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うちの猫・こにゃ&くう編

【時々連載】こにゃとくうの物語=番外編

20 0
  
     長きに渡り連載をつづけたこの書庫も、すでに一年以上となりました。

     いつも読んでくださった皆様、ありがとうございました。
     この次ぎに書くストーリーで最終回になります。
     もうすぐラスト・・・と思っていたら、オットからリクエストがありました。

     「番外編として、アイツらの事を書いてやってほしい」と。

      『アイツら』  とは・・・
     こにゃや空太郎に囲まれたこにゃくう一家が猫に振り回されていたこの頃に
     我が地域に居ついていたカップルのノラ猫2匹のことです。


    ノラ猫助けの意識に目覚める前のワタシだったとはいえ
         無残な出来事も絡む、多少せつないお話です。

  2004年6月ころのおはなしです・・・


   我が家の地域にB家という猫好きのお宅があります。(「その4」のストーリーに登場したB家です)

   が、困ったことにやや無責任な猫好きさん。
   子猫のうちはかわいがるけど大きくなったら知らんぷり。
   繁殖しても「ウチで飼ってるわけじゃない」とおっしゃるそうな。
   (こにゃも、元はこの家の出です)



B家で産まれたものの、放置されて野良になったオス猫。
やさぐれて育ったせいか全くかわいげがなく、
誰にも懐かない。
猫好きのワタシでも
かわいがってやりたくないような風貌をなさってる。
エサもまともにもらえないのでゴミ集積所を荒らす。
飼い犬のエサをかすめ取る。


 さらに困ったことに、空太郎に模様がそっくり。
(実際、空太郎のいとこにあたります)

空太郎にそっくりなので「クーツー」とムスメが名付けてました。
「お宅の空太郎がうちの庭でウンチした」と
 地域のお宅から苦情。
 空太郎はそんなことしないよ。






 やったのはクーツーでも他所の人には
 見分けられない。

 代わりに謝るのはしかたがないね。







空太郎はご存知のようにヘタレなので
この野性味満々のいとこ猫にビシバシに
やられっぱなしでした。



  よくケンカを売られてました。







   ある夏、そんなクーツーに彼女猫ができました。




人間には媚ひとつ売らない猫なのに
この彼女猫にはとってもやさしい。
いつもふたりでペロペロと舐めあって
暑い日でも、足を絡ませあって寝ている。
 人相の良くない彼女猫と
 ヤクザなクーツーのコンビは
 さしずめ「ボニー&クライド」のようでした。



世間に受け入れられなくても
二人の世界で生きていければ十分さ、
というような。
かわいげのないカップルではありましたが
はみ出し者同士、
お互いを支え合って生きている様子に
心を大きく揺さ振られるワタシでした。
何が万物の長霊だ。
人間でもなかなかここまでパートナーを労れまい。

 予想されたこととはいえ、ボニー猫は子猫を出産しました




B家の向いの家の庭に、3匹の子猫。
こにゃくうの家に来てくれれば
なんとかしてやれたけど
ボニー猫が子育てに選んだ家は
最悪なお家だった。
常日頃、B家に猫の件で苦情を言っていたお宅。
Bさんは「ウチには関係ない」と
言い放ったそうな。

「じゃあ、捨ててもいいんですね!」怒ったお向かいさんは
赤ちゃん猫をどこか遠くに置き去りにしてしまった。
捨てる作業を手伝わされたというご近所主婦さんに
後になって聴かされた話です。

  ええっ!
  なんて残酷なことをするの?

  どうりでボニー猫が昨日から「アォーーン、アォーーン」って
  悲しい声で町内を探し回っているわけだ!!

