然別峡 かんの温泉/温泉編@北海道/鹿追町の国有林の中
【前の記事より続き】
2020年8月28日(金)
北海道鹿追町の山の中、かんの温泉に宿泊。チェックインしたら即温泉へ。ちいさな一軒宿なのに13ヶ所の源泉を持ち(しかも自噴)、浴槽の数は11個。この条件だけでもヨダレが出そうな奇跡の温泉宿です。
後方の宿泊棟から一度外へ出て、木造の温泉棟へ移動。この温泉棟の中には9個の浴槽が収まっています。
「ウヌカル」エリアと「イナンクル」エリア。チェックインから19:30の男女チェンジ時間まで入れる湯は、この2つが男女で日替わり交代になります。ワタクシがチェックインした日の浴室は「女性がイナンクル湯」の日。
アイヌ語で命名された浴槽たちなので、なかなか頭に入って来ない名前 ( -ω- ) 取りあえず図で理解するw
(1)イナンクルアンナーの湯と(2)イナンクルアンノーの湯
画像が無い!ワタクシとしたことが・・・ので、かんの温泉さんの公式HPから頂戴画像です。
・イナンクルアンナーの湯 → 少々しょっぱくて鉄分を感じる味わい。源泉45.9℃だけど、浴槽体感温度は40℃か。熱い湯苦手のムスメには適温と好評。
・イナンクルアンノーの湯→ 泉温52.3℃とある通り、やや熱い。ワタシはお気に入りの温度帯。
以上の2槽が内湯。
(3)春鹿呼の湯と(4)秋鹿鳴の湯
露天風呂が2槽。この日はたまたまコンディションが良くなかったのだろう。右「春鹿呼の湯」は入るのに躊躇う入浴者の汚れ(浴槽で何した?)と虫がたくさん浮いていてパス。左「秋鹿鳴の湯」の水質は問題なくても湯温が低かった。…ので露天風呂は即撤収。循環なし、加温、加水なしのピュア温泉なのでこういう事態も仕方ないね。そんな事情だったから写真を撮らなかったのかもしれない。
日替わりで「イナンクルの日」に当たった場合、宿泊棟内にあるお風呂「イコロボッカの湯」へも入ることができる。(ただし日帰り入浴者は15時までなので注意が必要)
(5)イコロボッカの湯
画像ナイです。 ( ノД`) ワタシのへっぽこな撮影より、かんの温泉さんがグーグルMAP上にアップしてくれた、このストリートビューの方が百万倍理解度が高いわ。
イコロボッカの湯の印象を。ここは旧菅野温泉時代、「クロレラの湯」と命名された名浴槽で、ワタクシお気に入りの湯でした。好きな点のひとつは、浴槽の底面から湯が湧いていること。ポコッポコッと不規則に湧き上がる気泡。湧出し立て、ピュアな源泉にダイレクトに浸かれるわけ。ただし、やや熱いのです。
でも、かんの温泉は加水などはしないんだ。熱交換器が浴槽内に水没していて、管を通る水で温度を下げる、という地道且つ源泉の質を劣化させない方法で温度を下げています。徹底したNO加水の姿勢に感心しました。↑のストリートビューで浴槽内に置かれている巻き取りホースのような形の物体が熱交換器。(画像はかんの温泉公式HPより)
シャワー栓が3ヶ所。うち1つは熱交換器につながれていたので使えない。残り2本は…不調なのか、お湯出ない(汗)いいんです。ここまで整った浴室に変わっただけでも。旧菅野温泉時代に比べたら便利でキレイなお風呂ですもの。尚、お年を召したお母様を伴って入浴に来られた女性がいらしたけど、歩行に心配がある方には気を遣った方がいい浴室かも。段差多めです。
以上が前半入浴のお風呂たち。PM8:00以降は男女チェンジで「ウヌカル」エリアの入浴に。
ウヌカルエリアには5つの浴槽があります。すべて内湯。ワタシ的には断然、ウヌカルエリアの方が気に入りました。
ウヌカルに足を踏み入れると、8つのシャワーブース。(ちゃんとお湯出ました)そして左右に2つの浴槽。
(6)ウヌカルアンナーの湯
壁面の石に赤茶色の鉄成分が付着している通り、うっすら鉄の味。温度適温、床面フラットです。先ほどのイコロボッカで困惑していたおばあちゃん、こっちだったら心配なく入れたことだろう。ウヌカルアンナーは誰でも入りやすい浴槽だと思います。
ウヌカルアンナー分析書。泉温45.9℃。なるほど入りやすいわけだ。熱湯好きのワタシには物足りなかったけど、ムスメはここがお気に召した模様。「頭をカラッポにしてずっと入っていられる」(ムスメ)
