あつた蓬莱軒 本店/ひつまぶし&鰻料理@名古屋市/熱田区
2022年6月某日
個性派揃いの名古屋めしの中でも、ひつまぶしは旅人が惹かれる名物の筆頭だと思う。
ひつまぶし発祥店に諸説ある中のひとつ「あつた蓬莱軒」で食べました。美味しかった~。家族3名ともが「記憶に残る1食だった!」と絶賛。「ひつまぶしが美味しい」って、今更すぎで「は?」って話ですね、スミマセン。(あつた蓬莱軒HP)
あつた蓬莱軒 本店。(蓬莱陣屋とも呼ぶらしい)16時30分の夜の部開店前の光景です。時は某日曜日16時15分だったでしょうか。行列できてます。会席料理コース以外は予約不可なので、並ばざるを得ない。『夜の部の受付は16:20頃から開始致します。壁沿いでお待ちください』と掲示が出ています。16時20分から受付開始という情報はHPのどこにも載っていないので、のんびり16時30分に来ていたら、最初の案内組から漏れていたかもしれません。混みそうな日は代表者ひとりだけでも先行して並ぶ等の気合が必要かも。
最後尾は敷地のコーナーを周りこんでいる。これで30名ほどの行列。尚、代表者だけが並んでいる可能性もあるので、見た目の行列よりも人数はいると考えておくべき。うちはオットだけが15時50分から並んでくれたので、余裕で第1グループに入れたわ。(←鬼嫁)
受付を仕切る店員さんから、下足札を兼ねた番号札を受取ったら「〇〇時〇〇分のご案内です」と告げられるので、それまで脇の駐車場ですることもなく立ったまま待ちます。我らは第1グループなので即入店できましたが、40分後や1時間後を告げられた人はどこでどう過ごすか困惑かも。指定時間になるまでその場を離れても良いのですが、熱田神宮以外に行く所がない場所に店はあります。
蓬莱軒本店の建物は格式感じる日本家屋で、老舗感あります。他に2店舗あるのですが、同じ値段なら本店一択の我が家。オットに並ばせる&早い時間の夕食でもやむなし、の作戦は正解であったな。(尚、オットが並んでいる間ワタシとムスメはのんびり熱田神宮参拝だw)
16時30分組のお名前が呼ばれました。あつた蓬莱軒本店、夜の部オープンです。ここまでのオペレーションが相当こなれているし、玄関に入る→テーブルに案内→料理のオーダーまでの流れが完成されている。
蓬莱軒さん、練りに練ったマニュアル構築です。大量の客がやって来ているのに、客のひとりとしてストレスを感じなかったわ。
案内されたのはテーブル席が並ぶ和室。
世はコロナですが、隣テーブルとの距離に違和感なかったし、重厚なパーテーションも。家族だから不要です、と申し上げるとパーテーションは外してくださいました。
正面に見えるお庭も美しい。枝垂れ桜の樹だね。4月のこの部屋は更に特等席でしょう。様々な設えの部屋があるので、どの部屋に案内されるかは運次第。
さて料理。ひつまぶし以外の鰻料理も食べたいのだ。骨せんべい(300円)肝ポン酢(600円)うざく(500円)を先行してお願いしまーす。
骨せんべいはまーまーかな。揚げ立てではない。でも税込300円という優しい価格設定。ボリボリ・・・
うざく。尖っていない酢、酸味を中和する鰻のタレの甘さ。バランス良くておいしくて500円(税込)ですよ。すごいな、蓬莱軒と思った瞬間です。
鰻肝ポンなる品を頼んでみた。うなぎ肝がぷっくり。そして高品質。冷えた器から肝を取ってポン酢で。うわ~、ウマい。ポン酢も出汁がちゃんとしている。あしらいのツマ(南瓜、ずいき)のクオリティだって600円(税込)とは思えない。金箔乗ってるよ?名古屋っぽい演出かしら。
う巻き990円(税込)も絶対たべたいよね。何のリクエストもしていないのに、3等分して小皿に分けてサーブしてくれました。配慮が行届いた接客です。これがひとり分。
ほんのり温かく、ふわふわ~。過去のどこのう巻きより甘さ強め。でも美味いよ。鰻と玉子焼き部分の一体感がイマイチで分離しちゃう店って時に遭遇するのだけど、当店ではそんなことは無い。生ビールは無くて、瓶ビールのみ。(大瓶900円税込)
オーダーをお願いして10数分で着膳。はやっ。鰻屋は座ってからの待ち時間が長い、が鰻屋さんあるあるですが、この時の蓬莱軒は早かった。オペレーションが練りに練られているからかしら。来店客数を睨みながらバンバン焼き上げている厨房の様子を妄想中。
炙った香り、脂のノリと脂の抜け具合、タレの塩梅。うは、最高おいしい。(語彙力w)アレ?と思ったのは、しゃもじを入刀した時に「サクッ」という手応えがあったこと。表面がサックサクに焼き上がっている。口中と舌にその食感がオイシーイ。
お櫃を、文字通り埋め尽くす鰻は1尾以上入っていると思われ。お吸い物が付きますが、250円のプラス料金で肝吸いにアップグレードできます。てか、同室のロコたちがそうオーダーしていたのを聞き逃さないワタクシである。なるほど。ロコは経験値が違う。HPのメニューにも記載されていない裏技でござるな。
お櫃に十字に杓文字を入れて4等分。(1)まずはそのまま(2)薬味ONで(3)出汁茶を注いで(4)3つのうちお気に入りの食べ方で…が望ましいひつまぶしの食べ方。ワタクシは山葵+青葱だけのストレートがお気に召したわ。サックサクが失われるのが惜しくて、出汁茶の多用ができなかった。刻み海苔、山葵、青葱の薬味、出汁茶は無料で追加してくれます。うれしいね。
あつた蓬莱軒がひつまぶしの元祖なのかどうかはもはや検証できませんが、今や日本中の鰻店で「鰻のひつまぶし」は提供されています。ワタクシひつまぶしを熱く語れるほどの回数は食べていませんが、今回遭遇したあつた蓬莱軒本店のひつまぶしはワタクシ史上過去イチだ!という感想です。
会計伝票を見てオットが言います。「こにゃくう、見てみろよー。3人で、この満足度で19410円」ほんと!味の満足度高いし明朗会計だ。個々のメニューも高くない。サービス料も取らないんだね!(会席料理は10%掛かる)
ワタクシ、過去に蓬莱軒松坂屋名古屋店で食べています。その時もオイシイとは思ったけど、今回はその記憶が上書きされるほど別物の美味さだったのはどういうことだろう。「実は俺も松坂屋店で食ったことある。今日の方がうまい」(オット)夫婦で味の記憶がイカレているのですかね?
店構えの威容に見合った味のクオリティ。名店とはこういうことか。「また来たいな」というワタクシ。「うん。でも、もう少しマシな日本酒を置いていてくれたらな~」(オット)良店の基準が日本酒にあるキミはぶれないのう(笑)
<追記>
2022年7月1日からの、ひつまぶしはじめ鰻料理の値上がり告知が店先に掲示されていました。
6月はギリギリ値上げ前だったということか。ひつまぶし3990円が4400円へ。それでも蓬莱軒本店には惹かれるな。
★★★☆☆3.78 ■明治6年創業の老舗。140年以上守り続ける伝統の味「ひつまぶし」を、風情溢れる和空間で堪能 ■予算(夜):¥5,000~¥5,999
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