2021年1月23日(土)~24日(日)
つとに有名な兵庫県の城崎温泉へ1泊2日旅です。
温泉街に点在する7軒の外湯をめぐるのが城崎温泉での過ごし方です。「てか、外湯を巡ってくれ。それが前提だから各旅館の風呂は大きく造っていないんだ」というのが城崎温泉旅館全体の総意なんだそうです。日本にあまたある温泉地の中でも非常に特殊なスタンスです。
旅館宿泊者への利便は考えられていて、チェックイン日の14時からチェックアウト日の15時30分まで使えるフリーパスをくれる。(宿により多少条件が異なる。また一部旅館を除く)15時のチェックインに先んじてフリーパスを(&タオルも)受取れたから、さっそく1件目の外湯だ。※宿によってはチェックイン前に渡してくれない所も※
外湯1:地蔵湯
地蔵湯に入っての印象は「デカい銭湯」。実際、地元の高齢者が数人で観光客はワタシとムスメだけ。大きな浴槽が中央にひとつ。湯温は熱め。壁に沿って20以上のカランが並ぶ。それが全てで露天風呂はなし。男女湯とも同デザイン。(撮禁なので画像は豊岡市フォトライブラリーのフリー画像から)
最初にこの地蔵湯を選んだのは、『混雑状況0%』だったから。各外湯の混雑具合がチェックできるサイトゆめぱでリアルタイムで目視できる。コレは優れものサイトです。男湯/女湯別の混雑表示がないのがオシイけど。(たとえば一の湯の場合だと100~120人で100%とのこと)
地蔵湯の脱衣所に掲げてあった温泉成分表の『温泉利用に関する情報』を拝見。◆加水。源泉温度が高いため加水しています。◆加温。なし◆循環。衛生管理の為、循環濾過装置を使っています。◆ろ過。衛生管理の為、循環濾過装置を使っています。◆入浴剤の添加。なし◆消毒。衛生管理の為、塩素系薬剤を使用しています。…なるほどね。
駅前の飲泉所で飲んだ、一切の加工をしていないピュアな源泉を思い出しています。
あのしょっぱくてオイシイ源泉に浸かれたらどんなに幸せかしら。無理なのかな。無理なんだろうな。
城崎温泉でその望みは不可能ではないけど困難ということが、滞在しているうちに徐々に分かってくる。地蔵湯は清潔だし、空いているし、熱い湯は気持ち良い物でした。が、地蔵湯さんのお湯とは相性合わず。早々にさようなら。
外湯2:さとの湯
7つ巡るにはそれなりに順番を考えないといけないよ。
ゆめぱ情報で空いているタイミングを伺いつつ、宿から一番遠い場所にある湯は早目にクリアしておこうかな。次は「さとの湯」だ。
さとの湯はJR城崎温泉駅前にあって分かり易く便利。7つの外湯で唯一サウナがある点が人気なんだって。(2000年7月オープン)
駅近ゆえに、日帰り旅行でやってきた人たちが「1ヶ所くらい入って行こうか」となるのかもしれない。地蔵湯よりはお客様多し。(ゆめぱ17%で女湯15人)
これはもうスーパー銭湯でわ。くつろぐ人々。まったりする湯上り処。広ーい。
豊岡市フォトライブラリーの画像です。そうそう、屋上の露天風呂コレだったわ。(奇数日の女性用露天風呂)カルキ臭する飛沫を勢いよく飛ばす滝。摺りガラスの向こうに円山川が見えるのだけど、眺望堪能は女性にはちょっと躊躇案件。
この日の男性はこの露天風呂だったのでしょう。奇数日の男性露天風呂です。(日替わりで男女交替制)男性はぜひ、体を延ばして円山川と山並みの風景をお楽しみください。
奇数日だった当日の女性用内湯。うーん…たぶんこれだったんだろうな。記憶がナイ。覚えていないのはさとの湯への興味がすぐに失せたから。ワタシは源泉至上主義です。
コチラが奇数日の男性内湯。温泉に求めるものは各人様々。広くて楽しい仕掛けがあって、サウナ充実の「さとの湯」がスキな方もおられましょう。ワタシにはまったくタイプじゃないのでとっとと退散です。(コロナで休止していたサウナ2022年3月9日復活)
さとの湯脱衣所に掲げられていた温泉成分表は地蔵湯のものと同内容でした。加水・循環・ろ過・塩素消毒アリ。『源泉名:27号 28号 29号 30号の4源泉からの源泉水を混合したタンク』という表記も一緒。ここでようやく気付くアホ。城崎温泉はどこに入っても同じ湯なんだね。
外湯3:柳湯
ここまでの2軒の外湯とは趣きが異なる外観。湯小屋的デザインは好きなタイプよ。
建築デザインは個性的でも、注がれているのは源泉を加工したあの温泉と納得しての入場。
豊岡市フリー画像から。天井が高い湯小屋風はスーパー銭湯タイプよりワタシは好き。浴槽がコンパクトなので湯温が高めです。加水循環濾過塩素消毒していても、源泉本来の塩味はちゃんとするよ。
3軒に浸かってみて思う。なんとなーくプール臭する同じ湯に浸かるために、いちいち脱衣するのがめんどくさくなってきたぞ。
チェックイン前の外湯めぐりは3軒で終了にして、残りは翌日に持ち越し。チェックインしても、待っている宿の浴場も同質のお湯なんだけどね。
外湯4:御所の湯
7つの外湯で一番人気が御所の湯のようで、混雑チェックできるサイト「城崎温泉ゆめぱ」の円グラフを見ると常にトップだ。
