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京都

俵屋旅館/朝食と宿泊雑感@京都市/中京区麩屋町姉小路上ル

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前の記事より続き】
2022年7月16日(土)
京都の老舗旅館「俵屋」の朝食です。
俵屋旅館/朝食と宿泊雑感@京都市/中京区麩屋町姉小路上ル
翠の間の卓上に並べられた品々。焼魚は「ぐじ(甘鯛)」「鮭」「鯵とはたはた」の3択の中から選びました。なお、洋食を選ぶことも可能。(チェックイン時に伺ってくれる)

俵屋旅館/朝食と宿泊雑感@京都市/中京区麩屋町姉小路上ル
我ら夫婦の場合、選択の優先権はワタシにあるので躊躇なく「ワタシ甘鯛!」と高らかに宣言したよ。をを。大ぶりなぐじの干物だこと。

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「じゃ、オレ鯵とはたはたで」すまんな、オットよ。オットもぐじを食べたかっただろう。ちゃんと一部を取り替えっこしてお互い両方を食べましたよ。

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干物に添えられた、瓢亭玉子のようなとろとろ半熟がおいしそう。レモンの横は茗荷(かな?)紫蘇巻き。お膳の他のメンバーはもずく酢。白菜おひたし、ちりめん山椒。

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香の物(柴漬け・昆布佃煮・きゃべつ胡瓜人参塩もみ)京都らしい朝ごはんのお供が充実してます。

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お味噌汁。干物のクオリティ同様、食材選びに手を掛けていると思います。具材の蜆がなかなか見ない大振りサイズだったから。刻み山椒葉をONするというセンスも見逃せないわ。

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白米が今朝も旨い!米選びも炊き方もプロの味。昨日の夕食時もそう感じたのだけど、夜は満腹で1膳しか食べられなかったのが心残りだったんだ。今朝は、お櫃を空にしてやったわ。 客室係さんもびっくりしてたわよw(ほぼワタシひとりで食べ切った^^)

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朝食の主役は湯豆腐ね。ステキな湯豆腐桶です。代々続く京指物さんがあるのが京都だから、そういった職人さんの作品かもしれない。(有名な店では、たる源さんとか)

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お豆腐は平野とうふ。湯波半の湯葉、椎茸とみぶ菜。とろとろと安定した保温がつづくのは、熱源が熾した炭だから。円形の銅壺に炭を入れれば、桶だけでなく隣の汁次も温まる仕組み。

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急な温度変化をする固形燃料や電熱とはまったく違う仕上がりの湯豆腐だ。汁次からお出汁を注いでいただきまーす。湯豆腐には朝ビーだね。

俵屋旅館/朝食と宿泊雑感@京都市/中京区麩屋町姉小路上ル
薬味4種。

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尚、使われている豆腐のはこちら平野とうふの品。俵屋旅館のほぼ向かいに立地してます。俵屋さんだけでなく、界隈の料理屋さんや老舗旅館も毎日買いに来る有名とうふ店です。

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AM10:30の平野さんの様子。AM9:30営業開始なのだけど、行列ができてはった。地元の人だけでなく観光客も集結よ。(平野とうふ食べログ

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平野とうふ開店前に厨房の若手が買いに行くのだろうな。朝イチ出来立て!の平野とうふを食べられる朝食は幸せだ。ごちそうさまでした。

<ここから個人的なファミリーヒストリー的ムダ話が始まります。どうぞスルーしてください>
さて、俵屋の歴史。ワタクシ、別カテゴリーで己の先祖の足跡探しをしているのだが、近年俵屋wikiで気になる記述を見つけていた。
俵屋旅館/朝食と宿泊雑感@京都市/中京区麩屋町姉小路上ル
島根県浜田市にあった呉服問屋が京都市内に支店を出し、本業の傍ら藩士たちに宿を提供するうちに、そちらのほうが本業となる』俵屋旅館ウィキペディア
え…wiki先生、『藩士』って浜田藩士のことなの?俵屋創業が1704年だというから、その時の浜田藩主だとしたらワタシの先祖が仕えていた松井松平家なんだが。

