Welcome to my blog

京都

修学院離宮/紅葉時がおススメです@京都市/左京区

0 0
前の記事より続き】
2019年11月24日(日)
京都比叡山の麓にある修学院離宮。参観への道のりは少々ハードルが高め。(宮内庁公式HP
修学院離宮/紅葉時がおススメです@京都市/左京区
宮内庁管理の施設なので、往復はがきかネットでの予約が王道です。しかし、別途「当日枠」があり、オットが並んでゲットしてくれました。


修学院離宮/紅葉時がおススメです@京都市/左京区
AM7:20から並んだオットの奮闘記は「前の記事」にありますので、経緯はそちらで。
「13:10に修学院離宮の正門前に来て」というオットメールを受けて、ノコノコと到着した13:05。すでに同じ回の人々が集結してました。

修学院離宮/紅葉時がおススメです@京都市/左京区
離宮の敷地は相当に広く、しかも下離宮・中離宮・上離宮と3つのゾーンに分かれていて、高低差もあります。その中を、宮内庁職員さん(左の男性)の解説に耳を傾けながら全員で列をつくって巡りました。まーまー歩きますからお履き物にはご注意を。砂利道部分も通るので傷が付いたらショックな靴も止めておいた方がいいかも。

修学院離宮/紅葉時がおススメです@京都市/左京区
紅葉がちょうど見頃ですばらしい日でした。解説も聞きたいし、写真も撮りたいし、じっくり眺めて目に焼き付けたりもした~い、と浮かれまくった参観の思い出記事です。


修学院離宮/紅葉時がおススメです@京都市/左京区
さて、ツアーはこの「御幸門」の向こう、下離宮から始まります。
「屋根はこけら葺き。正面に花菱紋の透かしが入っていますね」(宮内庁さん)
花菱紋は後水尾上皇お気に入りのアイコンだったそうです。こけら葺きなど質素なデザインにしているのは、上皇の「非日常を味わいたい!」というセンスの現れかもしれないなあ。庭園の企画は上皇ご自身が作り込んだものとのこと。

修学院離宮/紅葉時がおススメです@京都市/左京区
この門は上皇と天皇専用だったそうですよ。我ら下々の者が使うのはちょこっと憚られますが・・・「どーぞー」と軽く引率する宮内庁さん。

修学院離宮/紅葉時がおススメです@京都市/左京区
尚、先頭で解説するのは宮内庁職員さんですが、シンガリはこの方。ツアーはこの2人に挟み込まれて進みます。隊列から遅れたり脇に逸れるとこの方が鋭く注意喚起してきます。この方は皇宮警察のヒトなので眼光鋭く無言で周囲を監視していましたわ。

修学院離宮/紅葉時がおススメです@京都市/左京区
宮内庁さんの解説です「後水尾上皇は普段は仙洞御所にお住まいで、ここ修学院離宮には31回訪問されています。すべて日帰り。輿か籠に乗られて来ました」
引き継いだ宮内庁が丁寧に管理しているからだろうけれど、下離宮の庭園すばらしいわー。

修学院離宮/紅葉時がおススメです@京都市/左京区
正面の「寿月観」の扁額は上皇さまの直筆。3つお部屋があって、扁額がある部屋はリビングかな。御座所が付いてます。左の二の間は上皇が軽いお食事をした場所。ここに来るのが上皇さまのプチ日帰り旅行だったということか。

次に中離宮へ移動します。
修学院離宮/紅葉時がおススメです@京都市/左京区
まずは、広場のように開けた場所に出ましたね。
「この道は馬車も通っていたので御馬車道とも呼ばれます。1986年にダイアナ妃とチャールズ皇太子もお車でここにきています。後方の高い山は比叡山。」(宮内庁さん)

修学院離宮/紅葉時がおススメです@京都市/左京区
ごろごろの小石で歩きにくいなあ。ダイアナさんもヒールでコレは辛かったでしょう。「現代になって玉砂利にしたわけではないんですよ。昔から玉砂利なんです。上皇様のお召し物が泥ハネで汚れないように。足音がするので泥棒除けでもあります」(宮内庁さん)

修学院離宮/紅葉時がおススメです@京都市/左京区
「見えている景色すべてが修学院離宮の土地です。後方の比叡山、アレは違いますけどねw 昭和39年、当時は高度成長期で住宅地が修学院離宮周辺にも迫ってきていました。将来に渡っての景観維持のため、当時の大蔵省と宮内庁が周囲の山と田畑を買い上げました。」(宮内庁さん)

修学院離宮/紅葉時がおススメです@京都市/左京区
なるほど。だからここから見える景色がトータルで美しいのね。修学院離宮の建物だけが保存されていても意味がなく、上皇が愛でた環境込みで保存することに意義があるんですね。60年近い昔の宮内庁、ナイスな予算の使い方。

修学院離宮/紅葉時がおススメです@京都市/左京区
「8万平方メートルの田畑は、近隣の農家さん25軒ほどと契約してもらっています。京大農学部の耕作地も。できたお米は皇室献上とかじゃなくてですね、そのまま各自で販売していただいています」(宮内庁さん)
周囲の農家さんも離宮を守る一役を担っているんですね。プライド持ってお米を作っていそう。


