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京都のうまいもん

高台寺 和久傳/京都@旗艦店は別格だった

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2020年6月6日
新型コロナウイルスの流行で喧噪のインバウンド観光客がゼロになった京都東山界隈である。
高台寺 和久傳/京都@旗艦店は別格だった
八坂の塔を見下ろす、二年坂に通じる東山の坂道だ。人が少なくて静か。この小路のこんな光景は、ワタシは15年は見ていない気がする。

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無作法な国の人々が大挙してやってくる以前の京都はこうだったんだよ、そうだよ。奇跡の光景に、大袈裟でなく涙が出そうになったぞ。

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そんな稀有な2020年。4月某日はワタクシの誕生日。オットが京都でのお誕生日ディナーを予約してくれたのだが、絶賛コロナ中!緊急事態宣言でキャンセル不可避でした。今日はその仕切り直しで、2か月遅れの誕生日お祝いです。

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今年のお店は高台寺 和久傳いつか行きたいな~と憧れていた京都の名料亭です。今日は、大阪住みのムスメにも参加してもらいました。

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お玄関をあがって通された部屋は、我々だけの応接間でした。まずは、ここで冷たい生姜水のご接待を受けます。元は日本舞踊家元のお住まいだった建物だそうですから、誰かさんのお宅に招き入れていただいたような感じ。

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以前、JR京都伊勢丹11階にある和久傳の別バージョン店で食事をしたことがあります(過去記事)その時の印象が「確かに美味しかった。けどなあ…デパートのテナント店舗らしいサービスとコース内容だったなあ。和久傳でも高台寺店だったら、どんなだろ?」と思ったもの。

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それ以降、百貨店テナントのその先にある旗艦店を「いつかは」とロックオンしていました。2019年の誕生日が嵐山吉兆でしたな。オットが「来年はどこにしたい?」と問うてきたので高らかに宣言しましたよ「高台寺和久傳!行きたいで~す」(遠慮のないヨメ)

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ほうほう。応接室につづく和室がお食事をいただくお座敷なんですね。2間つづきとは、ゆとりある構造。

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お部屋担当のおねえさまに促されて、こちらのお座敷に移動です。掘りごたつ式座卓が有難い!足の心配なく寛いでお食事できますね。

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床の間のお花は山芍薬。お軸は村上華岳で「耕牛」という作品だそうです。

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38500円、44000円、50000円と3コースある中、44000円(税・サ込)でお願いしています。最初のお料理が届けられました。涼し気なガラスの器です。盃の青竹も涼しそうだ。

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土佐酢ジュレで纏まっている食材は、中央に大振りのアワビ。ずいきと蕗、スナップエンドウ。下部には丁寧にほぐされたワタリガニの身とその内子です。スプーンでわしわしと口に運ぶとひんやりした旨味が口いっぱいに。

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「本日はお誕生日のお祝いと伺いましたので」と、女将から青竹冷酒のサービスを頂戴しました。
紅白水引の青竹がステキ。嬉しいです、女将さん!バースデーケーキやらスイーツなどより冷酒の方が100万倍嬉しいっ

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杉の八寸皿が登場。こちらも夏の景色で涼し気です。いただいた冷酒と共に。
じゅんさい。玉蜀黍と枝豆のかき揚げ。ばちこが添えられているものだから、お酒が進みます。

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笹巻をほどくと鮎鮨が包まれていました。ほんのりバジルの香りが広がる夏の鮨。

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お部屋内での調理を担当してくれるお若い男性が登場。この後の食材をお披露目してくれます。
京都丹波牧場の平井牛。しゃぶしゃぶに仕立ててくださるそうです。大鉢に盛られているのは花山椒。『丹波の松茸とグラム当たりの値段が同等の花山椒』と和久傳の方がテレビで語っているのを観ましたよ。

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和久傳さんで生ビールをお願いするとこんな酒器でやってきました。泡がクリーミーにキープされる陶器のようで、最後までまろやかな口当たりの生ビール(1200円)

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最初に通された応接間でしゃぶしゃぶを作ってくれるお若い料理人さん。「写真撮ってもよろしいでしょうか?」(こにゃくう)「はい、著作権フリー素材となっておりますw」(お部屋担当女子さん)朗らかでかわいらしい方で彼女との会話も楽しい。

