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山形

真冬の立石寺/参詣道はアイスバーン(汗)@山形県/山寺

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前の記事より続き】
2019年1月27日(日)
仙台で芹鍋の夕食を堪能した翌朝。山形へやって来ました。
真冬の立石寺/参詣道はアイスバーン(汗)@山形県/山寺
仙山線でJR山寺駅に到着。あら。駅舎がお寺のイメージなんですね。
芭蕉が「岩にしみいる蝉の声」と詠んだ寺、通称山寺。正式名の立石寺よりも山寺の方が通りが良いかもしれません。「ぜひ立石寺の山に昇ってみたい」というオットのリクエストです。

真冬の立石寺/参詣道はアイスバーン(汗)@山形県/山寺
まあまあ雪が積もった(でもスニーカーでもセーフ)山寺のメインストリートを進みます。あ、山寺の一部?眺めがよさそうな堂が見えるよ。

真冬の立石寺/参詣道はアイスバーン(汗)@山形県/山寺
ほら、右上の辺りにお堂。あそこからの景色がたのしみだね。黄色い岩が剥き出しになっている急峻な斜面。修行の山というのも納得の荒々しさ。立石寺と名付けられたのもこの岩が由来かもね。

真冬の立石寺/参詣道はアイスバーン(汗)@山形県/山寺
山寺への階段は、降った雪が氷結しつつある。けど足場を踏みしめて昇れば大丈夫。ところで、こんなところへもアジア系観光客は来るのですね。台湾人ツアー団体が添乗員に引率されて山寺から下ってきました。

真冬の立石寺/参詣道はアイスバーン(汗)@山形県/山寺
彼らは全員、靴にアイゼンを装着しているんです。「気が利くツアー会社だなあ。台湾ではほとんど雪が降らないからね」雪道を歩くのに慣れていない彼らの安全の為かな。しかし内心(アイゼンって、大袈裟よねw)と肩をすぼめるワタシ。

真冬の立石寺/参詣道はアイスバーン(汗)@山形県/山寺
この山門から先は本格的な階段がつづきます。山門を抜けて、左手にある売店には無料長靴レンタルがありました。ま、積雪は10㎝もないからウォーキンシューズでOKです。『参道石段非常にすべります』と掲示がありますね。ハイ、注意しましょう。

真冬の立石寺/参詣道はアイスバーン(汗)@山形県/山寺
でも、こにゃくう&オットは雪道歩行には自信があります!札幌生活3年で身に着けた雪道歩行必勝テクを久しぶりに披露する時が来たようです。えっへん。

真冬の立石寺/参詣道はアイスバーン(汗)@山形県/山寺
不安感ゼロでわしわしと階段を昇っていきます。「せみ塚」芭蕉さんが句を書いた短冊を埋めた塚、ですって。この黄色味が強い一枚岩こそが、蝉の声が染み入った、と芭蕉さんが謳った岩なのでしょうか。

真冬の立石寺/参詣道はアイスバーン(汗)@山形県/山寺
真冬の今では、そんな夏の景色はイメージ湧きませんが。実際は、ワタシは両親に連れられて中学生の夏休みにここ山寺に来ています。中学生では、岩が荘厳だ!森閑とした参道には霊気も感じる!などという感想は持つわけがなかったな。年をとるのもいいものだ。

真冬の立石寺/参詣道はアイスバーン(汗)@山形県/山寺
さて、順調にせみ塚を過ぎ、立石寺の心臓部近くまで昇って来た時のこと。下山して来る男性がひとり。ナゼだろう?彼は後ろ向きになって階段を降りている。しかも、両手で必死に手摺に掴まりながら。「必死過ぎでしょw」と元札幌市民は心でクスリと笑った。ワタシの冷笑を感じ取ったのか、彼が言う「この先、ヤバイですよ。気を付けて」

真冬の立石寺/参詣道はアイスバーン(汗)@山形県/山寺
「仁王門」に到着。下のほうに比べると、階段に積もった雪が分厚いなあ。

真冬の立石寺/参詣道はアイスバーン(汗)@山形県/山寺
仁王門直結の階段の状況、コレ。段にびっちり氷が張り付いてまして、もはやスロープ。または氷の滑り台ですっ (°_°)
ここを登らないと、山寺の心臓部には入れない。「の、のぼるかぁ・・・」想定外の局面。オットもワタシも言葉を失っています。

真冬の立石寺/参詣道はアイスバーン(汗)@山形県/山寺
一枚前の画像に戻ってみていただきたい。必死にこの氷スロープを昇っている人が写りこんでいます。ワタシも、人目が~とかカッコ悪~、とか躊躇している場合じゃないと腹を括りました。

