太田なわのれん/横浜の名店だと思います@横浜市/中区
2021年4月某日
〈自分のための記録メモ〉福コース14300円×3、琥珀生ビール770円×7、大吟醸初孫2750円×2、大吟醸雪の幻1870円、白鹿純米1320円×3+サービス料10%で合計65580円
日頃お世話になっている横浜の方をご招待しての夕食。横浜でイイ感じにご接待といったらあそこだね、と。
豪快なキューブ状牛肉が炭火でフツフツ・・・と煮込まれる「牛鍋」の店なら饗応係としても面目が立つのだ。
今回選んだお店は太田なわのれん。150年以上つづく、牛鍋の名店です。(太田なわのれん公式HP)
入店すると何だか旅館のようなロビー周り。この店、当ブログでは繰り返しネタにしていますけど、久しぶりの来店だわ。
1階の、お庭が望めるお部屋(若草)に案内いただきました。HP上では「個室・4名以上」となっていますけど、オット、ワタシ、お客様の3名で問題なく個室予約できました。(コロナ時下だからかも?)予約する際は少人数でも個室を諦めず相談してみるといいと思います。
この日の会食から数日後の4月28日からは横浜市は、コロナ蔓延防止措置で「酒類提供の終日停止」が始まりますからね。「今日はギリギリセーフだね」とアサヒの琥珀生ビール(770円)でおいしく乾杯する我ら。
美しい先付が登場して「福コース」14300円がはじまるよー。
我が家が太田なわのれんを愛して、そして信頼しているのは「牛鍋」の美味しさだけじゃない魅力がコース全体にあるから。クオリティ高い先付は毎回の楽しみよ。
青紅葉の葉を取ると甘海老。その下には新物わかめと寒天が。背の高いぐい呑みに入れられているのはカタクリのおひたし。春の野花、カタクリって食べられるんだ!花だけでなくシャクシャク食感の茎、葉もおひたしに。
(左)紅葉おろし、刻み葱でポン酢仕立てにされているのは鯛の白子。春だから白子ポン酢も真鯛。
(右)旨煮にしてジュレを纏わせた、鯛の子。鯛の男子と女子が並びます。
「吸い物」はツルッと食感のあいなめ。桜葉と塩漬け桜花で春の香り。下に仕込まれたグリーンピース葛豆腐の鮮やかな黄緑色は若草のイメージかな。春の景色だわ。
「お造り」勘八、本鮪、あおり烏賊。鮮魚の質と味は想定内。一文字型の盛付けに惹かれます。
「季節の一品」として「かますの風干し焼」と「このこの玉子とうふ」
我が家としては、この店の牛鍋の美味しさ以外も重要なので、各種あるコースの中でも牛鍋の前座たちが充実しているコースを選びます。
「いや、こーいうの要らない。牛鍋の充実が大事」という方もいるので、肉重視のコースもあります。各々のニーズを鑑みたコース選びができますよ。
あしらいに野蒜や桜を模した百合根を使っていたり、いちいちツボです。筍は、鰹節が衣でサクサクなんだ。
このこを使った玉子豆腐、てか茶碗蒸?高級食材このこが時折、口中に広がって塩味と旨味を飛ばします。酒がススムわ、コレ。
ここでメイン、「牛鍋」登場。
よくこんなレシピの、こんなビジュアルの牛肉料理が誕生したものだなあ、と来るたびに思いますよ。
強烈な炭火で焼くスタイルは明治時代の風情のまま。肉をぶつ切りにするビジュアルも、スライサーが登場する以前の日本だから苦肉の策としてこーなった訳だし。ビバ文明開化。
お部屋担当のお姐さんが仕切ってくれますから、客は見守るだけ。
御椀に盛られた牛鍋ちゃん。おひとり3杯は食べられた気がする。ワタクシ、遠慮なくオカワリ要求してますよ。
大振りだけど柔らかいのでスルスル飲める肉。コッテコテだけど辛くない江戸甘味噌。肉汁と味噌の海で泳いで味染み染みになった長葱。
牛肉の肉質をグレードアップしたコースもあります。でも、スタンダードな肉使用の福コース(14300円)でも満足度に文句なしでした。肉重視じゃない我が家だからかもしれませんが。
さて、お姐さまによる調理が終わったお鍋は、保温キープの状態を施され「後はご自由にお召し上がりください」になります。お櫃のごはんもやってきた。白米にあわせて食べるのもまた違った旨さよ。
「水菓子」は甘酒のプリン。さつまいも、ブルーベリー、いちご。餡は桜の風味と色で。デザートにも季節感とひねりがあり、手抜きナシです。
全面ベタ褒めのワタクシですが、唯一不満なのは日本酒の品揃え。初孫に雪の幻、白鹿。30年前で時が止まったようなラインナップで楽しくない。イマドキの日本酒に目を向けていただきたいものだ。または、神奈川県産の日本酒をメニューに入れてはどうだろう?
まあ、チョイスの幅が狭かったおかげで今夜は日本酒消費量が少なかったわw
3店のうち、「太田なわのれん」は個性が図抜けています。今年で創業153年。今後もこのクオリティで日本で唯一の店として横浜で輝き続けてほしいです。コロナ禍ですが負けないでくださいね。また来ます。
〈自分のための記録メモ〉福コース14300円×3、琥珀生ビール770円×7、大吟醸初孫2750円×2、大吟醸雪の幻1870円、白鹿純米1320円×3+サービス料10%で合計65580円
★★★☆☆3.71 ■予算(夜):¥10,000~¥14,999
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