にくらげ
橘の窯の中にくらげ。くらげは「海蜇(かいてつ)」とも言うそうな。蓋の部分の果汁も搾り入れて。コリッツコリのくらげの食感がオイシイこと!足の部分だけでなく、ボディ部も入っていたのだけど、くらげを食べて感動したのは人生初かも(笑)

IMG_1667独活の甘酢漬けと大豆
キューブ状の物は独活の甘酢漬け。山椒がまぶされています。そして大豆。

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4品目:蜜汁叉焼。何て読むんだ?・・・みつじるちゃあしゅう?テーブルに七輪で登場。厚めにカットされた香ばしそうなチャーシュー

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「じっくりと焼いて味を閉じ込めてあります。香りを楽しんでいただくために七輪に乗せました。」(スタッフさん)
焼き過ぎに注意!とのアドバイス。以後、各テーブルにこのお料理が到着する毎に、方々で香ばしいカホリが発生します。

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豚肩ロース叉焼のこの照り具合はどうよ。「蜜汁」を実感。八角の香りって食欲を刺激するのね。
先ほどの甘酢漬けの独活がこの叉焼に合うんだね。

IMG_1674風の森ボトルで4860円
茶禅華さんの嬉しかったところのひとつは、中華なのに日本酒も置いているところ。奈良の酒「風の森」をボトルでお願いします!4860円(税込)
繊細な中華に風の森のフレッシュ感ある風味が合います。

IMG_1676 雉スープ
5品目:雉雲呑湯
見た目がサッパリしているからって、ああ。雉肉のワンタンね、と軽く捉えてはいけない茶禅華のスペシャリテ。

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雉から出汁をとったスープ。とことん澄んでますね。ワンタンの中にも雉の肉。香りづけにクレソンがひとひら。この雉スープだけは年間を通じて供されるそうです。

IMG_1678 一年を通じて出している、夏と冬で雉の味が違うjpg
各お客様に出したメニューは個別に記録しており、つどつど変えておられるそうだが、この雉スープだけは定番料理として提供しているそうです。「雉は生き物なので夏と冬とでは味わいが異なりますから」(スタッフさん)
冬は脂が乗りますよね。同じ料理でも違ったニュアンスになるのでしょう。

IMG_1680北海道あわびと春雨を蒸した
6品目:清蒸鮑魚
「北海道の蝦夷あわびを春雨と蒸しました」(スタッフさん)
細か~く刻まれた生姜と細い細い春雨が美しい。

IMG_1681奥側がXO醤で手前側があわびの肝ソース
春雨の下、鮑は2分割されていて食べやすい。奥側はXO醤味で手前はあわびの肝ソース味。2つの味が明確に違ったかというと、そうでもなくw分からなかったのはワタシだけかしら^^;
いろんな味を吸った春雨がもっともおいしかったかもw

IMG_1684陳年紹興貴酒15年 10368円
毎度のことですが、酒のみ夫婦はコスパが悪うございます。瓶ビール、日本酒4合瓶1本では止まりませんもの。陳年紹興貴酒 15年 ボトルで10368円(税込)も飲んじゃってます。ロックでお願いしたら真ん丸氷でやってきました。「削って球体にした氷ではないんです、スミマセン(笑)」と仰る正直なスタッフさんw

IMG_1686シェフの個人蔵景徳鎮のツボ!金継ぎしてある
7品目:四川排骨
お料理よりも印象に残るのは、この器。景徳鎮じゃないですかっ「シェフの個人蔵の景徳鎮です」(スタッフさん)
金継してあって大事にしているのねー。金継がまたいい景色になっている!(欲しい^^)

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清廉な絵付けの蓋を開けると真っ赤!という演出。ハイ、山のような唐辛子です。鷹の爪と朝天唐辛子。そして赤山椒に青山椒、香味野菜も。

IMG_1690 四川排骨、スペアリブ
スタッフさんが分け分けしてくれます。「山椒の香りを楽しんでくださいネ」(スタッフさん)

IMG_1691手づかみで食べる
スペアリブです。手づかみでガッツリいただくのです。サクサクした食感のスペアリブ。紅い唐辛子にこの、深い緑の皿を合せるセンスが好き♪

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メニュー外の「お口直し」。すもも。乾燥した梅。素直に梅をドライフードにしたようで、自然な甘みと酸味。

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種が大きい梅なので可食部分が少ないのですけどw甘酸っぱさが紹興酒に良く合うので酒の合いの手になってくれます。「よろしかったらもう1粒いかがですか?」と聞かれたので反射的に頷いてもう1個いただく。オット 「え~、タダって訳じゃないんだよー」あ、そっか!しまった。うっかり1粒追加で 432円もチャージされてたわ^^;さりげなく追加を勧められても、安易に「ください」と言ってはいけないよ(←ケチ)