(7)ウヌカルアンノーの湯
ウヌカルアンナーと向き合って存在しているのに、鉄っぽさがなく透明。温度もまったく違うウヌカルアンノー。かなり熱い。熱い湯スキーじゃないとはいれないかも(コンディション次第だろうけど)
当然、ワタシはこっち派。熱い湯温が良いだけでなく、浴槽の縁に堆積した温泉成分が見事で。
ウヌカルアンノー分析書。鉄イオンが含まれていないことが分かります。隣り合っているのに泉質、色味が違う湯に入れるわけだ。泉温も56.4℃と高いね。
さらに、奥。階段の先に3つも浴槽が。
改めて、キレイな施設に造り変えたなあ!としみじみ。旧菅野温泉時代のホラー階段は今や昔^^;
(8)波切の湯
階段を降りた先の光景に感激しました。コレ、旧菅野温泉時代の毘沙門の湯のまま、ほぼ原型を留めています。
そうそう!この瓢箪型の浴槽。なつかしい!基本混浴だったと記憶していますが、気に入って繰り返し入った浴槽です。ステキ要素を残しつつ波切の湯として生まれ変わっていました。
源泉が間欠泉のようにどくっどくっ、脈を打つように湧き出る岩の吐露口。これも、記憶が正しければ旧菅野温泉のままだと思う。
旧菅野温泉の遺産が、丁寧に引き継がれているなあ。これなら前経営者の菅野さんも安心しているよね。(オーナーが菅野さんだったので菅野温泉)ワタシは古い友に再会したような気持ちになったわ。この湯も高温なので、現オーナー氏手造りの熱交換器が水中に。熱交換器の周囲がややぬるめになるので入りやすいかと。
降りて来た階段方面を振り返ると、右手にも階段が。その先にも浴槽があります。
(9)コンカニペの湯
この湯も旧菅野時代からの遺産のひとつ。本来は、打たせ湯のように高みから流れ出る湯だったようだけど『台風で源泉が水没したため閉鎖中』とのことでした。
山奥だし、自然相手だし、メンテは大変なんだろうな。ちょろっと触れて湯温を確認。入るには適温の湯が溜まっていました。打たせ湯の機能は望めないけど、ジワジワと源泉が流れ落ちる壁面が鍾乳石のよう。温泉成分が作ったアートです。
(10)シロカニペの湯
メインの波切の湯の奥、スモールサイズの浴槽がシロカニペの湯。ちっちゃい。お子様サイズ。
いや、オトナがちんまり収まってもイイ感じよ。おこもり感が心地よい。壁伝いに滑り降りてくる源泉。舐めるとほんのりオイシクしょっぱい。そんな成分がこの壁アートを作ったんだね。トータルで100年以上の歴史があるかんの温泉です。
日帰り入浴も可能。こんな↓ユルいシステムで、この宿の優しさをじんわり感じました。↓コレ。
温泉棟にはスタッフさんが居ません。自販機で入浴券を買ったら、自分でガラスポットにポイッといれるというシステム。いいですか?誰もチェックしていないんですよ。
温泉タオルの販売、バスタオルのレンタルも然り。タオルを取り出したら、自販機で買ったチケットを引き出しに入れる。性善説に則ったシステムです。だからといって何人たりともズルしてはいけないよ!汚れた心の輩は温泉で心も洗いたまえ。
尚、日帰り入浴ではすべての湯に入ることはできないから、一泊して全湯入るのが理想だと思います。寝る間を惜しんで、深夜に早朝にと繰り返し浸かった幸せな夜でした。
最後に。有料貸切りであり、整備中で入れなかった(11)幾稲鳴滝の湯。画像ナイのでグーグルストリートを貼り付けてこの超長い記事をクローズします。お読みいただいた方ありがとうございました。
【つづく:然別峡 かんの温泉食事編】
然別峡 かんの温泉の設備・アメニティ情報: 総部屋数14室。館内設備: レストラン、ラウンジ、宴会場、大浴場、露天風呂、湯上がりサロン、禁煙ルーム、売店、自動販売機、コインランドリー(有料)。部屋設備・備品: 衛星放送、衛星放送(無料)、インターネット接続(無線LAN形式)、湯沸かしポット、お茶セット、冷蔵庫、ドライヤー、電気スタンド、洗浄機付トイレ、石鹸(液体)、他。然別峡 かんの温泉の宿泊予約は【楽天トラベル】で。
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