割烹 茂幸/夏のアラカルトナイト@東京渋谷区/代々木上原
2023年8月某日
この桜海老カレーが驚愕。鶏トマトと牛カレーももちろん旨いのだけど、桜海老カレーは神の領域レベルに美味かった!桜海老と玉ねぎを炒めてビスク状にした物をカレーに仕上げておる。こんな豊潤なエビカレーは人生初。カレーを越えている!カレー味の海老汁か?うっとり…
<自分のための記録メモ>各料理の単価は不明。小瓶ビール×3、日本酒×6で約51000円。いつもよりお安くまとまっちゃった不思議。

小田急線代々木上原駅から徒歩5、6分。割烹店 茂幸へ。(茂幸webサイト)
フツウの住宅地に建つ、大将のご自宅1階が店舗。予約を取るのもそれなりに簡単ではない人気店なので3か月ぶりの訪問です。
季節ごとの食材をおまかせで提供してくれるのが割烹 茂幸。だけど8月のメニューはイレギュラーです。言うてみれば「居酒屋 茂幸」か。アラカルトメニューが提示されて、客は「大将、次はコレちょーだい」と食べたい物をお願いしていくフリーダム形式。
ミシュラン割烹の居酒屋メニュー。なんて魅力的なんだ。おひたしだってきんぴらだって、大将の手にかかればそこらの総菜クオリティとは別次元の品になるのだろうよ。「悩むな~」(オット)
うーん…悩むねえ。「揚げ物は串揚げの串が刺さってないようなサイズ感」(大将)。野菜カテゴリーから3点、焼物カテから1、2点、揚げ物カテから3点、肉料理1、2点。そして食事選択というのがフツーの胃袋キャパの人の流れらしい。あくまでフツーは、なので尋常じゃない食いしん坊(ワイ)は多めに喰いに行きますよ。
おいしそうなサザエや万願寺唐辛子が目の前にいるなあ。今年2月に、初めてアラカルトナイトが敢行された時は何食べても同価格だったの。だけど、さすがに想定外の収支結果になった模様w
…ということで今回はそれぞれに値がついております。メニューに値は書いてないので、想像しながら選んでいきます。
アラカルトに先立って、まずはおきまり3品からスタート。
提供の準備もありますから、最初の3品は全員に同じ料理が出されます。「蒸し雲丹 伊勢海老のジュレ掛け」(名前はワタシがテキトーに付けた)
「なんじゃこりゃー!」旨くて小声でつぶやく。トゥルントゥルンの伊勢海老がジュレまみれ。それが雲丹に覆いかぶさる冷菜。青柚子皮をシャシャッと散らして、柑橘の爽やかな香りも。暑い日のスタートに相応しい。
2品目。「梅小豆(うめあずき)。甘くないお汁粉です」と大将。ほんのりあたたかい。
あずきを上手に炊いて、そこに梅の塩味をちょいと足すことであずきの旨味が引き立つ。砂糖を使わずしてほのかな甘みがあるとは、どーいうことぞ。
吸い口に葱。揚げ餅風の椀種。粟麩かなぁ?何ですかコレ。「豆乳で作った胡麻豆腐。」(大将)豆乳に出汁醤油、わらび粉と葛で胡麻豆腐風に仕上げて。さらに「揚げてある」というのがポイントか。コク味も加わるわけね。さすが。食材は高価でなくても技術と発想に価値がある。
葱生姜、土佐酢おろしと辛味かいわれの薬味を巻き巻きして食べる。ライトな締め具合で誰もが食べやすい塩梅。夏の味だなぁ。
ワタシチョイスのアスパラ。オットの海老。
揚げ物は3つのタレ類で変化を付けて。実山椒のソース(左)と花山椒のタルタル(右)他、細かーく刻んだ葱が素麺のようにたっぷり入った出汁の3種。飽きない。
両方食べたいから分けっこするわけだ。倍のアイテムが食べられるシアワセ。
梅すずき(ワタシ)と鯛の海苔巻(オット)断面が美しい。
茗荷(ワタシ)と鮎(オット)鮎の天ぷらはあっても串揚げで鮎は、はじめまして。
上等なしいたけ。ウソです、松茸。これは全員におきまりで。あれ?あまり松茸感が分かりませんでした。せっかくの初物でしたのに。
