島津の仙巌園と尚古集成館@鹿児島県/鹿児島市
2020年3月7日(土)
鹿児島へ旅行。行きたいスポットとしての優先順位はけして高くはなかったのだが。(鹿児島さんごめんなさい)
知人に不幸があり香典をお渡ししたところ、お返しがカタログギフト券だったんだ。
その中から選んだのが『鹿児島 霧島ホテルペア宿泊券』。こんな切っ掛けでもなければ我が家は選ばなそうな大型ホテル。せっかくだから霧島温泉に行ってみっか…という動機の旅でございます。
コロナでガラ空きのANA便。空気を運んでいるような状態だわ。ドリンクサービス無し。機内誌は要求しないとくれない。どっかのLCCのような状態だったわ。
飛行時間2時間ほどで鹿児島空港到着。鉄道の駅に足湯って時に遭遇するけど、空港に足湯ってすごいわ鹿児島空港。
レンタカーを40分ほど走らせて、鹿児島市内へ。鹿児島行ったらもれなくここは行っとけ、と言われている仙巌園(せんがん-えん)に行ってみましょう。(仙巌園HP)
仙厳園とは。薩摩藩の鶴丸城とは別に藩主の別邸として江戸初期に建てられた御殿なんだそうな。城が政治機能だとしたら、ここは代々藩主のプライベート空間だったのだろう。
幕末名君28代斉彬が造らせた工場群「尚古集成館」と「庭園」で1000円。殿様のプライベート空間が残っている「御殿」をプラスすると1500円!まーまーします(汗)ついでに300円課金してガイドツアーまでつぎ込んじゃったわっ
世界遺産ハンターを自称するオットなので、世界文化遺産「明治日本の産業革命遺産」の構成資産である「尚古集成館」とその周辺スポットは隈なく見たかったのでしょう。やむなし。
ガイドツアーのスタート時間まで尚古集成館を見学。撮影不可なので画像ないけど。この建物内が機械工場だったのかあ。工場のカホリは今や皆無で、現在、内部は島津家にまつわる博物館になっていました。
丁寧に見たら2時間あっても足りないような展示内容。ワタクシが最大に驚いたのは「島津家は鎌倉幕府の御家人だった」という事なんですケド、スミマセン無知で。てっきり南九州の豪族スタートの家なのだと勝手に思ってたわ。源頼朝に指名されて九州南部の守護になった、って知ってました?その末裔がやがて武家社会をぶっ壊す主力メンバーになるのか、と思うと…
さて、園内のみどころのひとつが「反射炉跡」だと思うの。見たことも無い「反射炉」というものを、オランダ本を解析して建てちゃったというのだから凄いな。現在、その土台と基礎跡だけが残っているだけなのだけど、世界遺産構成資産のひとつです。
この辺りは300円別途支払いのガイドさんに解説いただきながら歩いたのだけど、有料の割にはクオリティ低いガイドさんで。(たまたま当たった人がそうだったのかもしれないけど)頭に叩き込んであるガイド用台本を道程に沿って語るだけの案内。強めの雨の中、案内してくれたのは感謝だけど質問には答えられるスキルは欲しいところ。有料なんだから。
やがて、藩主様の「御殿」の前に来たところで300円ガイド終了。「御殿は人気で混みあう場所です。今日は雨なのと、コロナで外国人観光客がいないのでゆっくり見学できますよ」(ガイドさん)
マイペースでじっくり拝見できるのは超ラッキーなのね。「御殿」は撮影自由なのも嬉しいな。
尚、内部には御殿のガイドさんがおられて付きっきりで案内してくれます。無料で(←ココ大事)
内部は、古い日本家屋を丁寧に保存されています。維持するのが大変だろうなあ。
美しい中庭。池の中に八角形の凹みがあるのが印象的。風水では八角形が最強の縁起物なんだ、とのこと。琉球経由で中国とも貿易していた薩摩だから、風水にも嵌っていたのかしら。
この中庭の意匠とお手入れのコンディションの良さには惹きつけられました。人がいなかったことも僥倖です。
凝った意匠の部屋を巡りながら「釘隠しに注目してください」(ガイドさん)↑なるほど、ね。
桜島大根かな。かわいい^^
