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茨城

水戸 偕楽園@アンチ!都道府県魅力度ランキング

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前の記事よりつづき 】
2018年2月26日(月)

鮟鱇料理食べる旅in茨城
旅の最後は茨城に来たらマストで行くべきスポット、水戸 偕楽園へ。

水戸 偕楽園@
ちょうど「第122回 水戸 梅まつり」開催中の偕楽園です。
てか、祭期間(と鮟鱇の旬)を狙っての旅行なんですけどねw
水戸の梅大使レディースと副将軍さまが観光客サービスに務めてくれています。


水戸 偕楽園@
ワタクシ、人生初偕楽園。
一度、来てみたかったんです~
駐車場からアクセスする南西サイドを見下ろしています。
広大なのに園内整備が行き届いているわ。
さすが、名園の風格です。

水戸 偕楽園@
さっそく可憐な紅梅が出迎えてくれます。
今日の青空に映える鮮やかな紅。
ですが、
この苑をプロデュースした水戸9代藩主・徳川斉昭公企画のコンセプトは
多くの人がアクセスする、'駐車場スタート'ではトレースできないんだな。

水戸 偕楽園@
藩主 徳川斉昭公は
苑の北側、周囲が寂しい場所に表門を造っています。
なぜ、ウキウキしない地味目な場所に正門なんだろう、と感じます。

水戸 偕楽園@
つづく「一の木戸」も渋い風情。
同じ苑の反対側ではお日さまが注ぎ、
紅白の梅が咲き誇っているのに。
そのことが、全く窺えない北側の佇まい。

水戸 偕楽園@
さらに進むと
孟宗竹で森閑とした小道を進む事態になります。
杉林も現れてより一層、鬱&鬱。

水戸 偕楽園@
そんな道中に突然、清水を吐き出す泉が現れて「へえ!」となります。
「吐玉泉」(とぎょくせん)
これ、ひとつの大理石でできてる、っていうから驚きます。


水戸 偕楽園@
『このあたりは昔から湧水が多い。枡に集めた水を、土地の落差を利用して噴出させている』
との案内板。
つまり、動力じゃなくて落差の力で吐水させているんですね。
しかも巨大大理石かぁ。
(現在の大理石はオリジナルではなく昭和62年付替えの物)
斉昭公、やるな!
鬱蒼とした竹林と杉林の中、突然真っ白な大理石が輝く…という演出か。
考えたのは他の人かもしれませんけどね。

『毎月1回水質検査をしています。飲用水ではないので塩素消毒していません』という掲示が。
ワタクシ、チャレンジャーなので飲んどきましたw


水戸 偕楽園@
やがて偕楽園のメインビルディング「好文亭」が現れます。
この木戸も質素。
徳川御三家の藩主様の別邸にしては、華やかさ排除のデザインですね。


水戸 偕楽園@
いや、華やかさは有り得ないよね。
徳川御三家の藩主とはいえ、斉昭公は武士ですから。
華やかさ追求ではなく質素な中にもキラリと魅せる、という方向性なのかな。

水戸 偕楽園@
たとえば、好文亭の渡り廊下「太鼓橋廊下」の窓。
「隠し窓」のスタイルです。
室内からだと外光と共に外の様子が見えるけれど・・・


水戸 偕楽園@
外から見ると窓があることが目視し難いように造られている。
細い竹を使っているのも素敵。
機能性とデザイン性を併せ持っていて
センスいいですよ、斉昭公。

三階建ての好文亭。
てっぺんの「楽寿楼」へ登って行きましょう。

水戸 偕楽園@
てっぺん、楽寿楼
陽光降り注ぐこの景色。
ここまで登って来て初めて斉昭公の企みが分かる、という仕掛け。

水戸 偕楽園@
南方向にスッコーンと広がる風景、輝く千波湖に遭遇して
「殿、すばらしい景色でござるな!」
と、招待された客人にインパクトを与えたことでしょう。
そのプロローグとして、敢えて入場門を北に据え
道中を鬱蒼をした竹林&杉林にする、という演出だったんですかね?
(個人的な感想です)

ふーん。
遊び心ある藩主さまだったんだなあ。

水戸 偕楽園@
三階の宴会でも配膳がスムーズに行われるよう
こんな配膳用リフトまで考案した、と案内されています。
へ~!
天下の副将軍の地位の人なのに
斬新なアイデアを持つ人だったのね。

水戸 偕楽園@
さらに斬新なのは
自分の為にここ偕楽園と好文亭を造った訳じゃない、という点。
領内の家臣だけでなく庶民もいっしょに楽しむ為に造った、と!
封建時代の藩主なのに、当時に於いてはレアな発想をお持ちだったのね。

水戸 偕楽園@
『斉昭は80才以上の家臣と90才以上の庶民をここに招き養老の会を催しました』・・・だそうです。


水戸 偕楽園@
斉昭公オリジナルの好文亭は、残念なことに昭和20年8月の空襲で全焼。
現在、こうして我々が見学している好文亭は昭和33年に復元建築した物です。
奥御殿の襖絵も、昭和30年代の復元時に書かれています。

<以下、まんちさんに個人的にお伝え事項です>
まんちさん、好文亭のこの襖絵を描いた須田珙中(すだ きょうちゅう)さんですが、
好文亭の案内パンフに
『明治41年福島生まれ。 東京美術学校で松岡映丘に学ぶ』
って説明がされていました~!


