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群馬

旧太子駅/遺跡のような廃墟のような@群馬県/中之条町

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前の記事よりつづき】
2018年10月14日(日)
草津温泉泊の翌日。ちょいちょいと寄り道しつつ、今夜宿泊の四万温泉へ向かいましょう。
旧太子駅、遺跡のような廃墟のような@群馬県/中之条町
草津から国道405を北上して野反湖(のぞりこ)が見下ろせる峠のお散歩とか。

旧太子駅、遺跡のような廃墟のような@群馬県/中之条町
標高1600mの弁天山まで登山、というかちょっとした散策です。さらに湖岸に降りて歩くコースを1時間半ほど。

旧太子駅、遺跡のような廃墟のような@群馬県/中之条町
車に戻ったら国道292を南下。「面白そうな場所があるんだ」我が家のレク係オットの情報で、中之条町へ。

旧太子駅、遺跡のような廃墟のような@群馬県/中之条町
ファ?何コレ。廃墟?駐車場で車を降りて、最初に見えた光景がこれ。

旧太子駅、遺跡のような廃墟のような@群馬県/中之条町
一体ナニだったのか、見当もつかない何かの廃れた跡。コンクリート製の・・・集合住宅の跡?でも、長方形の隙間がある家って変だよね。

旧太子駅、遺跡のような廃墟のような@群馬県/中之条町
近づけるよう、新設された階段が付いていたので下ります。あれ?横から見たら、アーチだ。でも、その下にレールが敷かれている意味が分からないぞ?

旧太子駅、遺跡のような廃墟のような@群馬県/中之条町
鉄道施設の跡のようですけど、こんな場所は過去に見たことがないなあ。

旧太子駅、遺跡のような廃墟のような@群馬県/中之条町
ここには駅があったらしい。「太子駅」と書いて「おおし」と読むのね。

旧太子駅、遺跡のような廃墟のような@群馬県/中之条町
「入場料200円」に帰ろうか、と思いましたよ^^; がオットは「これがナニなのか気になるからお金払って見てみようよ」と寛大な発言。しょーがない・・・としぶしぶ付き合うワタシ(鉄道に興味ナイ)

旧太子駅、遺跡のような廃墟のような@群馬県/中之条町
事務所兼入場料支払い場所にいたボランティア氏(高齢男性)に「ここって、ナニ?」と軽い気持ちで基本的なことを質問したら、丁寧に解説してくれました。

旧太子駅、遺跡のような廃墟のような@群馬県/中之条町
これがすごく面白かった!逆に、解説がなかったらこの遺跡(?)の意味は、よそ者には全く想像が付きませんから、絶対おじさん捕まえてお話してもらうべきです。75年前戦争中の日本は、こんなことして無茶な戦争に抗っていたのか、という遺跡。

旧太子駅、遺跡のような廃墟のような@群馬県/中之条町
こにゃ「そもそも、この駅ってナニなんですか?」
おじさん「太子駅はこの辺りで採掘した鉄鉱石を、鉄道で運び出すための輸送貨車用の駅だったの」鉄鋼採掘事業が始まったのは昭和18年6月。すでに戦況やばめに突入していますね。スタート時は人を運ぶ鉄道ではなく、鉄鉱石運搬専用だったということですか。

旧太子駅、遺跡のような廃墟のような@群馬県/中之条町
こにゃ「外のローマ水道橋みたいな遺跡はナニですか?」
おじさん「あれはホッパー。今はあの姿だけどね、鉄鉱石を運んでいた時、あれは3階建てだったの。今残っているのは1階の部分だけだから水道橋みたいになっちゃったね」ちょっと何言ってるか分からない・・・と言う我らにおじさんはパネル写真を提示してくれました。

旧太子駅、遺跡のような廃墟のような@群馬県/中之条町
これが往年の太子駅とおじさんの言う3階建てのホッパーの姿。「上部はね、70年経って崩壊。駅舎も見て。この建物とそっくりでしょ?ここはこの時の駅舎を忠実に復元したビジターセンターなんだ」(おじさん)