翌朝6:58の御所の湯の光景。宿泊した旅館喜楽のポジションが御所の湯徒歩1分というナイスな場所なので、朝7:00オープン同時を狙うという混雑回避策を取ったのですけどね。
夜明け前だし小雨も降っている。自分らが一番乗りだろー、と思ったら4人もの方がすでに並んでおる。2021年3月末までは、その日の一番最初の入浴客には一番札のプレゼントがあったらしいよ。もう廃止されちゃったそうだけど。
入ってみたら、一番人気なのも納得の浴室デザインでした。後方の山肌を借景に組み込んでいるから浴槽が広く感じるし、斜面の滝と浴槽の一体感も秀逸。
洗い場と浴槽がナチュラルに連続していて、オープンなのがいいなあ。解放感があるし、カルキ臭がこもらないもの。
御所の湯は2020年11月に庭園風かつ全面露天のオープンなデザインにリニューアルしたのだそうです。この御所の湯の居心地がヨカッタものですから「同じ加工温泉であっても、施設としての個性で浸かるってアリかも」と鷹揚な考えを持ちました。
城崎温泉に来てひとつだけ入るとしたら御所の湯一択かな。一番混んでしまうのは当然かも。この後、一の湯と鴻の湯にもいくのだけど、ワタシ的にはやはりイマイチな感想だった。御所の湯には年間30万人も浸かると述べているサイトがあった。そりゃ循環濾過も塩素消毒もするわね。
外湯5:一の湯
循環濾過、塩素消毒不可避なのは湧出量が多くないのだろうなー。湧出量については一文も成分表には記されていないし…とかなんとか考えながら一の湯へ。
すばらしい雰囲気を纏った外観です。重厚な寺院のようでもあり、昔の芝居小屋のようにも思える。屋根瓦も破風も立派。
でも、内湯の湯は他所と同じ温泉で魅力無し。浴槽も銭湯のようでつまんない。わんこのマーキングのように一瞬浸かっただけでさようなら。
洞窟風呂の存在が一の湯人気の理由のひとつかも。確かに、これは自然の岩をくり抜いている。ここの地質はこーいう固い岩場なのか!と思うと面白かった。が、ワイ閉所恐怖症なので短い入浴で退散。
飲泉所で飲むと塩味が強くてお吸い物のようにオイシイ源泉が、どーいう手順でフル加工の温泉になるのかしら?どうしてそういうシステムになったのかしら?オイシイ源泉が噴き出る現場はどうなっているのかしら?…フツーの方ならどーでもいい件が気になって仕方がない温泉バカ。(ワイ)
疑問が止まらなくなったので、こちらのスタッフさんに教えを乞いました。
以下、一問一答。
①温泉成分表に『4源泉からの温泉水を混合』とあるけど4源泉はそれぞれどこにありますか?→「ロープウェイ乗り場近くの薬師源泉が一つ目(28号)。2つ目は城崎中学の球場ネット裏や(27号)。3つ目は三木屋旅館の駐車場(30号)。4つ目は麦わら細工伝承館の横(29号)」
②混合した源泉はどのように流れて使われているのですか?→「源泉はすべて城崎町湯島財産区が管理。町はずれの混合泉貯湯タンクから地下に埋まったパイプを通じてループ状に流している。各旅館や外湯はその枝管から引き込んでいる。」
③いつからそのシステムで?→「いつからやろ。自分らが生まれる前ちゃう?掘れば割と簡単に湯が出てしまう町。皆が勝手に掘ったら湯が枯れる。自分の宿だけ得をするような考えはイカンいうことやろな。」
「共存共栄っちゅうことやね」という表現を彼はされた。
なるほど!そういった信念で城崎温泉はどこも同じ湯なんだね。ジャンジャンかけ流したら枯渇してしまう温泉資源保護のために循環濾過+塩素消毒の道を選んだのか。枯れてしまったら町ごと終わるものね。
外湯6:まんだら湯
※まんだら湯は休業日にあたってしまい入浴できず※
城崎温泉の一体感の源は、もしかしたら大正14年(1925年)の大地震にあるのでは。温泉街の壊滅から復興した経験が今も町をひとつにしているのかもしれないなあ、と思いました。(よそ者の勝手な妄想です)
外湯7:鴻の湯
7つの外湯の最後は、町はずれにある鴻の湯。これにてコンプリート。
こうなったら全部入ってやる!という意地で、朝早くに来ました。町はずれにあるので誰もいません。他が混んでいる時でもここは穴場かも。
ああ、こんな露天風呂も併設だったわネという薄い感想。比較的気に入ったのは柳湯と御所の湯かな。宿泊者特典のフリーパスをいただいたので心置きなく巡れて有難かったです。そうじゃなかったら7つ全てに入る意義はあるのか否か…(小声)
町はずれまで来ちゃったな。を!あそこに見える校舎。あれは外湯スタッフさんが「27号泉がある」と教えてくれた城崎中学校では?おいしくてしょっぱい源泉が出る現場を見てみたいので行ってみます。
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城崎町湯島財産区のホームページです。城崎温泉の外湯の入浴料金や営業時間・休湯日を掲載しています。
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