水戸 偕楽園@
上の画像「紅葉の間」と↑の「梅の間」(他に「萩の間」と「松の間」も)
が須田画伯の絵だそうです。
松岡映丘先生、お弟子さんもすばらしい絵をお描きですね。
(まんちさんへの私信以上)

※まんちさんのファミリーヒストリー記事、おもしろいですよっ
→ エキサイトブログ: 今夜も乾杯! 『ファミリーヒストリー、福崎町を訪ねて。

水戸 偕楽園@
復元建築された物とはいえ、
斉昭公の思いは、きちんと現代に伝わっていると思います。
だって、今でも「皆」が「楽」しんでいる「園」なのですから。


水戸 偕楽園@
梅まつり開催中の梅園も歩いてみましょう。
梅の満開にはもうちょっと、かな。
でも、梅の香りはいっぱいに広がっています。

水戸 偕楽園@
今回、水戸 偕楽園をこうしてブログ記事にすることには躊躇しました。
先週の台風19号で、茨城県も甚大な被害に遭っているから。
「楽しかった~」なんて記事を書いていいものだろか、と。

水戸 偕楽園@
偕楽園の北側を流れる那珂川。
その氾濫と堤防決壊の被害規模はまだ全容が掴めない程ですから・・・

水戸 偕楽園@
ちょうど今日、恒例の「都道府県魅力度ランキング 2019年」が発表されました。
6年連続47位の茨城県は、今年も安定の47位!
だけどね、「いや!茨城県魅力あるよ~」とワタクシは言いたいよー
そういう意味で力を込めて記事アップした次第です。

今回の茨城の旅は魅力度高かったですよっ

【 鮟鱇食べたさに茨城の旅シリーズ:おしまい 】
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6 Comments

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まんち  

2019-10-18 00:23

映丘の門下生は何人も知っていますが、須田珙中さんは恥ずかしながら初めて知りました。
紅葉の襖絵、同じく門下生だった山口蓬春が描いた紅葉と色遣いが似ていますね。
ファミリーヒストリーの記事を紹介してくれてありがとうございます♪
こにゃくうさんのファミリーヒストリーの記事が面白かったので、私の記事はそれが起爆剤になっているんですよ。

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こにゃくう
To まんちさん

こにゃくう  

2019-10-18 22:53

読んでいただいてコメントもありがとうございます!
この旅行では岡倉天心が横山大観たちと茨城で暮らした所にも行きまして
明治初期の日本に於ける日本画の話を知ったところでした。
松岡映丘さんは岡倉天心の次世代になりますかね。
まんちさんご夫妻はいろんな場面で映丘さんの足跡に出会うのではないですか?
バーチャルな空間でのお知り合いのご主人のその祖父さん、という
遠~~い関係なのに(!)なんだかその名をふいに
見かけると親近感です^^

山口蓬春もお弟子さんだったんですかー
有名なお弟子さんばかりですねえ。

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茨城方面の旅

terubon  

2019-10-19 08:16

懐かしい『偕楽園』の写真など拝見。昨年の旅を思い起こしました。
今回の台風での被害はどうだったのか?お見舞い申し上げます。
鈍行主体での『乗り鉄・飲み鉄』記録のブログご覧ください。
https://kosaiumeda.blog.fc2.com/blog-entry-826.html
当地~銚子~佐原~潮来~鹿島~水戸~土浦~帰宅と忙しく乗り続け
ました。ご覧の上コメント頂ければ幸いです。

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こにゃくう
To terubonさん

こにゃくう  

2019-10-22 20:15

偕楽園は高台にあるので水害には遭わずに済んだようです。
一時閉演措置や駐車場からアクセスする時のエレベーターが
水で使用不可になる事態はあったようですが。

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質実剛健

Janedoe1471  

2019-10-22 23:44

質実剛健に見えるように、がんばったのかな、という気もしますね。
水戸藩というのは、基本的には、将軍を出す家として設置されたわけではなく、あまり目立ち過ぎてはならなかったでしょうし、派手にやりすぎると、叩かれる、みたいな。
が、こにゃくうさんのおっしゃるように、3階からの見事な景色で、客人を満足させていた、みたいな。
でも、今は、47位なんですか…知らなかったな…。

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こにゃくう
To Janedoe1471さんTo Janedoe1471さん

こにゃくう  

2019-10-23 18:00

そうですよね、質実剛健こそが武家のあるべきライフスタイルですものね。
仰る通り、水戸藩は御三家の中でもビミョーな立場だったそうですね。
格下扱い的存在で~
茨城の7年連続47位というのはもはやネタレベルなのかもしれませんが
今回の台風で被害が大きい県だったので、なんだがシャレになりませんわね。
恒例の発表とはいえ、日程を遅らせる配慮とかは・・・なかったんですかねー

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