冬の蟹を食べたくて鳥取・三朝温泉に来ています。宿泊の旅館大橋(公式HP)での蟹料理の夕食。

境港など
鳥取県内の港で水揚げされた活松葉蟹が食べたくてここまで来たのだ。
夕食は、旅館 大橋の伝統的な客室にていただきます。

ひとり一枚のお品書き。アートのような文字。美しいのだけど読めない(笑)食事をいただきながらじっくり判読していくうちに、8割ほど解読に成功。
お膳の敷紙もお品書き同様、当館の料理長による作品。いただく前から期待が上がる演出ですね。テーブル上がいっそう華やかに見えますもの。
『膳菜 旬菜盛り●(?)各種いろいろ』(読めないw) もうすぐ1月だから?おせち料理のような前菜。

(左)梅型蓋付の中は浅利時雨煮。(中)海老黄身寿司仕立、慈姑、卵焼、雲丹が塗られた烏賊焼。竹筒の中は道明寺だったな。紅色の丸い物体は練切り。(右)大根砧巻、鴨&檸檬、子持ち鰊。ホント、おせちみたい。
『煮物●(?)季節の椀物』葱真丈を葱のスープ仕立てで。蕨と生麩。前菜もだけど、丁寧に作られているのが分かり、素直にオイシイ。
『焼物 その日の一品』がコレかなあ?松葉蟹の甲羅焼です。蟹味噌たっぷり~。卓上コンロで温めつつ突きます。ここまでが最初に卓上に並べられた品々。来るべき松葉蟹へのプレリュードといったところでしょうか。

時間差を以て運ばれてきたのは
『親蟹茹で』松葉蟹の雌です。地域で呼び名は変わり、セコ蟹、香箱蟹とも。ここ鳥取では親蟹と呼ぶようですね。この松葉蟹の雌が大好物のワタシとオット。献立に入ってるのか予約時に質問したところ「味噌汁で出します」とのこと。汁ではつまらないので特別注文した料理です。(1人前3000円)
松葉蟹の雌は小型なので可食部分を毟るのが超絶面倒なのだが、こんなに丁寧に、しかも美しく盛り込まれて、さすが1人前3000円だけあります。ぷちぷちの外子、ほっくり食感の内子。オスとはまた違う滋味が大好き。

さて。お部屋の照明が落とされて、スタッフさんが登場。お料理に火が灯されるという演出がはじまりました~

氷が積まれた大鉢を、漁火が灯った船に見立てたといったところでしょうか。料理前半のメインを彩る演出で期待が爆上がり。食事の会話も盛り上がっております。
わーい!大鉢の船に乗っていたのは蟹のお刺身だあ。
『割鮮 本松葉 蟹刺し』

氷水にさらされて藤の花のように華やかに開いた蟹刺身。ブラボー。

大皿に3人前の茹で蟹。
『郷土色 本松葉蟹』前年、
丹後半島で間人蟹フルコースを食べたときは3人とも途中で満腹になってしまった苦い思い出。しかし、今日はまだまだスルスルとイケるぞ?
食事開始後1時間の頃、再び調理担当スタッフ氏が客室に登場。前室でプレゼンテーションの準備中。
蟹足をキャンプファイヤーの薪のごとく組み上げ、ブランデーをかけてフランベしてくれたのでした。撮影テクがゴミくずレベルなので、呪われた鬼火が部屋に湧いて出たような写真しか撮れていません。
スタッフのお兄さんありがとう。暗い中での演出。座は盛り上がりましたよ。まだ食べられる、うん。残すことなく完食。
蟹以外もまだ出てきた~。『温物 季節蒸し』と記載されていた茄子饅頭。美しいし、何より出汁がきちんとしているので、ラスト間近にも関わらず苦も無くいただけました。
『台の物 鳥取和牛 その日の一品』刻み野菜類の上に上質な地元の牛肉。蒸して食べます。ポン酢か胡麻ポン酢で。少量ですし、蒸し物なのでイケたー。
これだけ出て所要時間約2時間で収束。飽きさせない構成の蟹コースだったと思います。何よりも、前年の「最後は苦行だった蟹フルコース」の黒歴史を塗り替えることができました(前年の旅館もハイレベルだということは言い添えたい。我らの軟弱な胃に見合ったコースを選ぶべきだったということ)
最後に大橋さんの日本酒メニューを貼りつけ。白狼(300ml)1500円、巌窟(300ml)1500円、八潮杜氏(300ml)1700円をいただきました。
高品質の蟹を適量。蟹以外もちょいちょい、とバランスよく。演出で盛り上げて、箸を休める時間を設けてくれる。それが良かったのかな。
何より、蟹の天麩羅や蟹の鍋のようにボディブローのように効く料理が無かったのが、我ら向きだったのだと思います。大橋さんに電話で食事内容を確認したのが功を奏したかも。ごちそうさまでした。
【旅館大橋の料理長交替について】我が家が宿泊した時の料理長は2020年3月で退任されました。今年4月以降のお料理は新料理長氏による「新生大橋」になっていることと思います。
旅館大橋 (三朝町その他/旅館)
★★★☆☆3.65 ■旅館大橋は国登録有形文化財に指定された建築物を含む非常に希少価値の高い旅館です。 ■予算(夜):¥30,000~¥39,999
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