たでの葉/秋の山の恵みを青山で@東京港区/外苑前
2021年11月某日
<自分のための記録メモ>おまかせコース15000円×2、生ビール700円×2、日本酒7杯8700円+サービス料8%3208円+税10%4330円。47630円のお支払い
東京南青山のたでの葉さん。囲炉裏端で焼き上げるジビエや、山菜を多用したお料理が美しくておいしいの。
都内に居ながらにして、岐阜か長野か…そこらあたりの旅先で食べてるような錯覚が起きる店です。
すっかり気に入ってしまい、3回目の訪問よ。秋の山の幸が集結した「八寸」からスタート。
左上「菊菜と菊花のおひたし」左「蕪ときくらげ」右「猪肉のしぐれ煮」蕪は柑橘の香り。コンビーフのような仕上がりの猪は、山椒の香りいっぱい。
素揚げして青のりをまぶしたじゃが芋。甘酢漬けれんこん、醤油漬け山芋、銀杏せんべい、堀川牛蒡、焼き栗。それらを吹き寄せのように仕立ててあります。他に「卯の花」「白菜と薄揚げのバター和え」も見え隠れ。
酒のつまみに最適な品々で始まりますから、生ビールはおしまいにして日本酒へ行こう。まずはクラシック仙禽の無垢をくださーい。
2品目。「飯蒸しの上に、焼き鮎の身と鮎の卵の共和えを乗せました」と。秋は子持ち鮎の季節です。濃厚な卵に鮎のほぐし身が絡まってこってり。もち米も加わっているようで、一層コクがある。そぼろ丼のウマいヤツだ。鮎は熊本川辺川産。
カウンター越しに見える炉ばた。店主様が丁寧に焼き上げているのが、3品目に登場するお肉です。ナニ肉かなー?
3品目。蝦夷鹿のヒレ肉でした。小皿の塩か手前に添えてあるホースラディッシュの醤油漬けで。
炭火で炙られた鹿肉。噛み締めると、遠くで血の味がする。オカワリしたかった~
4品目。海老芋の唐揚げ。秋から冬は、ほっくり&ねっちりした海老芋が美味しいよね。柚子皮をシャシャッとおろして、香りをトッピングしてくれました。
5品目。蕗の薹の唐揚げ。秋盛りの今、蕗の薹の登場。「秋田から届きました」(店主様)
コース序盤で「今日はこの蕗の薹をお出しします」とプレゼンされていました。秋にナゼ蕗の薹?「秋の山では、落ち葉の下にすでに蕗の薹がいるんです」と、初知りの情報。落ち葉の下は温かいので芽は地表近くまで来ている、と。(紫掛かった物は地中から掘った。緑を帯びた物はすでに地から出て太陽光線にあったった蕗の薹)
春の蕗の薹より硬いのですが、山の春の準備は秋からもう始まっているのでした。
またも別の肉が炭火に炙られています。ナニ肉だろ?まるで12本のお肉が暖を取りに集まっているように見えて、アートだわw
6品目。鹿児島県産 天然の尾長鴨の炙り。お味噌か塩でいただきます。
片面にぽってりと蓄えられた脂が、炙られて一層美味しい。今年4月に訪問した時にも尾長鴨の炙り焼をいただいています。その時より今日の鴨さんは美味しいカモ。レバーのようなこってりさ。
天然の鴨さんだもの。個体差や猟の時期もあるよね。過去のたでの葉体験でも、猪肉などは「それほどでも」な時があったかと思えば、別の肉かのような力強い猪肉!ということがあったわ。家畜じゃないんだから、その時々で違って当然なのがジビエなのでしょう。囲炉裏では次の12本が炭火に寄り添い始めました。
7品目。葱と尾長鴨のねぎま。もも肉と背中、首の肉と脂を寄せています、とのこと。脂、うまっ。噛み締めると皮下からじゅわん、と染み出てきます。
なんて日本酒に合うお料理たちなんだ。酒がすすんでしまうじゃないかっw…と、加茂錦荷札酒。
8品目。同じ尾長鴨のハツと砂肝。ありがとう鴨さん。キミの分まで私は生きるよ。
9品目。月の輪熊の炭火焼。「肩の部分です。多少、筋があるかもしれません。」(店主様)
やや甘目のしっかりしたタレが絡んでいます。たしかに、咀嚼すると少し困る硬さ。(飲み込んで大丈夫か、もうちょっと噛むべきか悩むアレ)そこは店主様の仰る通りでした。山の神からの恵みなので、そーいうもんだ、とゆっくりカミカミ。
たでの葉さんは日本酒ラインナップが我が家向きで、選択に困らないところがスキ。一白水成、文佳人と順調に飲み進んでおります。
風炉に土鍋がかかり、店主様は〆の鍋に向き合っておられますよ。
10品目は猪と天然なめこの味噌鍋でした。牛蒡の香りが立ち昇ります。汁が超絶オイシイ。
仙台の芹鍋のように、芹の根も入っています。シャミシャミ食感。おかわり!
ところで、この器がステキなんだが .゚+.(・∀・)゚+.
11品目。むかご御飯。大好物や!大粒なむかごで熊本県産。
店主様は、むかご御飯に自然薯をかけて山かけご飯にしてくれました。
ご飯は敢えて固めに炊いてあり、粘りの強い自然薯が絡みます。お、おかわりしちゃったw
12品目。もうひとつの〆。手打ち蕎麦。たでの葉の蕎麦は、シャープで美味しいんだ。
美味しい山の幸をたっぷりいただきお酒も行き渡って、12人のゲストたちが各々賑やかになってきた終盤の店内。店主様は静かにお点前を。
御菓子は芋羊羹。コレも手作りなのでしょう。ストレートに薩摩芋を味わう。
今日も美味しかったです。予約困難店なので、その場で次回の予約を入れるオット。次は早春の山の幸だね。
2021年の年の暮れ。この1年の食を振り返ると、ここ「たでの葉」は出会えてヨカッタお店の一軒です。
<自分のための記録メモ>おまかせコース15000円×2、生ビール700円×2、日本酒7杯8700円+サービス料8%3208円+税10%4330円。47630円のお支払い
★★★☆☆3.86 ■優しい炎を宿した囲炉裏が主役。炭火で丁寧に焼き上げられた、四季折々の自然の恵みを食らう ■予算(夜):¥20,000~¥29,999
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