御馬車道と呼ばれた通路を上りながら中離宮に向かいます。御馬車道の両サイドには松の木がフェンスのように植えられていますが、敢えて周囲がチラ見え状態になっています。
修学院離宮/紅葉時がおススメです@京都市/左京区
「離宮には400本の松があり、背が高くないのが特徴。5月の1ヶ月を使って植木職人さんが伸びてきた新芽の上半分を手でもぐ、という作業をします。おかげで背が高くならず、盆栽のようになっています。後ろの景色がうっすらと見える剪定方法。御所透かしといいます。」(宮内庁さん)
この植栽で、上・中・下の離宮がお互いに見えないようにしているそうな。フツーに見えて、実はスゴイ手間を掛けた松並木だったのでした。

修学院離宮/紅葉時がおススメです@京都市/左京区
なんか、また門が。「ここから先が中離宮です。後水尾上皇の第一皇女、梅宮文智の草庵がここにあったのが始まり」(宮内庁さん)
その後、後水尾上皇没(1680年)後に第八皇女光子が落飾して代々尼寺に。明治期には廃れましたが、宮内庁に返還されて修学院離宮の一部に編入されました・・・と、ちょっとメンドクサイ経緯でした。

修学院離宮/紅葉時がおススメです@京都市/左京区
ひゃ~。庭園と紅葉がひときわ美しいです。解説は脳内をスルー。中離宮の経緯は「元尼寺」という一言でまとめておきたい。

修学院離宮/紅葉時がおススメです@京都市/左京区
ワタクシ、ガイドの宮内庁さんにピタリとくっついてます。ツアーの先頭、ポールポジション死守で誰も入り込まない画像撮れてます、えっへん。

修学院離宮/紅葉時がおススメです@京都市/左京区
中離宮の「客殿」。後水尾上皇の皇后、東福門院が暮らしていた京都大宮御所の一部を没後、ここに移築して第八皇女朱宮光子内親王の住まいにしたもの(1682年移築)、と宮内庁さん。上皇の奥様の東福門院は徳川秀忠と江のムスメで、多くの作品に登場する有名人ですね。

修学院離宮/紅葉時がおススメです@京都市/左京区
元東福門院の住まいに相応しく、凝ったデザインの棚が輝いています。これが中離宮のみどころなんですって。
「5枚の違い棚。霞棚と呼ばれ、天下の三大名棚のひとつです」(宮内庁さん)なるほど、薄い雲が棚引いているようにみえるわ(他の名棚2つは桂離宮と醍醐寺三宝院にあるって)
細部を見ると、群青色と金色の菱形がアクセントになっていたり、引き戸の取っ手が羽子板の形。造り込んでいますね。

修学院離宮/紅葉時がおススメです@京都市/左京区
「杉戸に描かれた鯉と鮒にもご注目。この鯉は元気な鯉で、夜中に絵から抜け出すと言われます。それで、丸山応挙が網の絵を書き足しました。でも、よく見ると網はところどころ破れているので、鯉は搔い潜って夜遊びに出かけることが可能です」(宮内庁さん)ナニ伝説ですかねwしかし、リアルな鯉と鮒の絵です。

修学院離宮/紅葉時がおススメです@京都市/左京区
客殿の建物を回り込んで、隣接する楽只軒の説明を聞いています。チラリと左端に写っている欄干が「網干欄干です」とか。漁の後で干されている網をデザインした手摺り、ってことらしいです。

修学院離宮/紅葉時がおススメです@京都市/左京区
皇女に生まれたのに生涯縁づくことなく、やがて尼になってここで過ごす一生を想像したら、やや鬱々な気分になってしまった。
(↑画像は第八皇女光子が開基になった林丘寺の門。客殿に隣接しています。非公開)

修学院離宮/紅葉時がおススメです@京都市/左京区
やんごとない人の子に生まれるのも辛いもんだなあ、と思う中離宮。紅葉はとびきり美しかったなあ。

修学院離宮参観のメイン、上離宮に移動開始。
下、中、上の離宮間をつなぐのは松並木の坂道。中離宮から上離宮まで標高差150mを登ります。
修学院離宮/紅葉時がおススメです@京都市/左京区
上離宮の御成門に到着。かなり登ったなあ。秋だったから大したことないけど、夏の見学はキビシイかもよ。

修学院離宮/紅葉時がおススメです@京都市/左京区
上離宮御成門前はゆったりした展望台ほどのスペースが広がっています。京都の西を遠望。手前の農地は宮内庁が買取って修学院離宮の土地にした部分です。こうして眺めるともはや手前には市街地しかないのが分かります。

修学院離宮/紅葉時がおススメです@京都市/左京区
早めに周辺の土地を所有しておいてヨカッタね。遠く、愛宕山まで見えています。

修学院離宮/紅葉時がおススメです@京都市/左京区
修学院離宮の背後は手つかずの自然林なんだね。「おかげで猿、猪、鹿、出ますw 先月は熊も出まして、近所の小学校は休校になりました」(宮内庁さん)なるほど、ここに登ってくるまでに厳重なフェンスが設けられていたのは不審者だけでなく、動物除けのためでもあるんですね。

