【時々連載】こにゃとくうの物語=16

空太郎のママ猫、こにゃちゃん。
生後5ヶ月に育った子猫(空太郎・風子)を
ワタシに託すと
自分は野良猫として生活する道を
選んで出ていきました。
でも毎朝&夕方に食事には来てくれてたんです
自分の息子・空太郎と顔を合わせると
シャーって威嚇してましたがね。
前のように
ウチでゆっくりしてくれなくなっちゃって
淋しかったけど
ワタシには以前と変わらずに甘えてくれましたし
信頼関係のある親友同士でした。

エサを食べに来たこにゃの顔を見ると
あちこちにクモの巣が絡んでいたり
枯葉やホコリがついてました。
「他所の家の物置の下にでも
入り込んでたの?」
と言いながら、
顔についたゴミを取ってあげました。
かわいいお顔が台無しよ~~。
間もなく、こにゃがパタリと現れなくなった
今までも、一日か二日ほどは気まぐれでやってこない日もあったけど
この日でもう5日も!
こんなに姿を見せなかったことはない。
近所を探して回ったけど、どこにもいない。
おかしい・・・。 何かあったのかも・・・。
外出しようとして玄関を出た。
聞き間違えるはず無い。
「こにゃ、そんなところに閉じ込められてたの?!」
側溝の中を彷徨い、偶然にも我が家の前に来た時、地上からワタシの声と笑い声がしたので
「ココにいるよ!」って返事をしてくれたのだ、きっと。

■「今、出してあげるよ」と弛んでいる蓋を持ち上げて
覗いてみた。
こにゃの目が暗い側溝の中で
キラリーンと二つ光っているのが見える。
「さあ、こっちにおいで」
ワタシだと認識してる声なので
「ああ、助かったニャ」と近寄ってくるものと
思っていたら・・・
どうして?
何日も閉じ込められて、こにゃはパニックになってるとしか思えない。
それどころか近所の他の猫が側溝の中に入りそうになった。 危ない危ない。

■「こにゃ!」「にゃーん」
「こにゃ、こっち!」「にゃーん」の
追いかけっこですでに2時間も~。
そのうち、通りすがりの人が親切にも
「どうしました?」って
ドブに顔を突っ込んでるワタシに
声をかけてくれたり。
でも、猫がドブにハマって・・・というと
同情してくださるものの
「がんばってくださいね~~」と立ち去ってしまいます。
うん、いいんだ。
こにゃはワタシが助け出す!
30度はとっくに越えてる真夏日でした。
ワタシ、もう汗だくで道路に這いつくばってました。
その場にあるもので・・・と考え、外した蓋でこにゃを封鎖しようという事を思いつきました。
真ん中の蓋だけ開けて、そこからこにゃが飛び出してくれれば・・・と、企む。
急いで自宅に戻る。
自由になったこにゃがまず来るのは、ワタシの所に決まってるのだ!

果たして、先にたどり着いたこにゃが
我が家の庭にちょこんと座って
ワタシを待っていた。
「こにゃ~~~っつ」
汗とホコリにまみれて心底、脱力した。
でも、こにゃを救えた達成感で心は喜びでいっぱいだった。
5日分のゴハンをむさぼるように食べるこにゃ。
その顔にクモの巣がいっぱい付いているのを見て
ハッと気付いた。
こにゃは暑さを逃れるために側溝の中に入って涼むことを覚えたのだろう。
(ワタシが顔を突っ込んだら、側溝の中は外気と違ってひんやりとして涼しかったのだ)
しばらくは出入りしていたものの、ある日、出入り口がわからなくなってしまったに違いない。
救出しました。
こにゃが入った入り口も見つけ出し
ワタシの手で封鎖しました。
(側溝の蓋のサイズが合ってなくて10cmほどの隙間があったの)
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