真冬の立石寺/参詣道はアイスバーン(汗)@山形県/山寺
足はまったくグリップが利きませんから、手摺に掴まった腕の力だけで上っていきます。お寺のヒト、開門前に参道状況のチェックとかしていないのかも~(涙)フツウじゃな~い

真冬の立石寺/参詣道はアイスバーン(汗)@山形県/山寺
悲鳴のような、絶叫のような子供の叫び声。(ちょっと楽しんでいる?)少年が氷スロープから滑り落ちていく!怪我させまいと下で受け止めるお母さん!岩に染み入るのは蝉の声ではなかった^^;

真冬の立石寺/参詣道はアイスバーン(汗)@山形県/山寺
最後の部分は両手をついて四つ這いになって氷スロープのトラップを攻略。さて、まだ先があるぞ。駅前から見上げた時に見えた、眺めがよさそうなお堂がこの右手だよ。「五大堂」というそうです。

真冬の立石寺/参詣道はアイスバーン(汗)@山形県/山寺
五大堂へのアクセスはコチラ。えっと・・・氷の急坂とロープ。ロープに掴まって足を踏ん張りつつ、腕の力だけで斜面を昇ります。

真冬の立石寺/参詣道はアイスバーン(汗)@山形県/山寺
昇り口の初っ端はうっすらと階段の形跡が見えます。雪の下には階段があるのでしょう。通常はロープを手摺替わりにしつつ階段を昇って「五大堂」に至るのですね。今はとんでもない氷壁になってますケドw

真冬の立石寺/参詣道はアイスバーン(汗)@山形県/山寺
五大堂に到着。みなさんもここからの景色を見たいがために登って来たんですね。勇者たちよ、登頂オメデトウ。

真冬の立石寺/参詣道はアイスバーン(汗)@山形県/山寺
なかなかの絶景。21世紀の今でさえこんなに静かなのだから、芭蕉さんの時代にここから見える景色はもっと静かなものだったのでしょうね。

真冬の立石寺/参詣道はアイスバーン(汗)@山形県/山寺
JR仙山線が走っているのが見える。山寺駅はあそこだね。中学生時代に山寺に来た時、ワタシはたぶん五大堂には上っていないな。

真冬の立石寺/参詣道はアイスバーン(汗)@山形県/山寺
困難だった行程を思うと、噛みしめる達成感。

中学生時代に山寺に来た時、ワタシはたぶん五大堂には上っていないな
せっかく苦労して登ったのですから、奥之院エリアを隈なく見て回りましょ。こうして雪が積もっているだけの平地は、ほぼ安全に歩き回れます。

中学生時代に山寺に来た時、ワタシはたぶん五大堂には上っていないな
キケンなのは氷結した階段ですね。お若い彼らですらも、しっかり手摺に掴まって慎重です。

真冬の立石寺/参詣道はアイスバーン(汗)@山形県/山寺
困難があったけど、雪景色の山寺。しかも晴天です。

真冬の立石寺/参詣道はアイスバーン(汗)@山形県/山寺
滅多に体感できない絶景かもよ。

真冬の立石寺/参詣道はアイスバーン(汗)@山形県/山寺
相対する岩場にも五大堂によく似た木造建築物があるね。今は行けないみたいだけど?
『修行の岩場』『出世や欲望のための修行者が岩場から転落死したことも多かった』などと恐ろし気な解説が掲げられていますよ。

真冬の立石寺/参詣道はアイスバーン(汗)@山形県/山寺
ええっ?滑落死した人がほんとに名声の為だけに修行に入ったとどうして証明できるのかな?「落ちて死んだのは天罰が下った証拠」というのは非情な解釈では・・・。では、観光に来て氷の坂道で滑って怪我したとしたら?たぶん「天罰です(キッパリ)」で終わりそうですね(汗)ハイ、気を付けて下山します。

真冬の立石寺/参詣道はアイスバーン(汗)@山形県/山寺
そして下山。ツルツルに氷結した下り階段の恐怖を(しかも長距離)人生で初めて知りました。アイゼンを装着した台湾人はリスク回避の達人だったのね。元札幌市民だの、雪道歩行の上級者だの、大口叩きましたごめんなさい。登りの際に遭遇した「後向き歩行男性」と全く同じ体勢で下るのが一番安全でした。もちろんワタシも、登ってくる人々に無言の冷笑を受けながら、二度見されましたよ(涙)「ふん。君たちも下りで思い知るがいい!」と呪いの言葉を心でつぶやきつつ。(←天罰下るレベル)

