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北陸のうまいもん

鮨し人(すしじん)/大将は寿司の魔術師@富山県/富山市

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2022年10月某日
富山市民が羨ましいぞ。だって、頻繁にこの店で食べることが可能だから。食後にそういう感想を持った店。
鮨し人(すしじん)/@富山県/富山市
鮨し人。(食べログ)オットがどこぞから聞きつけて、予約してくれた寿司屋さんです。富山駅前からタクシー利用が最適なアクセス方法かと。市電、バス利用だと少し歩きます。

鮨し人(すしじん)/@富山県/富山市
つまり、観光客が徘徊するエリアからは離れた場所にある。ミシュランの赤いステッカーが貼られていなかったら、フツウの町場の寿司屋さんと思うわね。

鮨し人(すしじん)/@富山県/富山市
カウンター11席満席。たぶん、ほぼ非富山市民だと思われ。この店の評判に惹きつけられてやってきた人々のようです。自分らもそうだけど。

鮨し人(すしじん)/@富山県/富山市
後方にお座敷席があったわ。後述しますが、大将のトークが興味深いので多くの人が望むのはカウンター席の方かな。

鮨し人(すしじん)/@富山県/富山市
ディナータイムは18時の一斉開始スタイル。マスターズドリームをいただいていたら、最初に茶碗蒸しが供されました。

鮨し人(すしじん)/@富山県/富山市
変わってる~。具無し。梅の餡が上面に浮かぶのみ。「そもそもの茶碗蒸しは具無し。冷ましていただくものでした。攪拌して飲んでも。」(大将)スプーンで掬って食べすすめると強めの酸味で目が覚め、疲れがとれるようだ。

鮨し人(すしじん)/@富山県/富山市
つまみ2品目。鯵おつくり。富山湾産。5日以上も(!)寝かせてから富山の醤油と葱&生姜で和えた。

鮨し人(すしじん)/@富山県/富山市
むっちり食感の鯵。捌いて寝かして和えてこの厚み。魚体の大きさが偲ばれます。

鮨し人(すしじん)/@富山県/富山市
尚、ワタクシとオットの席は大将真正面というスペシャルポジション。大将の仕事っぷりがまるっと見える。鮮やかな所作はエンターテイメントを拝見しているよう。

鮨し人(すしじん)/@富山県/富山市
オットのことだから、予約電話を早々にしていたのだと思う。故にこの席をいただけたのかなぁ。(勝手な想像です)横に長いL字カウンター。座る席で印象と感想がすこしずつ違ってくる気がします。大将から遠い席だったら、疎外感があったかもと思う。

鮨し人(すしじん)/@富山県/富山市握り1貫目。白えび昆布〆。富山湾の宝石、白えびが最初に登場。

鮨し人(すしじん)/@富山県/富山市
握り2貫目。ぼたん海老しゃぶしゃぶ。サッと湯引きしているという意味かなあ。富山湾産ぼたん海老の身は丁寧に広げられ、赤酢のしゃりとピタッとひとつになって口中で旨味を振りまく。

鮨し人(すしじん)/@富山県/富山市
生ビール終了、ここで日本酒でしょっ。事前情報で富山の桝田酒造の満寿泉しか置いていないことは承知。我ら以外のお客は全員、満寿泉ペアリングを頼んでいたと思う。我らは、自分の飲む酒は自分で決めたい人なので単品で満寿泉を頼んでいきます。まずは純米萬寿泉。

鮨し人(すしじん)/@富山県/富山市
この提供量は正しくてイイですね。満寿泉がキライなわけではないの。自分で考えて選んだ酒を飲みたいの。鮨し人さんでは日本酒ペアリング以外の対応もしていただけますよ。(メニュー表は無いようで、在庫ラインナップを口頭で言ってもらった)

鮨し人(すしじん)/@富山県/富山市
おつまみ3品目。2種の魚のミルフィーユ。上が宮城県塩竃産の鮪(中トロ)下がフクラギ。出世魚・鰤の途中を富山ではフクラギ(福来魚)って言うそうで。関東で言ったらイナダかなぁ?