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きゃあああ  美しい!丹波牛の鮮やかなピンクと花山椒の緑色の取り合わせが美しいったら。
使われている肉質が飛び切り良い物であるのが一見して分かります。

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甘辛の具合がほんの微妙な程度だけど旨味はしっかりの出汁でくぐらせただけのしゃぶしゃぶ。これを「しゃぶしゃぶ」に括っていいのかしら?別次元の料理と言えまいか。噛み締めるとシャクシャクとした食感とピリピリ刺激を放つ花山椒。

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おこぜの薄造り。横に長いこの切り方は、アレだ・・・

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JR京都伊勢丹の京都和久傳で食べた「鯛の黒寿司」、そして同じく伊勢丹のB2にある老舗弁当コーナーで買う和久傳弁当の鯛寿司のスライスと同じ包丁の入れ方。
「そうです、鯛黒寿司と同じです。和久傳の切り方のひとつでございます」(担当女子さん)

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ワタクシは刺身用柵もまともにスライスできない無能主婦なのでアレなのだけど、この薄造りの長さは、よそ様より長いよねえ。どーやって切っているのかしら?と気になる。青と銀の器の美しさが、おこぜの身越しに透けて見えるのが涼し気だわあ。
「手前はおこぜの胃袋と皮です。おこぜは食べられない部位がないのです」(担当女子さん)
河豚の薄造りのように、芽葱を巻き巻きしていただきました。

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尚、我が家の必須アイテムである日本酒。メニューはこんな・・・って暗くて撮れていませんが。
青竹酒(京都丹後:白杉酒造)2500円/純米酒 奥播磨(兵庫姫路:下村酒造)2300円/純米酒 宗玄 能登乃国(石川能登)2300円・・・などとなっています。ハイレベル料亭なのにベラボーな価格ではないです。

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日本酒にしか興味ない家庭なので、ワイン等の価格は知らんwで、青竹の酒器もステキだけど、この盃も惚れ惚れ。「リキュール用のグラスかなあ。アンティークですよね?」と伺ったら、ベネチアグラスの骨董品です、とのこと。

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酒メニューを撮影中「あれ?暗いなあ。上手く撮れない」と困惑していたら、ムスメが「この部屋、どんどん暗くなってないか?」と言う。担当女子さんがクスッと笑われて「実は、間接照明のプロにお願いして、部屋の照明が徐々に暗くなる仕掛けになっているのです」と仰る。なるほど。時の移ろいに合わせて室内もムーディになるって演出ですね。「時に、遅れてお越しになったお客様が’この部屋、電気付け忘れてへんか’って仰られたり(笑)」和むトークを繰り出す担当女子さんなのである。

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次に、彼女が障子をスッと開いた。すると、そこにはまたも料理人さんライブクッキングの舞台が。まるで早変わりのステージのようで驚かされます!さっきの牛しゃぶしゃぶライブが終わった後、応接セットは我らが気付かないうちに元のように配置されたのに、再び撤去してのこの炭火焼き舞台ですよ。

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我らが浮かれて酒を飲み、美味いねコレ!とか騒いでいるその隙に、サクサクっと舞台転換をしていたのですね。驚きある演出で焼いていただいたのは、とり貝。

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もしかしたら京都丹後のとり貝かな。10年程前から、丹後は大粒で良質のとり貝養殖で名を挙げているのです。昨年、宮津市でとり貝食べて感激したのだけど、それを思い出す味わいに焼き上げられています。そういえば、和久傳発祥の地も丹後ですものね。

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とり貝ってグニョグニョとゴムみたいな食感で、なんでコイツ寿司にいるの?と思われがちかも。このとり貝は噛むと「シャクッ」そして肉厚でカプセルのように膨れている。それなのに瑞々しさを残した火の入れ加減が絶妙。肝も紐もオイシイ。

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鰻の白焼。山葵または実山椒醤油をつけて。皮がパリッパリに焼き上げられていて、齧り付くとサクッとしています。

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確認していないけれど天然鰻。普段ワタシが食べるフツーの鰻と脂の質が全く別物だ。分厚い鰻だったなあ。

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雲丹うどん、とアナウンスされたお料理。細目のうどんに雲丹が絡むという豪奢なうどん。コース中、唯一「別に」と思った料理です。味がしなかったので。他の2名も無言で食べていた記憶が鮮明。
(もしかしたら直前の鰻のインパクトが強烈すぎて味覚感知器がエラーを起こしたとか?)

