伊根町さんぽ/魚屋がない漁師町＠京都府/伊根町

【前の記事より続き】

2019年6月16日（日）

オット、ムスメと共に京都府伊根町に泊まっています。舟屋を改装したお宿「雅」で迎える朝。

湾に虹が架かってる～ .ﾟ+.(･∀･)ﾟ+.。

虹の橋のたもとは、湾に浮かぶ青島にあるんだね。あそこまで舟を漕ぎ出せば虹を渡れるに違いない。

舟屋改装宿に泊まっているので、ぼんやりと海を眺めるなどという贅沢な過ごし方ができる。

ある時フト見ると、近隣の民家の勝手口から奥様が出て来られた。ご自宅の裏手はすぐ海だ。

重たげにロープを引き上げたその先に、大型の籠が括りつけられているよ。何羽ものカモメが彼女の頭上を旋回します。まるで、どこかで彼女の登場を見張っていたかのようです。

その所作をじーっと観察したワタクシ、なるほど！とガッテンです。籠の中にお魚の破片や捌いた時に出たアラを入れる。籠ごと海中沈めておけば魚が勝手に籠に入り込んで来る、という仕掛けなんですね。カモメちゃんは小魚のおこぼれでも頂戴できるかな？と期待して集まっていた模様。

今日は不漁だったようで、籠を海中に蹴り落とすマダム。 がっかりするカモメたちw

でも、家の裏が天然の生け簀みたいなもんでしょ？超贅沢な食生活ではないですか！羨ましいなあ。

では、旅先恒例の朝散歩へ出かけましょ。メインストリートですがこの道幅の伊根町。観光客が多い日の日中は車に気を付けないと。早朝なので静かな町をのんびり歩けています。

あれ？漁港があるよ。夜明け前に出港しただろう漁船が、ちょうど帰港したところみたいでたくさんの人が集まってます。

部外者立入禁止、とも書かれていなくて規制線もないのでソロリソロリと接近するこにゃくうとオット。おじさんたちはナニをされているのか？大量のお魚を大きさや種類、傷があるかどうか、などで瞬時に見分けて仕分けをしているようです。すっごい速さだ～。

ちゃちゃっと分けてこの通り。ノロノロしていたら鮮度に響くものね。こんなに接近しても誰にも叱られないのですケド？すみません、ただの旅行者なんですけど見ていていいんですね？

船倉からコンベアーに乗せられてザバザバと流れ出てくる今朝の漁獲物。それを素早く、楽しそうに仕分けるおじさんたち。活気があって面白い！これ、永遠に見ていられるかも～

よく観察していると、水揚げ作業をする人ではないおじさんが混じってる。ザルやバケツにホイホイとチョイスした魚を入れてる彼らは、防水オーバーオールをはいてないもの。

あ～あ、買えるんだ！港に揚がってすぐの魚を、自宅用にまたは飲食店や旅館の食材用にここで買えるんですね。

ワタシは釣りに詳しくないので不明だけど、こんなに万人にオープンな漁港ってフツーなのかな？近寄っても、写真ガンガン撮ってても怒られなかったのは誰もが買いに来れる漁港だからだったのね。

作業は時間勝負だったようで、あっと言う間に片付いていてびっくりです。昨晩の与謝荘の魚料理がとびきり新鮮でおいしかった理由はこのシステムのおかげなのかも。（お店の腕もね）

『魚屋がない町、伊根』って観光用パンフに書いてあったわ。納得です。水揚げされたばかりの魚が誰でも自由に安く買える。自宅が海に面している人は籠を沈めておけば魚を得ることもできちゃうんだもんね。朝7時、偶然に遭遇できた伊根の素の顔でした。

面白くて「町の外れまで行ってみよ～」と、湾に沿って延びる伊根町を進みます。

今回の宿泊候補としてピックアップしていた他の舟屋宿がいくつか現れ。「蔵、ってここだったんだ」泊まっている「雅」よりリアル舟屋感がある宿ですが、我が家的には夕食の店に遠かったね。

あ、鍵屋さん。こちらも候補として検討した宿だったね。1泊2食付の宿。立地は町はずれだけど「夕食は 鮨 海宮で食べるプラン」があって、送迎してくれるんだって。

今回は鮨 海宮の予約が取れなくて残念だったから～。次回の伊根があったら、その時こそは鮨 海宮な。

他所様の敷地に入ることはNGだけど、時折家屋が途切れている所があって、湾を望むことができます。

湾と舟屋群の光景は当然ステキだけど、面を揃えて木造住宅が並ぶ、通り側の様子もスキ。生活感がダダ洩れしていて、歩いていても楽しい。

土蔵。歩いていると、蔵がちょいちょいと建っているんです。うっとり。

ほ、ほうかいすんぜん？でも、今も舟屋として使われている感がありました。レトロもん好き心に刺さりっぱなし 

ほぼ人家が無くなる町の果てまで歩きまして、来た道を戻ります。

宿泊している「雅」まで戻って来たけど、今度は湾の西側にも行ってみようか。

伊根には地酒蔵があるんだよ～、というオット情報です。わー。渋い。歴史ある町に地元の酒蔵ってイイね。

古代米（赤米）を使って、まるでロゼワインのような色具合の日本酒「伊根満開」が好評を得ているのだそうです。「いわゆるフルーティな甘酸っぱい酒。女性にウケがいい酒だからキミにはどうかなあ」（オット）

いやいやいや、ワイも女性なんだがｗ

【つづく:天橋立へ】

京都（丹後）の魚の入手方法

www.pref.kyoto.jp