原城跡/世界文化遺産になったのね@長崎県/南島原市
【前の記事より続き】
2019年2月24日(日)
「次は原城に行きたい」(オット)
はいはい、天草四郎の原城跡ですね。ここもワタシは訪問したことがあるのだけど付き合いますよ。
あそこはネ、な~んにも建物が無い海沿いの農地の果てに、ポチッと城壁があるだけなんだよ・・・あ、あれ~?2011年に来た時とはまるで違うなあ。立派な駐車場なんて無かったよーな・・・
駐車場から本丸跡までの無料シャトルバスで運んでくれます。大変化だわ。2011年はシャビーな案内板があるだけで、まっとうなパンフレットさえも無かったのだがな。今はガイドサービスまであるんかー。
やはり、2018年に世界文化遺産登録されたのが大きいのね。予算がいっぱいついた、ということ?
そうはいっても、原城の様子は世界遺産登録前とまったく変わらない佇まいでした。ほんと、石垣以外に何も残ってないのが原城。
そこを補うべく、VRで再現された原城をスマホで見られるようになっています(よみがえる原城VR観光)これも、2018年からのサービスだそうだから世界遺産登録のおかげかしら?
何も残っていないのは、一揆勢が陥落した後に二度と幕府を揺るがす反乱は許さないという、幕府の強めの反省から徹底的に破壊されたから。(一揆勢は、廃城だった原城に籠城したのですけど、もともとそれほど廃れてはいなかったらしい)
陥落した一揆勢は3万7千人。(うち、女性・子供・老人1万4千人)「キリシタンって、死んでも蘇るらしいよ」と信じた幕府軍は全員の五体をバラバラにして重たいもので蓋をして埋める!という残酷なうえにアホなことをやります。
大量に人骨が出土したポイントのひとつにお地蔵様が。一揆から130年後に、集めた遺骨を地元の住職や庄屋が弔ったほねかみ地蔵。平成に入っての南島原市の発掘調査でも大量の人骨が出ています。
一段高くなった本丸跡へ。櫓台跡に立つと、海。一揆勢は原城を終焉の地にするつもりはなくて、ポルトガルの援軍が来ることを待っていた説がある。海原の向こうから帆船が現れるのを待っていたのだろうか。
逆に、幕府軍の松平伊豆守はオランダ軍を呼び寄せて、原城を攻めさせるのだ。やるわね、知恵伊豆。
島原天草一揆、島原の乱。めちゃくちゃな政治をする藩主に苦しんだ農民と、キリシタンによる反乱事件なのだけど、そこに何某かのドラマ性がもたらされるのはこの人の存在かも。天草四郎君、15歳。
このプロフィールにイケメンだった説が加わるのですから、妄想と創作キャラの要素は完璧です。実際、2011年に来た時も、そんな「聖地巡礼型女子」がワタシ以外にも徘徊していましたわw
一揆勢の話し合いで「総大将」に決まった四郎君ですが、実質的には小西行長や有馬晴信の家来だった浪人グループが統率していたのが実態。ワタクシも、今なら「そりゃそうだわ」と分かっちゃうオトナになってしまいました。
この事件を教訓に、生き残ったキリシタンは一層目立たぬ信仰に向かって潜み、江戸幕府は「鎖国」を徹底させ、後の幕政が長く続く要因になります、というのは日本史授業で習った通り。
なるほど、『長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産』というテーマの世界文化遺産に於いて、原城は日本独特のキリスト信仰が始まるきっかけになった場所として選ばれたんですね。納得。
本丸跡の高台から北を遠望したら、クッキリと雲仙普賢岳と先ほど行った平成新山が見えた。今は農地になっている手前のエリアも原城二の丸だった場所で、5700人の農民が立てこもっていたらしいよ。農民といえど彼らの結束力は強くて、序盤は一揆勢が押してたんだ。
見学後に駐車場にもどる時はシャトルバスに乗らず、原城の一部だった広い農地の中を敢えてテクテク歩いてみました。いい天気!清々しい景色!
好きな宗教を信じてよくて、為政者を決める選挙に参加できる時代に生まれた自分は恵まれています。
【つづく:竹崎かにを食べる宿】
「原城跡」の情報はながさき旅ネットで。原城は1496年、東肥前までも勢力を延ばし当時26万石ともいわれた領主・有馬貴純によって築かれたといわれ、周囲4キロの三方を有明海に囲まれ難攻不落の天然の要害で、本丸・二ノ丸・三ノ丸・天草丸からなり、別名「日暮城」とも呼ばれた美しい城であった。 晴純の代に至り、有馬氏の全盛時代となったが、次第に衰退 義直時代には、佐賀の龍造寺により再三侵略されたが、島津氏の救援で島原沖田畷にて勝利をおさめ、島原半島の南部をかろうじて維持できた。
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