上高地帝国ホテルあずさ庵/和食ディナー編@長野県/安曇上高地
【前の記事より続き】
2020年10月26日(日)
オットと上高地帝国ホテル。夕食は和食処あずさ庵に予約を入れてある。(チェックイン時に夕食をどうするかの再確認あり)
夕食をいただけるレストランは3ヶ所。日本料理のあずさ庵、フレンチのメインダイニング、カジュアルレストランのアルペンローゼ。(上高地は隔絶された山の中なので、各宿以外での夕食は不可能)
客室料金はルームチャージだけなので、夕食・朝食は別料金よ。フレンチのメインダイニングが1番人気。混雑日は早めに押さえた方がいい。事前予約を受けてくれるので旅行前に電話予約する等の準備要。
上高地帝国ホテルに来たらフレンチを選ぶ人がほとんどなのだと思う。我らは日本酒バカ夫婦なので迷わずあずさ庵。朝食にあずさ庵チョイスって人は多いとしても、連泊者以外では帝国ホテルディナーに和食を選ぶ人は少数派でしょう。
「あずさ懐石」をお願いしました。結論から先に申し上げると、あずさ懐石コース良かったです。大方の宿泊客がフレンチに集結する中、あずさ庵は静かなダイニングルーム。お客様も4組ほどで皆さんゆったり召し上がっている。スタッフさんも余裕があるのかサーブのテンポがよく、丁寧です。フレンチの方も丁寧なサービスだと思いますが。
懐石コース2種、しゃぶしゃぶコースの他、鉄板焼きコーナーも。(画像は上高地帝国ホテルHPから頂戴しました)
ちな、鉄板焼きのメニューはこんなん。
我らがいただいたコースはトラディショナルな懐石料理でしたが、納得のレベルでした。出汁、素材、見せ方、器。どれも帝国ホテルクオリティで「チョイスは正解だったね」となったあずさ庵の夜。
ただひとつ。ダイニングルームのデザインがそこらの和食屋か蕎麦屋のようでトキメキが無い。魅力ある店内デザインにテコ入れされてはどうかしら?「和食ディナーも気になる~」と選択に迷う方が宿泊者はシアワセだと思うし、厨房陣のテクニックは高いレベルなのだから。
では、あずさ懐石18000円。(税込/サ別)いただいた料理たちを。
食前酒に梅酒。縁高折敷に盛り込まれた前菜からスタートです。
柿なます。流石です。小さなポーションなのに出汁がきいている。なますは時に暴力的に酸っぱい品に出会うけど、酢の塩梅に品がある。
スモークサーモン、いくら、スナップエンドウ、甲州焼き。
「甲州焼き」って初知りなんですけど。味噌味の鶏ひき肉とレーズンと芥子の実。これワタクシの大好物、松風やん?甲州では鶏松風に似た料理をそう呼ぶのかしら。加工品のように味が濃いけど。旨かったわ。
厚焼き、車海老炊き、栗甘露煮、鰻八幡巻き。ここにもワイの大好物が組込まれていて嬉しい。鰻と牛蒡を合わせることを考えた京都八幡村の誰かさん、天才だわ。
あずさ庵は信頼して大丈夫と思えた前菜でスタートです。じゃ、日本酒いきましょーか。ドリンクメニューはこんな。
銘柄のチョイス&価格ともにツボじゃない。ホテルなんだからそうだよね。亀田屋酒造アルプス正宗…うーん…(個人の感想です)
我が家の日本酒ソムリエ、オットが目を付けたのは「上高地帝国ホテルオリジナルラベル 純米吟醸発泡酒」コレ、いってみよっか。
このホテルがまだ「上高地ホテル」と称していた頃の古いイラストがラベルになっています。造っているのは長野安曇野の福源酒造でした。微発泡の生原酒。驚くことに瓶内二次発酵なんです。シャンパンと同じ製造方法。美味しそうな白濁。
生酒で且つ瓶内二次発酵だから適正な温度管理が必要。開栓する時の細心の注意も。そんなメンドクサイ日本酒を山の宿に常備し提供しているところが帝国ホテルの和食処クオリティか。帝国ホテルから福源酒造に打診して提供するようになって10年ほどとのこと。スペックは福源酒造の「ふくみみ」と同じ。イースト香があり、甘味は適度でキレがある。気泡の刺激はやさしい。
口に合う日本酒の存在は料理の印象に影響大。美味しく楽しく食事が進むんだ。日本酒バカですから。
御椀。尼鯛若芽椀。紅葉人参 松葉柚子。蒔絵が美しい蓋をはずしたら、ふわっと柚子香。昆布鰹節の出汁の香りも味も太く、ケチってないな。(あたり前)ぐじが西京漬けに仕上げてある点も高評価するよ。
造り。鮪 鯛昆布締め 帆立。昆布締めにした鯛はほどよくねっとり。昆布の香りもライトで品がある。帆立は焼き霜仕立て。貝柱切っただけ、なんて提供はしないのだ。山葵は安曇野産。菊花の器もステキだな。土佐醤油の器は菊の葉のデザインだよ。(欲しい)
焼物代わり。信州牛すきしゃぶ。温泉玉子 舞茸 玉葱。上質の牛肉を適量。この料理と純米吟醸発泡酒の相性が非常にヨカッタ!こってり牛肉と微発泡日本酒のコラボ。
岐阜かなぁ…多治見あたり?と観察するこの小鉢もステキ。あずさ庵、器選びも抜かりなし。
発泡日本酒を2人で2本呑んだ。もうちょっとだけ呑みたいな。信州の地酒4種飲み比べセット3100円いただこう。
ワタクシご贔屓の水尾と佐久の花がスキ。ぶれない自分。こーいう楽しいセットも用意してくれている点も好印象です。
焚合。茄子 法蓮草 南京 赤パプリカ 柚子。極上の出汁を吸った茄子の旨さ。柚子の香りが行き渡ったかぼちゃも堪らんなあ。京都のどこぞの割烹でいただく炊き合わせと変わらんクオリティよ。
御飯。栗占地御飯 赤出汁 香の物。赤だしが秀逸。飛騨味噌、とスタッフさんは仰った記憶。赤味噌と白味噌を混ぜました、と。
秋の、吹き寄せの景色にも見える「栗としめじの御飯」でした。
菓子。長野パープルと白ワインゼリー、サバイヨンソースのデザートでごちそうさま。
スイーツ苦手体質者のワタシでもコレなら美味しくいただけました。
発泡日本酒のボトルを撮影していたら「ラベルを剥がしてお持ちします」と迅速に反応するスタッフさん。帰り際にはラベルレコーダーに保存したラベルをスッと渡してくださった。そーいうところよね、帝国ホテル。
あずさ懐石18000円×2、純米吟醸発泡酒2950円×2、四信地酒めぐり3100円×2、+サ10%。上高地帝国ホテルは日本料理レストランも美味しいです。
【つづく:上高地帝国ホテル洋朝食編】

あずさ庵 (上高地その他/懐石・会席料理)
★★★☆☆3.62 ■予算(夜):¥40,000~¥49,999
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