【時々連載】こにゃとくうの物がたり=14
・「くう」って甘え鳴きするから「くうちゃん」というベタな理由でありました。
「あのさ、くうちゃんがね・・・」って話しても、「え?くうちゃん?それともふうちゃん?」
・・・音が似てるんだもん。
ある夜、義父&義母さまと一族で酒盛りをしてて
義父さまが、持参した日本酒のラベルをながめて言いました。
(義父様ふるさと・愛知の銘酒、関谷酒造の「空」でございます)
<義父さま>
「2匹の名前がまぎらわしい!
この酒の名前がいいぞ!
くうちゃんは『空太郎』だな、あはは~~(^O^)
ふうちゃんは『風』にしよう。
「風子」だな~~、あはは~~(^O^)」
■ ここからは、「空太郎」と「風子」と表示させていただきます ■
「いいね、いいね!」と、一同が賛成。
酔っ払いの会話から2匹の正式名がここに決まりました。
・・・簡単です。
ゴールデンウイークなのでこにゃくうは実家に泊まりにいきました。
空太郎と風子の面倒は義父&義母さまに「エサをあげてくれればいいですから」とお願いして。
帰宅したら義母さまが「空ちゃんはいるんだけど、風子ちゃんが昨日から戻らないの…」
と、いう。
サーッと血の気が引いたものの、いや、ちょっと遠くに遊びに行ってしまっただけかもしれない・・・
すぐに帰ってくるかも・・・と一晩待つことに。
警察に連絡したら、「5月3日に車に轢かれた猫の通報があった」と言われたので
現場に行った若いおまわりさんを探し出し、非番明けを交番で待ち伏せて
風子のビデオを無理やり見せたこともありました。
ワタシ「どうです?この猫でしたか?!」
おまわりさん「あっ・・・いや、ちょっと記憶が・・・」ヽ(´~`;)
ワタシ「いいから、もう一度じっくり見て思い出してください!」\(  ̄■ ̄)/
・・・って、聞き込みする刑事か? ワタシは
若いおまわりさん、たじろいでました~~ (^^ゞ
(おまわりさんの「しっぽが短かった」の証言を引き出すことができ、
交通事故猫は他ネコとわかってホッとしました)
心当たりを探しても風子の影はどこにも見つける事ができませんでした。
誰が悪いわけでもありません。
言ってみれば、お出入り自由で飼っていたワタシのせいです。
臆病で恐がりの風子が帰れないほど遠くに行くとは思えない。
どこかに閉じ込められたとしても、大声で一晩中鳴き続ける子だ。
(「過去記事」をご参照ください)

ひどい目にあっていたらどうしよう…
誰にも目に付かない所で
死んでしまったのだろうか…
悪いことばかり考え、
気がおかしくなりそうでした。
・・・でも、風子はもどってきませんでした。
道で偶然に出会いました。
「むかし、三毛のネコを探してらしたわよね?」
「実はね・・・」とオバさんが語ってくれた話はこうです・・・

・・・あの家、わかるかしら?
ホラ、角の大きなお家。Ⅹさんね。
おしゃれなお屋敷があるでしょ?
Ⅹさんの奥さん、ネコが大好きなのよ。
ある日、庭にとってもかわいい三毛猫が
遊びに来たんですって。

たびたび来るようになったから
おいしいご飯をあげてね。
だんだん慣れてきて
心を許すようになってくれたんですって。

奥さんね
ぜったい、飼いたいって思って・・・
ある日、部屋の中に招き入れたら
スッと入ってきたから
そこで「パシッ!」とね。
窓を閉めちゃったんですって。

私の家の猫は、外も内も自由にしてるけど
あそこの奥さんは「猫は完全室内飼い」を
モットーにしてるからね。
それっきり、もうその猫は
外に絶対に出してないの。
あの猫、お宅の探してた猫よ。
猫好き関係でⅩ邸におじゃましたとき、そんな話を聞かされたそうです。
風子にそっくりだった、と言われました。
義父さまには「うちの猫だから返してもらおう!証拠もある」と言われましたが
ワタシ、すごく悩みました。
・Ⅹさんはウチの猫と知ってて監禁したわけじゃない
・風子はそこの家の子になって、もう1年4ヵ月もたっている
・近所でも目を惹く豪邸で、しかも財産家。(会社経営されてるらしい)
室内飼いとはいえ、十分な広さで飼われているんだろう。
・奥様の猫好きは、年季の入ったものらしい。
・ワタシは「完全室内飼い」をしてやることができなかったが、奥様は断固実行してる。
その方が、もしかしたら臆病な風子にとってシアワセなのかも・・・

風子が豪邸でしあわせに暮していると信じて
ワタシは迎えに行かないことを選びました。
今でもそれでよかったのか悪かったのか、
思い悩むことがあります。
でも、
うっとうしい人間の子供がいて
(Ⅹ邸は夫婦二人住まいらしい)
うっとうしい兄ちゃん猫がいて
(空太郎ね)
大きな音にビクビク過すよりも
大きな邸宅で1匹、大事にされ
お姫さまのような暮らし。
だったら・・・

外出で近くを通る時は
ちょっと遠回りして
Ⅹ邸の前を通ったりします。
いつもきれいなお花に取り囲まれた
目立つ邸宅です。
あの出窓にひょこっと・・・
三毛猫の姿が現われやしないか、と
期待してワタシは
Ⅹ邸の出窓を見上げるのです。
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