鮨し人(すしじん)/@富山県/富山市
両方とも、すりおろし玉ねぎ入りの醤油にて漬けに。山葵をちょこっと乗せて。むっちり食感が楽しい。「富山の正月は焼きフクラギを雑煮に入れます」(大将)福が来る魚か。お正月の縁起物なのね。

鮨し人(すしじん)/@富山県/富山市
おつまみ4品目。紅ずわい蟹・雲丹・いくら重ね寿司。富山では9月に紅ずわい蟹解禁になりました。12月までが漁のシーズン。

鮨し人(すしじん)/@富山県/富山市
「混ぜて召し上がって」という大将。いや、もったいなくてソレ無理。雲丹といくらを潰さないように細心の注意を払って混ぜ混ぜ。混ぜると、少量であっても具のバランスが良いのだと気付きました。

鮨し人(すしじん)/@富山県/富山市
握り3貫目。紅ずわい蟹の足。「子供の頃は路上で売ってたのですが。」(大将)蟹を捌く作業はお弟子さんたちのお仕事でしょうか。完璧に美しく殻を外せていて感動です。他の蟹に比べ格下扱いにされがちな紅ずわいですが、鮮度が良くて高品質ならば甘味があってこんなに旨いのか!と開眼です。現地で食べる意味はここにアリ。

鮨し人(すしじん)/@富山県/富山市
つまみ5品目。甘鯛炭火焼。「水分が多いのでまず昆布で〆て旨味を入れてから炭火焼」(大将)口直しのきゅうりは塩昆布漬けです。他県民に比べると、富山の人たちって昆布使いが遺伝子レベルで巧みだと思うんだ。

鮨し人(すしじん)/@富山県/富山市
「旨味を入れた」の大将のお言葉がよーく分かる。美味いよ。いや、旨い。焼いたぐじの脂と旨味のコンボは最強。

鮨し人(すしじん)/@富山県/富山市
握り4貫目。富山湾産あおり烏賊。マイナス50度で一晩置き、繊維を壊す→さらに一週間水抜き→烏賊の硬い表面がトロのようになる…と仰る大将。烏賊を握って出すだけの寿司とはそこが違うのね。さらに、細かい包丁が表面に入れてあるのでいっそうソフト。口蓋に旨味が纏わりつきます。

鮨し人(すしじん)/@富山県/富山市
さて。富山の寿司といえば鱒寿し。5種目の寿司は鮨し人特製の鱒寿司です。「自分で鱒寿しを作るつもりはなかったのですが、富山で100年つづく鱒寿しの千歳さんがコロナで商売止めよかなと仰るものですから…」そこから鮨し人特製の鱒寿し企画が始まった、とのこと。

鮨し人(すしじん)/@富山県/富山市
販売者:(株)鮓し人、製造者:(株)千歳の桜鱒の押鮨。鮨し人で買えるらしいよ。今や富山県神通川で桜鱒は獲れない。北海道産桜鱒、海にいるヤマメを使用しています。

鮨し人(すしじん)/@富山県/富山市
富山の鱒寿しと言えば輸入サーモントラウト使用が一般的な中、海の小型魚を捕食した桜鱒使用。酢、特注。米、奥様のご実家コシヒカリ。塩、能登半島珠洲産…と、こだわりが徹底的です。

鮨し人(すしじん)/@富山県/富山市
ワタシの富山生まれの友人が贔屓にしている鱒寿し屋が「千歳」です。過去にいただいて「首都圏で簡単に買える鱒寿しとは味が違う」と衝撃を受けたのが千歳製でした。ワタシ調べでは、富山には約30社の鱒寿し屋があって、各家庭ごとに贔屓のお店があるらしい。富山人は鱒寿司を食べる頻度が高いんだ、と友人言ってたな。

鮨し人(すしじん)/@富山県/富山市
入刀前にゲストにお披露目タイム。

鮨し人(すしじん)/@富山県/富山市
切り分けたら、ひとり分はこの量。試食サイズですねw「完成まで約1年かけました。これで6千円は安いと思う」(大将)ワタシは、安い!とは言えないけど、鮓し人で接待とかならお帰りのおみやにちょうどいいかも。常温で10日間保存可(冷蔵庫に入れてはいけない)

鮨し人(すしじん)/@富山県/富山市
鱒寿司もうちょっと食べたかったな~、の気持ちを引きずって満寿泉 純米吟醸 リミテッドエディション 山田錦。

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つまみ6品目。アラとのどぐろのしゃぶしゃぶ仕立て+九条葱。適度に脂を落とし、加熱されたことで旨味も脂も変化している。おろしポン酢仕立てでサッパリ要素が加わってますね。添えた九条葱が主役なんですって。

鮨し人(すしじん)/@富山県/富山市
つまみ7品目。冷たい焼き魚。真っ黒のコレは鮪の大トロ。稲藁で低温で1時間焼く→急速冷却→一晩寝かせた、と。またまた手の込んだ下ごしらえですね。

鮨し人(すしじん)/@富山県/富山市
黒い砂?みたいなのは焼いた際の藁を混ぜた塩なんです。大トロは燻製のようにスモーキー。大トロをしっかり噛み締めるってなかなか無い経験。

