ウミウ捕獲場って?陛下もご訪問@茨城県日立市/鵜の岬
2019年9月30日の報道。
『天皇皇后両陛下は茨城県で行われている国体にご出席され』『競技観戦後にウミウ捕獲場をご訪問』

あ~!この「ウミウ捕獲場」って行ったことある~

当ブログに『鵜飼いが見たくて岐阜の旅★鵜匠と鵜の1300年』という過去記事がありまして、岐阜県長良川の鵜飼を体験したら、その漁法の神秘的な様式に心を動かされました。鵜飼氏たちと鵜たちが濃密に付き合いながら、1300年もの長きに渡って伝統を続けてきたことに驚愕すらした、という思い出の記事です。

何でしょ?この秘密基地みたいな空間w「これは鳥屋(とや)と言います。自然な感じで鵜から怪しまれないように。鳥屋の向こう側にはおとりの鵜を繋ぎます。仲間が休んでいると思って、うっかり休みにやって来たところを捕まえます」(捕獲のヒト)

体力を遣う渡り鳥の長い旅。ちょっと休みたいな、この辺は風が強いし波が荒いもの。小さな岩場では波が掛かるから崖の上で休もうかな。・・・あ!あそこに他の鵜がのんびり休んでる~。よーし、ヲラも休もう…おじゃましまーす!あれれ?変な棒が足元に。…キャー!!
・・・ということかな (´д⊂)

このゲージから海は見えないのに、みなさん、海の方向を向いて空を見上げている姿がツライぞ(涙)ゲージに「鵜のパラダイス」と命名されていたのがなんとも皮肉な気がしたわ。…と、勝手に擬人化して妄想しましたごめんなさい
『天皇皇后両陛下は茨城県で行われている国体にご出席され』『競技観戦後にウミウ捕獲場をご訪問』

あ~!この「ウミウ捕獲場」って行ったことある~
ワタシ的にはかなりツボだったスポットです。両陛下もお気に召してくれたのかしら~?
2018年2月25日(日)

この時の旅の目的は「茨城で鮟鱇(あんこう)を食べよう」
常磐自動車道で日立北インターまで車を走らせたワタクシこにゃくうとオットです。

またもオットが妙なスポットをピックアップしたようですよ。「鵜の岬。ここで鵜飼用の鵜を捕まえているんだそうだ。期間限定で見学ができるらしいから行ってみよう」え!鵜飼の鵜に、歴とした産地があったんか!
2018年2月25日(日)

この時の旅の目的は「茨城で鮟鱇(あんこう)を食べよう」
常磐自動車道で日立北インターまで車を走らせたワタクシこにゃくうとオットです。

またもオットが妙なスポットをピックアップしたようですよ。「鵜の岬。ここで鵜飼用の鵜を捕まえているんだそうだ。期間限定で見学ができるらしいから行ってみよう」え!鵜飼の鵜に、歴とした産地があったんか!

当ブログに『鵜飼いが見たくて岐阜の旅★鵜匠と鵜の1300年』という過去記事がありまして、岐阜県長良川の鵜飼を体験したら、その漁法の神秘的な様式に心を動かされました。鵜飼氏たちと鵜たちが濃密に付き合いながら、1300年もの長きに渡って伝統を続けてきたことに驚愕すらした、という思い出の記事です。
公開時間 9:30~14:00。期間限定で例年1~3月と7~9月の公開時期。なんでその期間なのか?
鵜は渡り鳥です。4~6月は繁殖の為に北海道に向かいます。で、10~12月になると越冬の為に本州太平洋岸を目指して南下してきます。ここ鵜の岬は、ちょうど旅の途中の休憩地なんだそうですよ。
実際に鵜捕獲作業をされている方が待ち構えていて、「どーぞー」と丁寧に案内してくれます。

トンネル内にはパネルで簡単に日本各地の鵜飼の説明。日本中では12カ所で鵜飼が行われていて、ここで捕獲した鵜はそのうちの11ヶ所に送られています。(和歌山県有田川鵜飼だけは自前でウミウ捕獲をしている)

トンネル内にはパネルで簡単に日本各地の鵜飼の説明。日本中では12カ所で鵜飼が行われていて、ここで捕獲した鵜はそのうちの11ヶ所に送られています。(和歌山県有田川鵜飼だけは自前でウミウ捕獲をしている)
「何羽送ってくれ、と注文が入る訳です。野鳥ですから都度都度、捕獲申請書を提出しています(捕獲のヒト)