       手を貸してしまったご近所主婦さんも本当は動物好きな人。
       ご近所の争いに巻き込まれそうになってしかたなく、だったそうですが・・・

   「なんて野蛮な町なの、ここは!」とこにゃくうは怒りましたが
   このままでは、第2、第3のボニー猫の悲劇が起きてしまうんだ。

   翌日、ご近所主婦さんたちが猫の件で立ち話をしている中に加わって提案してみた。
   「私がこの地区のメス猫を順番に不妊手術に連れて行って、もう増えないようにするから、
    猫たちが天寿をまっとうするまで大目に見てくれないかな?」

   同世代主婦同士だと、考えは同じようで
   「こにゃくうさんだけがやることないよ。みんなでお金出したり、捕獲に協力するよ」

  主婦6人が集って捕獲する者、病院に連れて行く者、資金を集める者が決まりました。
  さらに「エサをきちんとあげないからゴミを漁るんだね。ちゃんとゴハンをあげよう」
  と話し合いました。

   旧世代の住人は野蛮に捨て猫をしたり、不妊手術しないで餌やりしたり・・・ですが
   同世代の人はそれは間違ってるとちゃんと判ってくれて、ほんとに嬉しかったです。


  やがてボニー猫は手なずけられ、無事不妊手術が済みました。

   手術した獣医さんに
  「子宮の中にちっちゃな受精卵があったんだ。まだ猫の形になる前だったから気にしないで」 
   と言われました。

  ああ。未完成とはいえさらなる犠牲を生んでしまったんだ、とボニー猫に申し訳なく思いました。
  もうひとつ、ボニー猫に申し訳なく思ったこと。
  それは、手術しちゃったら仲良しのクライド猫が彼女のそばを離れてしまうだろう、ということ。

 案の定、不妊手術を受けた彼女には、もう興味がなくなったようで
 クライド猫は忽然とどこかへ去ってしまいました。

  淋しがりのボニー猫だけが残されました。

ボニー猫。 顔写真はこちら。


過去記事で「スケバンちゃん」という名で登場した猫こそがボニー猫です。
人間が残酷でごめんね、ボニー&クライド。
 子猫を取り上げたり、
 お腹の子を手術で取ってしまったり、
 仲良しカップルをぶち壊したり。

     近所の人に「最近、めっきり猫がいなくなったね」と言われます。 
野良猫の数のコントロールは成功し、ヤマトのような地域猫も大目に見てくれる地区になりました。
        気の毒な目にあった子たちの犠牲のおかげです。 
        尊い命と引き換えに得た人間地域社会の安定。
        やりきれないね。





  クライド猫。
  いったいどこへ行ってしまったんだろう。
  今のワタシなら、彼にもやさしくできるのに。



   
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20 Comments

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W A X  

2007-11-30 11:11

こにゃくうさんの地域は素晴らしいですね。いろんな人が居る中で(猫好き、猫嫌い) そこまで手分けして猫ちゃん達を助けていたんですから。 しかしボニーさすがな表情ですねぇ。柄もセンターパートのワンレングス? (笑) 人間でも80年代の不良っぽいかも・・
しかも、黒髪っ!(笑)

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こにゃくう  

2007-11-30 15:48

のばふぐさん、こうして思い出して記事のするのも赤ちゃん猫の供養となりましょうか。一方的に生殖能力を奪う行為は人間中心で申し訳ないですね。どの子も今では飢えることなく暮してるのが救いです。クライドを見ていると、愛情あるなしでお顔立ちが違うのは猫も人も同じなんだなあ、と思わされましたわ。

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こにゃくう  

2007-11-30 15:52

fxxさん、いつも読んでくれてありがとうネ!風貌は全くかわいくなかったけど、生き方はかっこよかったね、ボニー&クライド猫。
やさぐれてる、とかすさんでるって言葉がぴったりだったなあ。 かわいくないのでクライドの写真は一枚もナシ!(・m・)

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こにゃくう  

2007-11-30 15:57

WAXさん、神奈川でもイナカでさー。古い住人はちょっと考え方が遅れてるのよね。新興住人の主婦だけで団結しちゃいました。
あはは~~、いまどきスケバンなんて天然記念物だね!往年の三原じゅん子か~。あ、ヨーヨー投げてた斉藤由貴ってイメージ??