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揚げ物です。加茂茄子と万願寺唐辛子。夏の京野菜ツートップだあ。覆っているのは唐辛子の葉の素揚げで、スパイシーな刺激が味にアクセントを付けます。

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ほんのりと下味が付いているので、調味料不要でこのままいただきます。スプーンで掬って食べる、とろとろの加茂茄子。

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担当女子さんから「お食事をお選びください」と提示されたのは、4種の〆ごはんが書かれた紙。
こ、これは・・・どれも魅力的で迷う!しばし苦悩する食いしん坊一家。あまりに悩む様子に「よろしかったら全部、または少量でもお出しできますよ」(担当女子さん)

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なんて素敵な助け舟(涙)3人とも牛玉〆丼は頼まなかったけれど、それぞれに好き勝手にお願いしました。画像の漬物は、泉州水茄子、すぐき、山蕗、蕪、カリフラワー

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3品を頼んだ強欲なワタクシ。これは「桜海老そうめん」桜海老かき揚げと青さ海苔の天ぷら。小サイズでリクエストした量です。

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「からすみ茶漬け」(小サイズ)もリクエストw からすみフレークを振りかけたお茶漬(出汁茶漬ですが)なんて、そうそう食べられないもの~^^

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鮎茶漬け(小)も抜かりなく。この稚鮎の甘露煮が小さいのに存在感あり。

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こちら、オットがリクエストした鮎茶漬け中サイズ。しまった。ワタシ、全種類中サイズでもぜんぜんイケたわw

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水菓子は宮崎産マンゴー。たぶん、ブランドマンゴーでしょう。濃紺のお皿に鮮やかなマンゴーのオレンジ。器選びのセンスの良さよ。果物アレルギーのムスメですが「食べる。かゆくなっても食べる!」食いしん坊の血筋を受け継いでしまったねw

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最後に登場したのは、和久傳といえばコレ!の麩焼き。今日サンドされているのは何?「トマトの餡です」(担当女子さん)ドライドトマトを砂糖水に漬けて戻し、白あんでトマト餡を作ったのだと仰る。酸味ある白餡。トマトの風味が夏!で悪くない。麩焼きは和久傳の定番菓子で、サンドされる餡は季節毎、バリエーション豊かに変わる。

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お抹茶を最後にいただいて、こにゃくう誕生日会2020年は終了。3人でふらりふらりと祇園さん(八坂神社)境内を散歩して帰ります。この舞殿の奉納提灯はいつ見ても艶美であるなあ。神社なのに妙に華やいでいるのは祇園という土地ゆえかしらね。

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主には界隈の料亭や飲食店が奉納したもの。を、和久傳の奉納提灯もあるよ。キメラも過去に行ったなあ。さて、来年の誕生日はどこにするかなあ、と祇園さんの奉納提灯を見上げて思うのでした。菊乃井が気になる(ボソッ)

<感想>
応対良し、設えよし。食材の質の高さにはお値段だけのことがあると合点しました。ほぼすべての料理に感心と納得です。演出と共に味わうことで印象深い一食になる。食事が美味しいだけではないエンターテイメントが高台寺和久傳にはあります。堪能しました。
高台寺 和久傳/京都@旗艦店は別格だった
退店時に女将から和久傳オリジナルの「山椒香油」をお土産にいただいたよ。サラダに温野菜に、豆腐に。何にでもかければ一気に品良い味になる山椒オイルでした。

<自分のための記録メモ>
コース44000円×3/日本酒6900円/生ビール1200×3/ミネラル水3000円/合計145500円(サービス料、税込)

高台寺 和久傳 (祇園四条/懐石・会席料理)

★★★★☆4.37 ■予算(夜):¥40,000~¥49,999

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