鮨匠 のむら@鹿児島市/天文館通りの鮨名手
鹿児島市随一の繁華街、天文館に来ています。

これは、まだ鹿児島県内の新型コロナウイルス感染者が0人だった頃の旅先食の思い出話です。

多くの飲食店が集まる天文館通りから500mは歩きました。ここが今夜の予約店。

平成元年オープンで30年以上のキャリア。今では鹿児島NO1の寿司屋と高評価なのだそうです。
こんばんわっ。お店は9席のカウンターのみ。(後方にお座敷がありますが今は使っていないっぽい)人気店なので9席すべて予約で埋まっているのでしょう。やがて来る他のお客さまの席もすでに準備がされていました。


鹿児島、紀州、大分の梅のブレンドと言われた気が。「梅に山葵をまぜて梅わさを作ったら白身に合うから」(大将)なるほど良質な梅ペースト。これだけで酒が飲めるなあ。トップバッターの出汁巻き玉子と屋久島飛び魚のさつま揚げをパクッとしながらワタクシ感心しています。

1)天然ひらめ 「昨日締めて神経抜きした2.6㎏。一晩置いて甘味が乗ってきているよ」(のむら大将)

そして、ひらめのエンガワ。超脂が乗っていてめちゃ旨のエンガワだ!塩やポン酢で。まあウマイこと。

2)鹿児島産蛸 そこに京都の新物カボスがひらひらと散りばめられています。「温かいうちに一切れ食べてみて!」茹で立てなのでした(これは2人で1皿)

薬味を組み合わせて、いろいろ試してます。楽しいゾ。マイベスト蛸は黒胡麻+山葵+梅ペーストだな~

アルコール類はコース進捗の合間に挟まるように提供されます。このドリンクもコース料金に含まれているのだからお得です。最初は福岡・久留米の「花の露」純米

3)天然かんぱち 「お醤油でどうぞ。一晩寝かせてあります。コレを食べたら養殖かんぱちは食べられないよ」(のむら大将)

小鉢で提供された葉山葵。(静岡市葵区産)口直しに、酒のツマミに、とうっかり大量摂取してしまうが、お代わりをいくらでも供給してくれます。のむらさんではガリと同じ存在なのかもね。

4)鰆 「2晩寝かせました。寝かしたことで旨味が倍増しています。脂の質もいいし、自信作です」(のむら大将)ほんと!しっとりした食感で美味しい。鰆を刺身で食べた経験って、そう多くはないなあ。


5)海藤花 蛸の卵をそう呼びます。出汁を含んでやさしい風味がひろがる蛸の卵。口中での食感はじんわり、ふんわり。

6)真鱈の白子 黒い器に真っ白な白子。えへ、真鱈白子は大好物でしてよ♪

んん?この白子、シャリと合わせてありますよ。ご飯と絡み合うことで、白子の旨味と甘味がぐっと引き立つのだなあ。

さつま芋とお餅が内蔵されていました。

日本酒は3種目。福岡県若波酒造「蜻蛉」特別純米。酒代はコース料金内だしほぼ好きなだけ飲めちゃうのでありがたいのだけど、登場する銘柄がちょっと・・・
4種目の「清泉」純米吟醸 新潟久須美酒造。この銘柄、久しぶりに呑むわあ。焼酎文化圏にある鹿児島に於いて、日本酒中心に采配してくださるだけでも有難いのですけどね。

8)本かわはぎ肝和え 肝にポン酢、かぼすの皮を加えてバランスが非常に良い。下処理の丁寧さが伺えます。

9)ハガツオ

13)ナミクダヒゲエビ、って初知りの海老ちゃん。並管髭海老と書き、日本で錦江湾だけで獲れるのだそうだ。甘エビ、牡丹海老・・・そのタイプの甘味が強い水分多目の海老。旅先で地元限定食材に出会うと嬉しいわー。

ひとつひとつの食材に関して大将が解説してくれます。言葉だけでは伝わり難い部分に入ると、若いお弟子さんがすかさずサッとタブレットを開いて客に見せてくれるのです。大将との息もぴったりで微笑ましい。


15)こはだ

19)唐津産あわび

ここでお椀が登場。をを、いよいよコースはおしまいか・・・


これだけ食べて、これだけ日本酒飲んで1人28000円はホントだった!申し訳ないくらいの満足度だっ。おまけにお土産まで。のむらさんで使われている、大将の自家製醤油をひとり1本。後に家での調理に使ったのだが、食材の旨さを引き出し、美しい色に仕上げてくれる優れ物だった!この記事アップの今では、もう無くなっちゃったよ~(涙)

そういえば・・・「この醤油が無くなる頃、またウチに来たくなりますよ」と、のむら大将はにやりと笑って言ったのだった。
★★★★☆4.37 ■鹿児島への郷土愛に溢れた握り、酒肴、そして日本酒。唯一無二の存在感で誘う”野村氏の世界“ ■予算(夜):¥20,000~¥29,999
- 関連記事
-
-
いけす居食家 大徳利@長崎県/平戸市 2021/10/07
-
草庵 鍋島/酒蔵オーベルジュの夕食@佐賀県/鹿島市 2021/09/17
-
長崎・佐賀でのおいしいお買い物 2021/02/22
-
居酒屋 禄(ろく)@佐賀県/佐賀市 2021/01/22
-
鮨匠 のむら@鹿児島市/天文館通りの鮨名手 2020/08/02
-