旧太子駅、遺跡のような廃墟のような@群馬県/中之条町
いやいや、そもそもホッパーって何?から教えてもらいました。採掘した鉄鉱石はゴンドラ状の籠に乗せられて山からここまで下って来たそうな。で、その石たちを貯めておく貯蔵庫的な存在がホッパー。(鉱山の積み出し駅には必ず造られたらしい)貨車をその真下に引き込めば、上からガラガラと鉄鉱石を荷台に乗せられる、という仕組みなんですね。ああ、だから上部に四角い穴が開いていたのかー。鉱業の人アタマいいっすねw(←バカ)

旧太子駅、遺跡のような廃墟のような@群馬県/中之条町
山で掘った鉄鉱石が乗せられてきたゴンドラが展示されていました。ひと籠ひと籠ずつ届くのか。地道だね。で、いったいその鉄はどこで掘られていたのですか(こにゃ)
「草津温泉の奥にね、今はチャツボミゴケ公園になっている所があって。そこで掘ってた」(おじさん)

旧太子駅、遺跡のような廃墟のような@群馬県/中之条町
「あ~!チャツボミゴケ公園、昨日行きました!たしかに戦争中、鉄が無くてむりくり掘ってたとか書いてありました。貴重な苔がグチャグチャになるまで掘ってたっていう…あそこが出処でしたかー」(こにゃ)

旧太子駅、遺跡のような廃墟のような@群馬県/中之条町
昨日撮った画像を探してみると、確かにこんな説明写真を写していたわ自分。苔の公園で掘った鉄鉱石をここまで運んでいたのか~。遠いな!

旧太子駅、遺跡のような廃墟のような@群馬県/中之条町
ここを出発した鉄鉱石は、遠く川崎まで運んでいたんだって。京浜工業地帯では昔から重工業が行われていたから、元日本鋼管の製鉄所も当時からあったのね。(画像は、戦後になって客車乗入れも始めた頃の運賃表かなと思う)

旧太子駅、遺跡のような廃墟のような@群馬県/中之条町
こにゃ「ところで、こうしてみると左側は柱がしっかりしているけど、右側はすっかりボロボロですね。右側の方が昔に造ったから?」いや違う、とおじさん。「その逆。最初の昭和18年に造ったのが左側。終戦間近でろくな物資が無くなったのにそんな中で延伸工事をしたのが右側。コンクリートもまともじゃなかったから、右側は新しいにも拘らず早く崩壊したね」

旧太子駅、遺跡のような廃墟のような@群馬県/中之条町
そんなお話からも、当時の日本政府の無茶な姿が見えてきますね。地下資源が少ない国が経済封鎖されたっていうのに戦争やるのは無謀なんだよ~。

経済封鎖された地下資源が少ない国が戦争やるのは無謀だよ~。
おじさん「戦後にはこの線路も客車が乗り入れるようになったし、チャツボミゴケの鉱山も掘っていたの。だけど昭和40年に閉山になっちゃって。それからは赤字路線。昭和46年に太子線は廃線になったよ」

経済封鎖された地下資源が少ない国が戦争やるのは無謀だよ~。
廃線後、ホッパーはすっかり土に埋もれていてね。今回、整備するにあたって掘り出した物なんだ。70年以上が経っているから崩壊の危険あるよ。(おじさん)

旧太子駅、遺跡のような廃墟のような@群馬県/中之条町
本来の使用目的を連想するのが難しいほどの不思議空間が出来上がっていますから、商業用撮影のヒトもいました。一瞬、どこかの古代遺跡でロケしているように見えなくもないものw

旧太子駅、遺跡のような廃墟のような@群馬県/中之条町
誰かアーティストのアルバムジャケットに使われた、とか人気ドラマのロケが行われた、とかの事態になったら人気スポットに成り得ると思うよ。ワタシのへっぽこ撮影ではバエませんが。

旧太子駅、遺跡のような廃墟のような@群馬県/中之条町
200円!ですが、ワタシ的にはなかなか面白いスポットでした(チャツボミゴケ公園の入園券『なかのじょう周遊チケット』で無料になります)
【つづく:四万温泉たむらへ

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