修学院離宮/紅葉時がおススメです@京都市/左京区
御成門をくぐり、階段を昇ってさらにカーブした階段を昇るツアーの皆さん。上がっている最中は上にある構築物は見えないようになっている、という趣向。

修学院離宮/紅葉時がおススメです@京都市/左京区
てっぺんには隣雲亭という簡素な茶室がありました。そこからの眺めが素晴らしい!人工の池ですが、これを前景にして眺望を楽しむための隣雲亭なのでしょう。西山の山々まで見えています。

修学院離宮/紅葉時がおススメです@京都市/左京区
宮内庁さん「後水尾上皇は上離宮を企画するにあたって、自分で粘土の模型まで作って樹や草にもこだわりました。58歳で着手して64歳で完成しています。」このスピードで出来たのは奥様のご実家、徳川家の資金援助があったからですって。

修学院離宮/紅葉時がおススメです@京都市/左京区
「すごーい、ほぼパンフレットといっしょじゃん!」と感激の景色。民草の感激ってそんなレベルです、ごめんね上皇。ほんと、ベストな日に来れてヨカッタ~。ツアー民のためにたっぷり撮影時間を取ってくれた宮内庁さんもやさしい方だ。

修学院離宮/紅葉時がおススメです@京都市/左京区
さて、隣雲亭から森の中の道を下り、人工の池「溶龍池」周辺を案内してもらいます。前方に中国風の橋が見えてきたわ。

修学院離宮/紅葉時がおススメです@京都市/左京区
「千歳橋です。中国的ですね。こけら葺き屋根ですが東側屋根には金色の鳳凰が飾られています。」(宮内庁さん)後水尾上皇の時代の橋ではなく、文政期(1824年)越後村上藩内藤信敦が京都所司代だったときに寄進したもの。ぜんぜん似合ってないよ、内藤さんw でも200年経つとなんとなくアリかも。

修学院離宮/紅葉時がおススメです@京都市/左京区
もう一つ現れた橋「楓橋」は、名前通り紅葉の森の中の木製橋でいい雰囲気です。上皇さま、センスいいわー。

修学院離宮/紅葉時がおススメです@京都市/左京区
そして到着したこの建物がツアーラストの「窮𨗉亭」(きゅうすいてい)後水尾上皇がお客様を招いた御座所です。

修学院離宮/紅葉時がおススメです@京都市/左京区
宮内庁さん「窮𨗉の扁額が掛かっていますね?これは後水尾上皇の作です。修学院離宮で上皇創建当時の物で現存するのは、この窮𨗉亭だけです。江戸末期に修復作業されていますが」

修学院離宮/紅葉時がおススメです@京都市/左京区
しとみ戸なんだ。上皇さま、リゾート気分でオフを満喫していたのかしら。ここも高台なので池を見下ろす絶好のポジションです。夏は池を渡る風が届いて、涼しいかもなあ。

修学院離宮/紅葉時がおススメです@京都市/左京区
宮内庁さん「夏の暑い時期は猿や鳥が涼みに、勝手に入ってきますよw 我々が朝に開けに来て、夕方に戸締りに来るんですが、昼寝してます。先日も15頭くらいの群れがいたなあw」上皇さま、動物たちの休息所になってますケドOKですよねw

修学院離宮/紅葉時がおススメです@京都市/左京区
これで1時間20分の修学院離宮見学ツアーはおしまい。浴龍池の周囲を眺めつつ、スタート地点までぐるりと歩いて戻ります。

修学院離宮/紅葉時がおススメです@京都市/左京区
徳川との確執にあっても黙っていない人、上皇だけど自由を求めた人、という印象の後水尾上皇さま。ストレスを癒す場所として、自分のアイデアを全投入してお気に入りの別荘を造ったのでしょう。その辺り、マリー・アントワネットがプチトリアノンを造った気分に共通するかも。

修学院離宮/紅葉時がおススメです@京都市/左京区
美しい離宮の参観が無料!この税金の使い方は正しいぞ。(近年、桂離宮が有料になったのでこちらもいつか変わるかも)ただし夏と冬の参観は厳しそう。また上下移動も含め約3㎞歩くので夏は水分補給も考えた方が良いかと。お履き物への注意は再度申し上げたい。

修学院離宮/紅葉時がおススメです@京都市/左京区
宮内庁職員さんの洒脱な解説も、修学院離宮への愛が漏れ出ていて飽きさせません。(当たる人によるかもしれませんが)参観おススメいたします。
【つづく:曼殊院へ

【修学院離宮】アクセス・営業時間・料金情報 - じゃらんnet

修学院離宮の観光情報 営業期間:見学:※事前予約制 申込み:往復はがき、ホームページ、宮内庁京都事務所参観係の窓口 定員になり次第締め切り。詳細は電話にてお問合せ下さい。、交通アクセス:(1)叡山電車「修学院」より徒歩約20分。修学院離宮周

関連記事
国内旅行京都

0 Comments

There are no comments yet.

Leave a reply