2021年4月16日
湯の発見から600年、旅館業開始から235年の歴史がある藤三旅館です。秘湯マニアには知られた名旅館。
その藤三旅館が持つ至宝が、名湯「白猿の湯」です。入浴に来る人が絶えないのはこの湯の魅力が大きいでしょう。今回初めて味わって、噂通りのお宝
温泉だ~!と平伏しました。
尚、宝物への道のりは女性にとってやや厳しい。混浴だから。そして、バスタオル巻不可、湯あみ着不可。潔くマッパで来いや!と白猿さまはおっしゃる。
ついでに撮影禁止でブロガーにも厳しい。これについてはフロントに申し出て「完全なる無人状態なら撮ってもいいです」とお許しいただきました。
混浴ムリ~、な女性がほとんどなので「女性専用時間」が確保されています。ありがたい。
でもね、この時間割がビミョー。チェックインは15時~だけど、その時間帯は混浴タイム。
19:30-21:00枠でもよさそうだけど無料シャトルバスで来た身だと宿着が16:05。そして18時か19時の選択で夕食が始まります。夕食までに他の3湯をこなしたいし、旅館の夕食はゆっくり食べたいものだ。
そんな訳でワタクシは21:00までに「白猿の湯」に入ることができませんでした。残された女性専用タイムは、翌朝6:00-7:00枠だけ。
翌朝1回入浴すればそれでいいじゃないか、が普通の人かな。しかし、ワタシは2回は入りたい。
・・・ので深夜2時の白猿の湯です。あら、真っ暗。
湯治部サイドの入口。皆さんが寝静まった廊下は静かというより、この闇が恐ろし気。
廊下の脇にカオナシが立っていそうです。(白猿の湯は湯治部と旅館部で2つの入口があります)
扉を開けて、一歩足を踏み入れた瞬間に感じた神秘的な空気。その時の感覚を、ここに綴ることで記憶に残しておきたい。
波紋なくピーンと張った楕円の水面は、まるで銅鏡のようじゃない?色だって薄っすらと緑青(ろくしょう)のよう。
浴場のたたずまいを映し込んだこれは、古代鏡かしら。うっとり。…あ、風呂でしたねw
脱衣所はシンプルでほぼ丸見え状態。且つ男女分けすらされていない。
男性が見ている中で、ここで着衣を脱ぐのは勇気いるわ。が、深夜2時の勝利。誰もいなーい。
名湯白猿に浸かって唸ります。なんて気持ちがいいんだ!水深が125cmある白猿。立ったまま入るから水圧が全身に均等にかかっているのを感じます。それが何故だか気持ちいいのでした。
不規則にでこぼこの浴槽の底。公表されている「水深125㎝」は平均値でしょう。ちょっとした足場があってチビなワタシの助けになるポイントもあります。しかし中央の源泉噴出点は深く、鼻が塞がる位でしたから140㎝いってると思われ。でも、この容赦ない深さが入り心地の良さに繋がっているんです。不思議な湯です。
なぜこんな規格外の浴槽ができてしまったのか、について
藤三旅館さんのブログ2010年7月9日記事に紹介があります。ざっくりとこんな理由。1)600年前は川辺から源泉が自噴していた→2)いつの時代か不明だけど、だんだん湯の出が悪くなってしまった。→3)先祖さまが「掘ったら湯の出がよくなるんじゃね?」と。→4)繰り返し掘っているうちに今の深さになっちゃった・・・という流れなのだそうです。
そっかー。立って入ったら水圧が気持ちいいんじゃ?と当初から企んだわけでもなんでもなかったのね。取りあえずの対処をしていたら深くなっちゃって、今やその深さが日本一。温泉好きを惹きつける名湯になった、と^^
さて。白猿の湯の横に、大人ひとりが入ればいっぱいいっぱいな小型の風呂が寄り添うように造られています。丸くてちっこい。気になります。
このチビ風呂にもダイレクトで源泉が注ぎ込んでいます。湯温がやや低い。たぶん37℃か38℃。
白猿にじっくり浸かって汗が出始めたころにチビ風呂に移ってクールダウン・・・を繰り返すとエンドレスで楽しめちゃう。
後でスタッフさんに伺った話。「小さな浴槽は白猿の湯とは別の源泉。他の浴槽には使われていなくて、あそこだけに注がれています」「温度が低いでしょう?そこが良いと仰られる方も多い、人気の浴槽なんです」わかる~。
白猿の子猿!うまいこといいますわね。只今、子猿を満喫中。
600年かけてメンテナンスを繰り返した「白猿の湯」は今や地上2階、地下1階。
他に類を見ない吹き抜け構造の浴室になりました。
湯質と浴槽の構造が素晴らしい以外にも、この解放感が入る者をリラックスさせてくれるんだなあ。
翌朝6:00-7:00の女性専用タイムも、それはそれで楽しめました。(1時間で延べ8人の入浴者)
が、深夜にひとりだけの白猿体験は、神秘的なひと時として忘れられません。
【花巻観光協会公式サイト】花巻の旅 - おすすめ観光情報
一般社団法人花巻観光協会[岩手県花巻市] イーハトーブの一番星をめぐる花巻の旅 - 岩手県花巻市、(一社)花巻観光協会の公式ウェブサイト。観る・食べる・遊ぶ・文化歴史などのおすすめスポット情報やイベント情報、観光モデルコースなどを紹介
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