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さて、8品目の準備が。目の前に黒酢の小皿。添えられた小さいスプーンがかわいいなあ。水牛の角で作られたスプーンだって。(欲しい…ボソ)


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8品目:紅焼魚翅
もはや、なんて読むのか分からないwふかひれの姿煮込みということで。気仙沼ふか尾ひれの肉厚な部分を煮込みました。豚と鶏の白湯スープで煮ています。

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コラーゲンたっぷりを感じます。お口がペタッってくっつく感じ?お好みで黒酢を垂らして、とおススメされたけど、何もなくてもとっても滋味深い。嵌入の器も素敵だなあ、と。

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間を置かず、ふかひれのスープでつくった雑炊。おじや、って感じ?

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9品目:塩炒露筍
アスパラガスを茹でて塩炒め。見た目通り、そのままのアスパラガス。

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10品目:茶禅羊肉。だいすき!ラムチョップ♪麻辣醤ソースが添えられ、クミンの香りでラムチョップが中華になっている。血が滲むレア加減がワタシの好み。

IMG_1711清湯麺蟹のXO醤を乗せる
お料理のラストにシンプルな麺。具、ありません。スープが主役の麺料理です。毛ガニのXO醤を乗せて味を変化させて食べたりも可。コースの最後にお茶漬けで〆るみたいな感じの麺。

IMG_1712 ココナッツアイスとグレープフルーツ、タピオカマンゴー
ここからデザートが3品も。最初のスイーツ。タピオカマンゴーとココナッツアイス&グレープフルーツ
自分でも笑っちゃうけど、デザートになったらイッキに記憶に残ってないという事態w

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キホン、スイーツには興味が無いのでwああ、これは覚えているなあ。秋田県・角館の樺細工かなあ・・・?と思ったこのトレーが印象的だったわ。こういうプレゼンがセンスいいなあと思うんです。

IMG_1714 温かいのと冷たいの。杏仁豆腐
肝心なのは食べ物なのにねw杏仁豆腐だったわね。冷たいのと温かいのの両方が出て。
たしか、香りがたつのであたたかい方がいいなあ、と思った記憶。杏仁豆腐はフツーに杏仁豆腐。

IMG_1715柏餅
3つ目のデザートは柏餅。5月だったので端午の節句のイメージですね。柏餅が中華風・・・だったよーな胡麻団子風だったかも。

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ふー、満足満足…とお食事終了体勢に入っていたら「お誕生日と伺っていましたので」と、スペシャルなデザートを持ってきてくださった。
巨大桃まんじゅう!
フツー「ミシュラン店でお誕生日ディナー」といえば女性が主役で…って思いますよね。おもいっきりワタシの前に持って来られましたが、主役はオットなんだなw

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巨大桃は桃饅頭に見せた蓋で、取り上げると中からかわいい桃型饅頭がでてくるのでした。
饅頭の中から饅頭、という仕掛けは慶事席向けの菓子です。
これ、中が餡子ではなくて杏子餡。甘酸っぱいのでこの満腹局面でも美味しくいただきました。お勘定には入っていなかったのでホントにお店からのサービス。


IMG_1721中国で桃は不老長寿、邪気を払う縁起のよい果物
中国で桃は不老長寿、邪気を払う食べ物として縁起物。桃饅頭は誕生日に食べる点心です。
桃とコウモリのお皿がステキ。中国では桃&蝙蝠はラッキーアイテムです。
お盆、これは箱根細工のようだなー、とかデザートより器に目が行くワタクシw

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中華料理ではあるけど和食の気配も感じるセンス。丁寧でどれも美味しかったです。年に一度のお誕生日にご馳走してさしあげるにふさわしいお店だったわ。

IMG_1729 お見送りつき
スタッフさんの目配りが行き届いていて気持ち良いサービスでした
冷たい酒類を注ぐ都度、冷蔵してくれる店にワタシは初めて出会った。白ワインやスパークリングをクーラーに入れるのはフツウのことだけど、瓶ビールまで注ぐ度ごとに冷蔵庫に格納してくれるのは酒のみには嬉しいんです。

<本日のお会計>コース×2=49,680円、瓶ビール×2 1,944円、風の森(日本酒)1本 4,860円、陳年紹興酒貴酒 15年ボトル 1本 10,368円、話梅  432円 (←痛恨ww)、サービス料 6,728円・・・などなどで 74,012円

茶禅華 - 白金エリア

東京カレンダーWEBに掲載されました。

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