真冬の立石寺/参詣道はアイスバーン(汗)@山形県/山寺
2回盛大に転んで無事下界に着きました。いや、2回も転んだのだから無事じゃないか w 境内のどこにもここまでのリスクは書いていないし、HPにも冬季の注意等はありません。無料長靴レンタルが虚しい。今日のコンデションでは、長靴はもっとキケンだと思うのだけどな。さすが修行の寺。すべてが自己責任なんですね。思い知りました。

真冬の立石寺/参詣道はアイスバーン(汗)@山形県/山寺
でも、登山をやり遂げたようで楽しかったわ。そして、ふいに思い出したことがありました。今は亡きYahoo!ブログ時代。ブロ友さんの『山寺には数十年前に、山頂から下りる為の滑り台がありました』というお話。あの傾斜のどこに滑り台が?ほんとかなあ。オットは「あの山だよ?そんなの絶対無理。嘘に決まっている」と信じません。

真冬の立石寺/参詣道はアイスバーン(汗)@山形県/山寺
※画像はじゃらんネットからいただきました
JR山寺駅に戻る途中に観光案内所があったので「ここで訊いてみよう」とワタクシ、突撃質問です。
「山寺の滑り台?あ~あ、ありましたよ。50年ほど前なので私は滑ったことはないのですが。あまりの勢いの良さに危険だ、ということになって廃止されたそうです。今は藪の中に埋もれています。ほとんど壊れているでしょうね。雪が積もった今はまず見れませんが。摩擦力、遠心力、角度が凄かったらしいですよ」(観光案内所の人)

真冬の立石寺/参詣道はアイスバーン(汗)@山形県/山寺
恐るべし山寺(ガクブル)氷結しても参道はナチュラルなまま放置でリアル修行僧が味わえる。そして、50年前にして絶叫マシーン並のアトラクションを実現させていたとは。
(疲れを癒そうとJR山寺駅前の食堂に飛び込んで、玉こんにゃくと芋煮で酒盛り。出羽桜が冷やされて売っているのはさすが山形だ)

真冬の立石寺/参詣道はアイスバーン(汗)@山形県/山寺
電車の到着を待つ間、JR山寺駅のホームから見えました、五大堂。

真冬の立石寺/参詣道はアイスバーン(汗)@山形県/山寺
険しくも美しい岩々と立石寺。終わってみれば笑える参拝の思い出です。では、今夜の温泉宿へ。
【つづく:銀山温泉

検索して、山寺の滑り台跡を探索した方のブログを見つけました。山寺滑り台のスリルと無茶具合が伝わる読み応えあるサイトです→「山さ行がねが」山寺の廃すべり台 前編後編

立石寺 口コミ・写真・地図・情報 - トリップアドバイザー

立石寺(山形市)に行くならトリップアドバイザーで口コミ(888件)、写真(1,658枚)、地図をチェック!立石寺は山形市で3位(162件中)の観光名所です。

国内旅行山形

2 Comments

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奇遇でしたね〜

ふわり  

2020-12-20 22:27

セリそば、いいなぁと家でも話題にしたのですが、そのあとなんと山形でしたか。
私が憧れだった初蔵王へ出掛けた1週間後に近くへいらしたんですね。立石寺は現地でも行こうかどうか迷っていました。でも、冬は無理だろうと。(特にうちのメンバーの場合)
私が行った日は、今年は雪が少なくてお客様が残念がっていると宿の人がおっしゃっていました。1週間で状況が変わったのか、雪が少なくてもこれなのかわかりませんが、行っていてもヘタレのうちの場合は絶対断念するレベルだったんですね。
リンク先の滑り台も読みました。それ以外もすごい人ですね。プロって言うのかしら。こにゃくうさんのレポもハラハラしましたが、めちゃ楽しみました。

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こにゃくう
To ふわりさん

こにゃくう  

2020-12-21 17:34

そうそう、1週間違いのニアピンだったのですね。銀山温泉をチェックアウトした後、立ち寄り湯で赤湯温泉まで行ったですよ。(連載の最後に書けるかも)
ふわりさんの泊まった、おしゃれでセンスのいい宿の存在は知らなかったなあ。私は、特に個性がない旅館でお風呂に入っただけの赤湯温泉体験でした。
雪が積もっている時期の山寺はまったくおススメしませんっ
ほぼキケン^^;物好きなのでビビりながらも挑んできましたが、あれは事故がないのが不思議なくらいで~。チャレンジングな行動が特に好き!って訳ではないご家庭でしたら行かなくて正解だったと思います。かといって、真夏の山寺もハードなんですけどね。めちゃくちゃ暑かった中学2年の夏の思い出。
リンクの滑り台のブログを読んでくださってありがとうございます!面白いサイトですよね。!私の滑り台に関わる疑問をすべて解いてくれていて感動しました。

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