蟹王府/上海の名店がやって来た@東京/日本橋
2021年10月某日
<自分の為の記録メモ>蟹味コース25000円×2、生ビール 1000円×3、飛露喜 800円、日高見 800円、古越龍山ボトル 10000円、税6460円、サ料7106円=78166円のお支払い
オットが「出張の上海で食べた蟹王府って店が旨かった!」と繰り返し言っていた。上海で上海蟹か。食べてみたいものである。
「いつか、一緒に上海に食べに行こうよ」などと言っていたら・・・お店の方から日本に来た。
蟹王府、シェ‐ワンフと読みます。2020年12月オープン。(成隆行蟹王府HP)
場所は、日本橋室町の日本銀行東門真正面。日銀通り沿いです。
ロイヤルブルーが効果的でラグジュアリーなレストランだね。ええやん!上海の蟹王府もこんなお店だったの?(ワタクシ)
いーや。赤色と金色で、いかにも中国人大衆が好みそうな方向性の内装。(オット)なるほど。他国に出店すると、立地とターゲット層が自国店と変わることってあるよね。日本橋のこの場所だもの。接待需要狙いかな。
今日予約したメニューは「蟹味コース」10品27500円(税込/サ別)です。ディナーでは蟹味コースが最安値で、さらに38500円、55000円コース。(アラカルトもあり)
「上海の店はこんなに高くないよ。もっとフツー」とオット。食べ終わっての感想を先に言うと、10品の蟹味コースで不足なし。満足でごちそうさまができました。
まずは蟹ちゃんのお披露目。生きております。生きたまま蘇州・太湖の養殖場から空輸されてくるんですって。それは高いわけだ。
蟹たちがお料理に姿を変えて再登場するまで、アミューズを摘まんでおしゃべり。
メニュー10品にアミューズは入ってないよ。カシューナッツの白胡麻は甘くてクランチー。フルーツトマトを金木犀ソースに漬ける、という丁寧な仕事。花くらげの酢漬けは過去イチのコリコリ食感の海月で、うまっ。
冬瓜と百合根の温かいスープでほっこり。薬膳の効果かしら?胃が動きだす感じ。
アミューズから唸らせる、ハイレベル中華。
コースが始まってもいないのに旨い旨い言うてるワタシに最初のお皿が届きます。「三種冷菜」
紹興酒に2日間漬けた才巻海老は想定通り。三陸あわび青唐辛子和え。鮑が厚切りで食感が贅沢。辛さは程よいピリッ!くらい。真菰茸はトリュフオイルで和えてある。旨味があるしシャクシャクだ。天盛キャビアが塩味アクセント。すっかりご機嫌さんのワタクシ。
「南蘇名物 夫婦蟹味噌ソースかけご飯」コース序盤で炭水化物がやってくる事態に戸惑ってます。
ご飯は最後、というのは和食ルールですもんね。「中国の方が来店されると、アラカルトでこのご飯を何より先に食べる方が多うございます」(スタッフさん)駆け付け一杯に蟹味噌ご飯なんだ~
「当店名物のひとつです。お二人分で上海蟹のメスとオスを10匹分使っています。メスの内子と外子。オスの白子を使ったソースで和えています。これをご飯と徹底的に混ぜ混ぜしてください」(スタッフさん)蟹オスの白子って初めて食べる!
口腔内がこってりした旨味で満ちる。タイ米のジャスミンライスであることも美味しさの決め手だね。香りとパラパラ具合でネッチョリしない卵かけ御飯のよう。後半はバルサミコ酢を注ぎ、さっぱり系に味変も。どんぶりで出されても食べ切れるかも!