鮨し人(すしじん)/@富山県/富山市
にぎり6貫目。宮城県塩竃産大とろ。マイナス1度の冷蔵庫から出したのに脂が溶け出している。「融点が低い証です」と大将。大将はネタの温度管理を大事にしているようだ。

鮨し人(すしじん)/@富山県/富山市
握り7貫目。もみじ鯛 昆布〆。春の鯛は桜鯛。秋に脂がのってきたら紅葉鯛。

鮨し人(すしじん)/@富山県/富山市
つまみ8品目。のど黒オスのねぎま串焼。のどぐろって雄と雌で味わいが異なるんですって。つまみ6品目に提供されたしゃぶしゃぶ仕立てのどぐろはメス。より脂がのっているというオスは焼かれてやってきました。

鮨し人(すしじん)/@富山県/富山市
脂は滴るようで、でも肉質しっかりで噛み応えあり。目を瞑って食べたら、脂の味が濃厚である上に焼葱に引っ張られて、アホなワタシなどは焼鳥だと思うかもしれないよ。美味しかったなぁぁぁ…

鮨し人(すしじん)/@富山県/富山市
おしまい近くでお椀かな?とノーガードで口にしたら、驚愕旨い液体だった。「昨日と今日の魚全部を午前中から煮出した汁」(大将)塩も醤油も味噌も、一切の調味料を入れていないのに濃厚な椀汁になっている。こんな液体は人生で口にしたことがないデス。魚のエスプレッソと大将は言った。鍋ごと飲みたい。かぶす汁という氷見の漁師めし。

鮨し人(すしじん)/@富山県/富山市
握り8品目。穴子にぎり。ボリュームあってホワホワの穴子。

鮨し人(すしじん)/@富山県/富山市最後に最中アイス(塩バニラ)。フツーの最中アイスと違う。最中皮がパリッパリ。香ばしさは、さっき焼いたんですか?って感じです。出色なのはお茶。何だコレ。お茶のエキスの抽出液のようなとろみと甘みと香り。最後の最後まで驚かされました。

鮨し人(すしじん)/@富山県/富山市
このクオリティ且つ手間を掛けた寿司ネタを使ってディナーコース16500円(税込)首都圏人には最高コスパ。酒が満寿泉だけ、というのは大将の哲学なのか?そこはアレだな、と思う。美味しい日本酒に恵まれた富山なので、他の酒でも食べてみたいのに。とはいえ、富山で寿司…と考えた時にこの店も候補に考えてみて。面白い1食になると思う。

鮨し人(すしじん)/@富山県/富山市
蛇足。富山駅前のホテルに帰るにあたって、マストでタクシーを呼んでいただくことになる。にわかには信じがたいのだけど「富山に流しのタクシー営業は無い」とのこと。え??そんな県庁所在地が日本にあるの?「富山はタクシー代が高い。流しが無いシステムだから。迎車を呼ぶしかないので迎車料金が加算されます」…知らない土地って食は当然、生活習慣もおもしろい。ごちそうさま。
<お支払金額2人で約49000円。コース16500円×2、生ビール×2、日本酒たぶん1合×8くらい?内訳の提示なし>

鮨人 (富山市) の口コミ52件 - トリップアドバイザー

鮨人(富山市)に行くならトリップアドバイザーで口コミ、地図や写真を事前にチェック!鮨人は富山市で30位(2,868件中)、4点の評価を受けています。

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2 Comments

There are no comments yet.
おお~

ふわり  

2022-10-25 09:48

こにゃくうさんが「とやま方舟」をアップしていらしたころだったか、ランチで行きました。当時はランチに5,500円は高いと思っていました。価格にまだまだドキドキしていて、日本酒を飲むにもおっかなびっくりで。いや、今もお店によってはつい飲み控えますが(笑
いくらのちらし寿司をポリのボウルで混ぜていたのがとても残念だったのを強烈に覚えています。ときどきそういう細かいところに目がいって、興醒めるんですよね・・・あれがスタートだったので、少し味わい損ねたかも。
大将は東京のあちこちのお店へ出張してこられていますね。でもやっぱり富山でいただく方が美味しいのかなぁ。

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こにゃくう
To ふわりさん

こにゃくう  

2022-10-26 14:23

やっだ~(笑)ふわりさんの鮨し人記事に、私ったらコメント入れてるじゃんw
記事を再読し、あ~ぁ、このお話は鮨し人のことだったのね、と今更ガッテンです。
謎のポリボールは…記憶では現れなかった気がするわ。
例え現れていても、私では気付けないと思われます^^;(おおざっぱな性格w)

あの価格であの手間とクオリティと感心したのですが、銀座でコラボよりも(銀座はっこくでとか)富山で食べたいな。旅情が美味しさUPに繋がるのかしら。

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