【時々連載】こにゃとくうの物がたり=その12
久しぶりにつづきを書きました。
かわいいうちに里子に出さなくては・・・と思いつつも、
母猫・こにゃとの睦まじい姿を毎日みているとその決心も揺らいでいたワタシです。
ふう・くうにも手術を受けてもらえばいい。
(名案だ~~♪)
夏も終わりに近づいたころになると
常に子猫のそばに寄り添っていたこにゃなのに
ちょくちょく、子猫を置いておでかけするようになってきました。
片時も離れなかったのに・・・

子猫に爪をたてて引っ掻く
それでも近寄ろうとする子猫に
シャーーッ!!って
容赦なく歯をむき出して威嚇する。
「近寄るな!」と、パンチ。
くうも、ふうも
急変したこにゃに凍りついたようになって。
・・・ワタシもあまりのことに
声も出なかった。

まったり寄り添っていたのに・・・
起き上がってこの変化。
『キタキツネ物語』だったか・・・
キタキツネの「子別れの儀式」っていうのを
画面で見たことがあったけど
ああ、今、目の前で起きている事は
こにゃの「子別れの儀式」なんだ。
と、真剣なこにゃの様子を見て悟りました。

キタキツネは子狐をテリトリーから追い出すのだけど
こにゃ流のやりかたは
自分がテリトリーを出て行くこと。
追いすがる子猫にパンチを食らわせて。
さっきのまったりした添い寝は
子猫への最後の置きみやげだったのか?

そして、わざとワタシの目の前で
儀式をやって見せたんじゃないか?
「今後はこの子たちをヨロシク」って
ワタシに託すため。
そうじゃない?こにゃ。
我が家の庭から出て行くこにゃを
なす術なく見送るくう・ふう。
2匹と同じくらい悲しい気持ちで
ワタシも取り残された。
だって、
こにゃといっしょに暮したくて
我が家を提供したんだよ。
なのに、こにゃが出て行っちゃうなんて・・・
こんなつもりじゃなかったのに。
一番の仲良し人間のワタシを頼らずに
お隣の家で子猫を出産した理由、そして
お隣から引越ししても、我が家を素通りして向こう隣の家に行って
子育てしようとしたナゾが
このとき、一気に氷解したような気がしました。
ほんとは我が家は自分のテリトリーとしてキープしておきたかったのが
こにゃの本音だったのではないだろうか。
子育てが終わった時、その場を子に譲ることを決めていたから
だから、ワタシのところで産まなかった。
動物行動学など知らぬワタシですが、
こにゃが心ならずも我が家を出て行ったような気がして
不憫で不憫でなりませんでした。

この時以降、
こにゃは全く姿を現さなくなったわけではなく
朝夕のゴハン時間だけ
食事にはやってきてくれたんですけどね。
我が家の庭で顔をあわせても
くう・ふうとは
太々とケジメの一線を引いて
二度とまったりと寄り添いあうことは
ありませんでした。
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