蟹爪入り燕皮ワンタン蟹味噌酸辣スープ。ワタシは食べたことが無い味の方向性のスープ。酸辣スープで酸っぱ辛なところに大量の蟹味噌が溶かれている。旨味が凄くてこの味は未体験。燕皮とは?豚肉を薄く延ばしてワンタンの皮状にしたもの、らしいです。そうして作った皮で上海蟹の爪肉を包む、という手間がかかっています。パクチーや揚げたご飯をトッピング。
メインを前に、ここらで生ビールから中国酒にチェンジ。古越龍山10年。
メインの蒸し蟹を捌いてくれるスタッフさん2名がテーブル脇にスタンバイしてくれます。
艶やかなオレンジ色になって再登場の上海蟹。これをおふたりで捌いてくれます。
蟹王府は中国で1or2位と言われる上海蟹の養殖場を保有。8月~翌2月に日本に入ってきます。「蟹には年に4回の免疫検査があります」(スタッフさん)ふーん。中国政府もちゃんと管理するんだー。
メスとオスでは旬が異なります。10月はメスが旬です。産卵のために内子が一番増えますから。11月になると外子になってしまい、内子は減りますね。一方で11月はオスが旬です。オスの白子が大きくなり、ボディも育って身も美味しくなるのが11月です・・・というお話をしてくれながら素早く捌いてくれるスタッフさん。
じゃーん!ちゃっちゃと5分でこの状態に仕上げてくれました。凄ワザ。
「中国人のお客様だとご自分で捌きたいと仰る方もいるんですよ」(スタッフさん)すごいな、中国人。5分でこんな風にできるそのへんの日本人はいないわ。
足の捌き方に感動。ちょこっとだけ先端を出してあり、指で引けば抜ける仕組みに仕上げてあります。可食部分が少ないメス蟹足もおかげで食べやすい。
上海蟹メスの卵の旨さを堪能しました。足やボディの身の味はそれなり。
蒸し蟹から次の料理へ移行する間に黒糖入り生姜湯が。薬膳で蟹は「寒」に分類されていて体を冷やす食べ物なんだって。生姜湯を飲んで温めてね、ってことらしい。
燕の巣入り蟹肉煮込み。燕の巣の含有量が気前イイ。コラーゲンでお口がペタッってなるレベルに投入されている。燕の巣と蟹身と蟹味噌が混然一体。
お料理がおいしいと酒は急ピッチで無くなる。古越龍山ボトルが消滅したので・・・あ、日本酒も置いてあるんだね。
飛露喜 純米大吟醸 880円
日高見 純米吟醸 880円 ちゃんとした日本酒を、べらぼうではない都内飲食店価格で置いてあって嬉しいです。
豆腐料理は「豆腐の蟹肉煮込み」か「蟹肉入り麻婆豆腐」の2つから選択。ふたり別々でもOKとのことで、ワタクシは蟹肉煮込み。
オットは麻婆豆腐をチョイス。それほど麻でも辣でもなくてマイルドな麻婆豆腐。蟹肉煮込みがつづいちゃうから、ここは麻婆豆腐を選んだ方が方向が変わっていいかもね。
牛肉の秘伝醤油煮。サーブされたと同時に、食欲を刺激する香りが立ち上がる。
上海醤油の豊かな香りに八角のスパイシーな香り!柔らかく煮込まれて、お箸で切れるよ。
旬の野菜料理として、今日は芥子菜の塩ゆで煮。青菜を茹でて煮ただけでこの味。旨味の中から時おり甘味がふわっと上がる。中華のテクニックって凄いなあって、ふたりで唸ったよ。
最後は蟹肉入り小籠包。蟹味噌が入った小籠包は上品だ。
ワタクシ、小籠包にはキビシメな基準値があるので「まーまーね」です。
オットは焼き小籠包にしてもらう。ワタシの小籠包とは中が違い、肉々しい中身。
白玉サイズの胡麻団子が黒糖生姜湯(蒸し蟹の後に出た生姜湯と同じ)の中に浮いている温かいデザートと冷たいデザートの杏仁豆腐。シャミシャミ食感の胡麻団子。お品があって旨かったー。ごちそうさま。
「蟹王府が日本に出店するって」という情報を聞いてから心待ちにしていたのに、コロナ。本来なら2020年夏、東京五輪に合わせてオープンしたかったのだと思う。ようやく料理人が来日できて2020年12月に開店。でも行くなら上海蟹の旬、秋だよな…さらに、緊急事態宣言が終わるまで…と、今日まで待ちましたよ。
久しぶりに食べる蟹王府の上海蟹はどうだった?とオットに問えば「美味しかったよ。でも、あれから美味い日本の蟹をいっぱい食べちゃったからかなー。それとも上海で食べる有難さかなー。モニョモニョ…」と首を捻っておりました。ワタシは、蟹はもちろん蟹以外の料理も相当オイシイ!と満足度高かったです。
<自分の為の記録メモ>蟹味コース25000円×2、生ビール 1000円×3、飛露喜 800円、日高見 800円、古越龍山ボトル 10000円、税6460円、サ料7106円=78166円のお支払い
★★★☆☆3.38 ■〝蒸し蟹〟シーズン開始!! 世界最高品質の上海蟹を日本で堪能できるのは「蟹王府」のみ!!! ■予算(夜):¥20,000~¥29,999
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