金の巾着。お金貯まりそう。コウモリだ。コウモリは中国ではラッキーアイテムだからね。
凝りに凝った欄間のお部屋。見事だわぁ・・・
欄間が見事な部屋ほど高貴な方が使う部屋や賓客用の部屋だね。「謁見の間」。あのニコライ2世もここに招かれたそうだよ。シャンデリアは明治期からここで使われていた現物。「水力発電で電気を供給」ですって。
さて。この「御居間」と呼ばれる書院が、御殿のハイライト。
晴れた日ならば目の前に、ど~んと横たわる桜島と広がる錦江湾が眺められる部屋。雨雲でなーんにも見えないんだけどね(涙)
「29代忠義はこの部屋がお気に入りで、一日のほとんどをここで過ごしていました」(ガイドさん)この丸に十だらけの机に両肘をつけて、目の前の桜島を眺めていたのかもしれないわね。
「今日は空いていてラッキーですよ。どうぞ殿様視線を実感してみてください」(ガイドさん)いつもならこの机周りは写真撮影の順番待ちが激しくて、ゆっくり眺めて・・・なんて不可能らしい。コロナもいい事象を産み出すもんだ。
29代忠義の時には明治廃城令で鶴丸城は無くなっちゃったから、ここ御殿が住まいになったわけで。お風呂もあったよ。お湯を沸かすことはできないスタイル。どっかからお湯を運んで満たしていたらしい。
風呂に隣接して化粧の間。化粧って殿様するのかな。髷を結ったり、お召替えしたりする部屋ってことかな。たぶん、本人は立っているだけで何もしないんだろうね。立ったままの殿に圧迫感を与えないように、だろうか。「この部屋の天井は錯視で高く感じるように工夫されています」(ガイドさん)
「御殿」は島津家のセンスを身近に感じ、併せて江戸-明治期の島津家の威力を濃厚に拝見できるスゴイ場所です。全部など撮影し切れなかったし、拙記事などでは半分も語れていないです。
刺さる刺さらないは人それぞれですけど、スゲーな島津家!ってなるかと。尚古集成館+庭園で1000円なのに、さらに500円上乗せです。ちょっと躊躇いますよね。
でもワタシには「御殿」は想像が膨らむ、印象深いスポットでした。
御殿を出てふたたび園内を散策したわけですけど、ホント広い。ワタシ、全部丁寧に巡ったら5時間か6時間は余裕で滞在できると思う。
ところどころ「西郷どん」ロケ地の案内が掲示されていて、NHK大河を全部観た我が家的にはそんなところも大盛り上がりのポイント。あ~、あのシーンの階段だあ。
曲水の宴の為の「曲水の庭」まで造ったんだね。江戸初期の作庭らしいよ。昭和30年代に発掘されて、こうして修復された姿を見せています。
江戸期はすぐそこが海岸線だったはずだ。でも、仙巌園の裏手はすぐに山。目の前の海を眺め、背後の山を敷地内に取り込む仕掛け。次々と展開して面白い散策だ。
やがて、観光客なら素通りできない魅力を漂わせるショップたちが。薩摩切子に見惚れたわ(買えないw)かるかんの名店明石屋でお買い物。カフェやレストランも充実しているなあ・・・ってあたりでワタシ、やっと気付きました。
こういう県を代表する観光スポットって、たいてい公営。パンフレット見て気付いたわ。仙巌園は、島津家の今も続く末裔の会社組織・島津興業(島津興業HP)が運営してたんだー。だから入場料が高いのね^^;(公営だと税金投入するから入場料は抑えられるよね)
※御殿に「西郷どん」で使われた衣装が展示されていました
1500円分堪能するべく、時間をたっぷり用意して元を取るのがよろしいかもよ。
【つづく:城山ホテルにチェックイン】
2021年 仙巌園 - 行く前に!見どころをチェック - トリップアドバイザー
仙巌園(鹿児島市)に行くならトリップアドバイザーで口コミ(1,282件)、写真(2,009枚)、地図をチェック!仙巌園は鹿児島市で1位(231件中)の観光名所です。
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