平湯大滝とカミオカンデ/奥飛騨温泉郷へ行きます@岐阜県/高山市
2020年10月25日(日)
秋の奥飛騨温泉と上高地の旅。
特急あずさ号で松本に来ました。
あずさ3号ってエライんですよ。我らの千葉くんだりから遥か、長野の松本駅まで直通で運んでくれるんです。途中の車窓。バーンと広がる甲府盆地の向こうに雪が積もった秩父連峰。
山梨サイドから見る富士山が新鮮。いつもは東海道新幹線での静岡側からばかり見ているのだもの。
かっこいい山が次々登場する沿線の風景。乗り鉄さんの気持ちがちょっと分かる~。たのし!甲斐駒ヶ岳だって。
もうすぐ小淵沢駅。この山は?「八ヶ岳だよ。左の大きいのは編笠岳。真ん中に権現岳で…」(オット)ふーん。聞いても即忘れるんだけどね。
そんな約4時間乗車で松本駅到着。千葉県民が長野方面に行くには便利な特急あずさ3号だ。
松本駅前からはレンタカー。国道158をひたすら西へ。今日は奥飛騨温泉泊。明日からは上高地が目的地だよ。
ぐいぐい山の中。長野県と岐阜県を結ぶ安房トンネル辺りまで来ると、紅葉が進んでいて山の色がイイ感じ。
で、安房トンネルを出て岐阜県側に進入したら紅葉+山に雪だった。気温もイッキに初冬の気配です。
宿のチェックインまで時間があるから平湯大滝に寄って行こ!駐車場の楓が紅葉中。だけど背後の山は雪で白い。10月の奥飛騨は秋と冬が混在です。
駐車場から滝までは緩い登り坂を10分少々、まーまー歩きます。遊歩道に入ったらその先にどど~んと滝が見えた。あれが平湯大滝なんだね。(子供の頃、家族旅行で来ているのだけど記憶が無いw)
森の中の遊歩道を進めば、さらに滝に近づけます。真っ直ぐ落ちる落差64m。ストレートで勢いあるわぁ。
紅葉がもっと進んだら超映える滝の景色になるかもね。
水量が多い滝だと思う。轟音、爆音が響き渡る。でも冬季になるとこの水量豊富な滝が凍結して氷の柱になるというの。どんだけ寒くなるんだ。
チェックインまでまだあるなー。新穂高ロープウェイ行くか、と企むものの「乗車まで90分待ち」の激混み事態で断念。「じゃ、気になっている所があるからちょっと付き合って」とオット。
紅葉と観光道路の岐阜とはちょっと雰囲気がチガウ道へ入り込んできたよ。事業関係の車両としか出会わない山の中にグイグイ入って行きます。
ナニコレ!変な色の水が溜まっているね。山間にある湖は美しいと決まっているのに、生物反応が無くて不気味だよ。自然でこんな沼みたいなの出来ないよね?「ナニコレナニコレ」と、うるさいワタシ。
ナビを確認。「廃滓堆積場」はいこう‐たいせきじょう、って読むらしい。「この辺り一帯は2001年まで稼働していた神岡鉱山。もう採掘はしていないんだけど。」とオット。神岡鉱山の起源は奈良時代なんだって。すごい歴史だな。
ワタクシ大好物の廃墟か。使われなくなった建物かな。取り壊されずとも封鎖された状態で道路脇に建ち続けています。ここまで来ると通過する車は我らだけ。
「神岡鉱山、って名前で分かる?」(オット)鉱山の役割が終わったこの山、論理物理学の最先端装置カミオカンデに利用された、って。あ~、カミオカンデって神岡だから!(ダジャレか)てか、アレってここにあるんか~。こんな廃鉱山に宇宙素粒子の巨大観測装置が…
巨大なブキミ沼を過ぎて調子よく登ってきたものの、あっけなく行き止まり。ま、当然ですね。緩くしていたら廃墟好きが寄って来ちゃいますもの。(←自分)
堅牢なゲート脇に、廃墟になった立派な構築物。往年は何だったのだろう。
オットが幼児期を過ごした群馬県の小串鉱山(過去記事)のように、神岡鉱山にもたくさんの従業員がいて、作業施設があったのだろうな。この奥に廃墟になって眠っているのかも。
そーいう廃鉱山のどこか、1000mの地下深くに最先端の観測装置が稼働している、って状況が飲み込めないんだが。亡くなった小柴博士は天才!ということでいっか。
カミオカンデはもう役目を終えて解体されていて、今の神岡鉱山内にはKAGURAっちゅーのがおるらしい。「重力波観測装置」って理解不能なカグラ様。第3世代のハイパーカミオカンデの建設予定も、だって。物理が大不得意科目だったワタシ、ノーベル物理学賞級の発想がまったく理解できないんですけど。
閉じた鉱山が宇宙の成り立ちを解明するステージになっている、ってことだけは「なんだが凄いことだな」と小学生並の感想で下山です。
帰路もブキミな沼脇を嫌でも通る。この廃滓堆積場。神岡鉱山の負の置き土産とも言えるダムでした。鉱山作業工程で発生した滓(おり)つまり有毒物質を沈殿させて水分と固形物に分ける池。えぇ…これっていつか無くなる日が来るの?無理だろー。以前行った岩手県松尾鉱山(過去記事)でも抗排水を24時間、年に5億円かけて中和作業をし続けていたっけ。終わりの見えないエンドレス作業。恐ろしい。
また、神岡鉱山の山向こうはすぐに富山。そして神通川が。「昭和高度成長期の公害病のイタイイタイ病。原因は神岡鉱山の未処理排水だった」とオット。4大公害病って教科書で学んだだけだった。そんな話を聞くと、この沼の負のオーラと相まってしんみりです。
山間には処理に困る人工ダムが広がっているのに、木々は綺麗な色を付けだしていて。何とも複雑な気分になる神岡でした。
気持ちを切り替えて。今夜の宿、野の花山荘にチェックイン。
【つづく:野の花山荘/客室と施設編】
<今日のドライブコース:松本駅→平湯大滝→神尾鉱山→野の花山荘>
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