意外なことに、長いトンネルを抜けるとそこは断崖絶壁。扉の外の、狭いスペースを簾のような衝立で丁寧に囲っています。

意外なことに、長いトンネルを抜けるとそこは断崖絶壁。扉の外の、狭いスペースを簾のような衝立で丁寧に囲っています。

何でしょ?この秘密基地みたいな空間w「これは鳥屋(とや)と言います。自然な感じで鵜から怪しまれないように。鳥屋の向こう側にはおとりの鵜を繋ぎます。仲間が休んでいると思って、うっかり休みにやって来たところを捕まえます」(捕獲のヒト)
え。けっこうえげつない捕まえ方(汗)
「柄の長い棒の先に鈎が付いた道具で足をひっかけて鳥屋の中に引きずり込むんですね」(捕獲のヒト)そ、それは誘拐…あ、なんでもありませんっ
扉の向こうは断崖絶壁でびびります。「鵜は気が荒い鳥でね。口は剃刀のようなんですよ」(捕獲のヒト)鮎を一撃で仕留めるのだからくちばしは武器なんだろうなあ。捕獲のヒトも、上達するまでは鵜の反撃に遭うことでしょうね。

鳥屋の上部が天窓のように開いていて、顔を出してみたら太平洋の大海原が。波が荒くて豪快です。

鳥屋の上部が天窓のように開いていて、顔を出してみたら太平洋の大海原が。波が荒くて豪快です。

体力を遣う渡り鳥の長い旅。ちょっと休みたいな、この辺は風が強いし波が荒いもの。小さな岩場では波が掛かるから崖の上で休もうかな。・・・あ!あそこに他の鵜がのんびり休んでる~。よーし、ヲラも休もう…おじゃましまーす!あれれ?変な棒が足元に。…キャー!!

捕獲するヒトの方もそれはそれで大変なようで、歴史ある伝統を繋いで行かなくては、という使命感。
注文された数の鵜が捕まえられなかったらどうしよう、というプレッシャー。大きくて若い鵜がやって来るのを待つ根気。「捕まらない時は1週間も2週間も捕まえられません」(捕獲作業のヒト)
藁が一部、穴が開いたかのように薄くなっている部分から覗くのだそうです。

「そんなに大変な苦労をしなくてもツガイの鵜を飼育して繁殖させればよいのでは?」(こにゃくう)誰もがそう考えると思いますが?
藁が一部、穴が開いたかのように薄くなっている部分から覗くのだそうです。

「そんなに大変な苦労をしなくてもツガイの鵜を飼育して繁殖させればよいのでは?」(こにゃくう)誰もがそう考えると思いますが?
「それでは鵜飼の鵜に向かないのです。人間に懐き野性味が無くなるとダメなのです」しかもニワトリと違って鵜の場合、飼育下での産卵は難しいのだそうです。
「江戸時代にはすでにここで鵜を捕まえていたということが文献から分かっています」(捕獲作業のヒト)これはもはや無形文化財なんですね。日本の12カ所の鵜飼でも長良川鵜飼だけは別格で、鵜匠さんたちは一子相伝の宮内庁職員で国家公務員ですからね。鵜の供給を絶やすわけにはいかないですよね。
鳥屋の奥に古い階段があって、崖の上に続いているようでした。今のトンネルが出来る前はこの階段で崖上から降りる道がアクセスだったそうで。そもそもトンネルは平成15年に鳥屋が置かれた岩盤が崩壊してしまった際、修復作業用の通路として掘ったものだそうです。あのトンネルのおかげで一般人でも難なく見学できる場所になったのね。
「捕まえた鵜はこの籠に入れて各地に送ります。籠は我々の手作りです」「最近は鳥インフルエンザの流行がありますから検診もさせて予防接種もするのです」(捕獲作業のヒト)
鵜飼という伝統はたくさんの犠牲と使命感で成立しているのですね。想定外の施設で面白かったです。両陛下も興味深く感じられたことと思いますよ。
捕獲シーズンの際におとり役になる鵜たちが飼われているゲージがありました。
もう大空をはばたくことは一生できないことは分かっているのかな。時折、翼を広げて無駄を承知で羽ばたいてみせる鵜さん。人間と一緒で、若い鵜は黒いボディ。年長者は白い羽が混じるのだとか。

このゲージから海は見えないのに、みなさん、海の方向を向いて空を見上げている姿がツライぞ(涙)ゲージに「鵜のパラダイス」と命名されていたのがなんとも皮肉な気がしたわ。…と、勝手に擬人化して妄想しましたごめんなさい
両陛下はご訪問された際に「技術を習得するのに大変でしょう。コツは?」とか「(引っ掛けられた鳥は)怪我をしないのですか?」などのご質問をされたそうです。ここに来ると、誰でもたくさんの疑問と質問が湧き出てくると思いますよ。興味深い「ウミウ捕獲場」でした。
【 つづく:茨城に岡倉天心のアトリエがあるって 】
鵜のパラダイス(ウミウ捕獲場) [日立市/観光・レジャー施設]【いばナビ】
鵜のパラダイス(ウミウ捕獲場)(日立市/観光・レジャー施設)の店舗情報はいばナビで!お店の詳細情報、口コミ、お得なクーポンも探せます。茨城のお店探しならいばナビ!
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