1704年以降、浜田藩は3家の大名が藩主をしている。松井松平家-本多家-松井松平家(2回目)-松平越智家。『本業の傍ら藩士たちに宿を提供』していたのはどの藩主時代の話なのだろう。ワタシの先祖の嶋崎梅五郎は、大阪蔵屋敷社員として浜田と大阪と京都の3地点を仕事で往還していた浜田藩経理担当者です。(過去記事
もうね、ネットを漁っても島根の果ての藩と名旅館俵屋の繋がりをwiki以上に詳しく書いているサイトなど皆無で(笑)
これは、いつか俵屋に泊まる日が来たら、宿の人に訊くしか術はないと思っていました。そして今回の宿泊。お部屋担当さんに「浜田の藩士を泊めていたそうですが、どの殿様の時代のことで?」などと喰い気味で訊くワタクシ。彼女はそこまでは知る由もなく(あたり前)

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「この本の前の方に少しは詳しい話が載っています」と速攻でアドバイスをくれる客室担当さんはさすが腕がいい。それが、客室に置かれていたこの本です。

・石見国浜田(現島根県浜田市)の木綿問屋、俵屋和助が現在の地を得たのが1709年。
・元来の生業は太物(木綿)問屋だったが『二代目からは本業の傍らで故郷から京に上がって来た人々を泊めるようになり、次第に宿を本業にするようになった』(記述要約)

二代目からか。一代が約30年務めると仮定したら1740年代だろうか。嶋崎梅五郎の大阪勤務は1819年-1831年なので浜田藩士専属宿になって80年も後と分かりました。1800年代には俵屋はすでに高級宿に育っていたかもしれないね。大阪京都方面担当の浜田藩士だったといえども、梅五郎さんが泊まれた立場か否かは不明です。
…もしかしてワタシのように梅五郎さんも「儂も上役さんたちが京都で泊まる俵屋に泊まりたーい」って言っていたかも(妄想中)

以上、自分のための記録メモでした。ちゃんちゃん。
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いつかは、と願っていた俵屋旅館「翠の間」。古い躯体の木造とは思えないほど他室の物音なく、静かでした。ワタシとオットと客室担当さんしかいない宿に泊まっているような錯覚も。そして宿主人の姿は見えなくても美しい設えのセンスから、はっきりしたメッセージが伝わるのでした。ここまで美意識が徹底できている宿はそう多くは無いと思う。

俵屋旅館/朝食と宿泊雑感@京都市/中京区麩屋町姉小路上ル
食事。朝早くからきっちり良い品を提供してくれる朝食はよかったな。朝食でも手は抜かない。夕食の方は、良い意味でトラディショナルだけど大満足にはならず。80点かな。相当いろんな美食をしてきた人が泊まるだろうから、宿側も大変だろうな。何よりもビバレッジメニューの再考を願いたいわ。現状のラインナップのままだとオットは再訪無しの心情だろう。

俵屋旅館/朝食と宿泊雑感@京都市/中京区麩屋町姉小路上ル
サービス、接客。きちんとしたトップレベル宿の接客です。が、別格とは感じませんでした。(浜田についての情報提供の素早さはさすがの対応でした)海外や日本の外資系ラグジュアリーホテルに泊まり慣れている人だと「あれ?」ってなる場面がありそう。オペレーション大丈夫?マニュアルってあるよね?と感じる事も。チェックイン&アウトが重なると手が足りないか?ある局面でオットがキレそうになるのを、ワタシのためにグッと堪えていたのが痛々しかったゾ。ワタシとしても他の宿だったらキレてたなw まあ、そんなことも。

俵屋旅館/朝食と宿泊雑感@京都市/中京区麩屋町姉小路上ル
人生の記憶に残る1泊でした。ワタシの心境としては、もちろん俵屋再訪はやぶさかではない。「でも」と思う。京都が好きでこれまであちこちに行って、食べて、泊まってきた。ここ俵屋以上の京都の秘境は、ワタシにはもう残っていないかも。ひとつの峰を極めた気分。オットよ、しばらく京都は満腹かもよ。

<お会計>
翠の間2名1泊2食 75900円×2、冷酒1518円×1、中瓶ビール885円×4、京都市宿泊税1000円×2=158858円のお支払い。
宿泊料75900円という半端な数字を考察した。サービス料20%11500円、税10%6900円だとするとぴったりの数字が出る。そうすると…そもそもの宿泊料は57500円(ひとり)となり、内容を考えてけして高額すぎる宿ではないと私は感じました。
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