サケススム。
「野菜」のカテゴリーに移行。ワタシチョイスは以下。
山くらげ梅あえ(左)とたたきオクラ(右)プロが作ると梅あえはこうなるか。出汁だな、出汁。たたきオクラも割烹店の手になるとこうなるか。出汁だな、出汁。シロウトですからダシダシ言うてます。
無花果の胡麻酢かけ(左)と生姜出汁巻(右)いちじくを使った料理が大好きさ。白胡麻+酢の餡といちじくの薄甘が合う。生姜霰切りを巻き込んだ出汁巻玉子。シャクシャク食感と清涼感と出汁がひとつに。
「野菜」カテのオットチョイス。
つるむらさきおひたし(左)とハス芋酢味噌掛け(右)青菜臭つよいつるむらさき。ハス芋にかかる酢味噌は家で作るとこうはいかないよな、とか。(←当たり前)ひとつひとつは小さなポーションであるのが分かるサイズに撮ってみる。
金糸瓜 胡麻酢和え(左)とポテトサラダ(右の右上)揚げ物を食べるシアワセよりこーいう野菜小鉢を食べることにシアワセを感じる夫婦なので、人より「野菜カテ」が多い我ら。
オットは茄子が好き。食べるのも、自分で料理するのも好きなんだって。茄子オランダ煮。器が可愛い。
茂幸さんの日本酒は、いつも我が家寄りなので安心と信頼のラインナップだ。
最初の瓶ビール小瓶×3→写楽→飛露喜→庭のうぐいす→花邑→もう1回写楽→もう1回庭のうぐいす。順調に飲み進んでいます。いや、今日は控えめにしているかもよ。
「焼物は何にいたしましょう?」(大将)
ワタシ、茄子!オットは唐辛子!
炭火で真っ黒に焼き上がった茄子のアッチアチ!を素手で皮むきしてくれました。熱いよね…
唐辛子も焦げ焦げでおいしい。青臭い風味と焦げ臭。
牛ひれ肉も焼いてくださーい。炭火で丁寧に焼き上げてくれた牛ひれです。花山椒をONして。ザクザク食感と品ある香り。上品な味の牛ひれ炭火焼。
オットチョイスの鮑バター焼も美味しかったなー。これはナイスチョイスでした。くにょんとした食感。大振りな鮑。
バターが絡んだ鮑の肝ったら、まあ!苦旨い。
最後近し。「肉カテゴリー」へ。肉を花山椒+黄身おろしで頂くのが茂幸スタイル。
ワタシチョイスはハンバーグ。茂幸流だとハンバーグは和になる。
どこの店でも見たこと食べたことがないハンバーグ。照り焼きに近い味の方向性だからつくねっぽい印象。
オットチョイス、鶏 塩焼。どストレートなメニュー名とは裏腹に、炭火で焼いた鶏肉が割烹スタイルだし器もステキだ。
炭火焼と花山椒効果で鶏の塩焼の枠を越えてくる。炭火だから水分が保持されてる感。茂幸さんでは土佐の備長炭を使われている、とか。
最後に食事。最終コーナーだ。主人公はカレー。「桜海老」「鶏トマト」「牛」のカレーライス。カレーうどん仕様でも対応可と。悩むだろう?
「あいがけもOKですよ」(大将)とは有り難い!2種選べるじゃん。ほな、鶏トマト(右)と「桜海老」(左)のハーフ&ハーフで。オットは牛と桜海老だ。

「ニッパチ」って業界用語かな。2月は年末年始の反動で、8月は長期休暇で人がいなくなる故に売り上げ減少月とか。飲食店も然りなのか、茂幸さんの2月8月限定企画アラカルトナイト。茂幸リピーターには趣向が変わったこんな夜も楽しくてかつ美味しい。
<自分のための記録メモ>各料理の単価は不明。小瓶ビール×3、日本酒×6で約51000円。いつもよりお安くまとまっちゃった不思議。

住宅街に現れた日本料理の超新星「代々木上原 茂幸」
数ある料理ジャンルのなかでも、一番“しっぽり”という言葉が似合う和食。今月は、名店の系譜を継ぐ新店をクローズアップ。隠れ家的な空間で紡がれる美食体験が濃密な時間を約束する。
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