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sak*r*mari*5  

2007-11-30 17:26

凄い、ボニー君、やんちゃそう。

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こにゃくう  

2007-11-30 20:41

sakuramariさん、空太郎を小突いたりしていじめてたよ。

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omansama  

2007-12-02 11:46

こにゃくうさんの提案に、賛成して賛同してくださる方がいるって、本当に素晴らしい事です。普通は「他人事」で、協力なんて期待できませんからね・・・。ボニー = スケバン猫 だったんですね~(^_^;)
釧路でお別れしたフワ・クロ・アオの3匹の♂を、今でも時々思い出します。丸々と肥えていたから大丈夫だと思うけど、肉球にアカギレかなぁ~?なんてね・・・。クライドくん、どこかでたくましく生きていて欲しいですね。

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ニモりん  

2007-12-02 14:20

同じような考えを持った人々が他にもいたからこそ今ののらにゃんこと共存できる地域になったんでしょうね☆
クライドよ、交通事故とかに遭わないでどこかで元気に暮らしていますように!!

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天ママ  

2007-12-03 02:21

空ちゃんが・・・カワイ~~ぽよよよよy^~んと・・スケバン・・じゃなくボニーチャンといるとますます子供顔ね~~きゅふふ
こにゃくうさんも素敵だし近所さまも素敵な方々がいてよかったにゃ~~

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こにゃくう  

2007-12-03 09:02

おまんさま、最初「捨てた」って聴かされたときはなんで野蛮な土地なんだ!って呆れましたけど、理解者で団結できてよかったです。この2匹が皆に教えてくれたんですね。この後、全てのメス野良の手術をしました。
すでに極寒の季節。フワ、クロ、アオ、がどう過してるか気になるね。クレクレ攻撃が激しかったけど私もフワの風貌が好きだったわ。

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こにゃくう  

2007-12-03 09:09

ニモりんさん、皆さんの協力で、今や定住の野良はヤマトを含め、数匹になりました。このくらいの頭数だと地域も許してくれるみたいです。クライドも手術してしまえば遠くに旅立たなくて済んだかもしれなと思うの。まず、メス猫優先だったからね。ヤマトも慣れたら手術したいんだ。

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こにゃくう  

2007-12-03 09:16

天ママさん、ご近所付き合いってありがたいのねー。
空ちゃんはボニー猫にいじめられっぱなしだったなー。猫嫌いの空太郎にとっては唯一のお友だちだったのかも。亡くなる直前の具合の悪い最中に、ボニーに向って「あごご~~ん!」って大声で悲しそうに鳴いた空太郎。あれは「ボク、もうサヨナラかも」って挨拶だったような気がする。

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joc*la*at  

2007-12-03 19:05

こにゃくうさんには本当に頭が下がります。幸い我が家の周りは野良にゃんを黙認またはえさやりする家が多く可愛そうな場面は見られませんが子猫がいる家を見ると最後まで飼うのかなって心配になります!

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こにゃくう  

2007-12-05 16:09

jocularatさんも野良助けに尽力されてますね。野良ネコを見ると心配になりますよね。ご近所の猫たちが無事に過せますように!空太郎やこにゃ達と知り合いにならなかったら、野良猫の事なんて全く気にしない人間のままだったろうと思います。あの子たちが私を導いてくれたんですね。

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asl*_*004  

2007-12-12 10:18

そうやってコニャクウさんとそのご近所で協力しあえるのって素晴らしい事だと思います。なかなかやってあげられないのに。。。
ところでBさんはなんておっしゃったんでしょうか?
別に関係ないわ、だったとしたらもうこれ以上、動物を飼って欲しくないわ、って思ってしまいます。
こにゃくうさん、ありがとう。

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こにゃくう  

2007-12-12 13:30

aslcさん、よくぞ聞いてくれました。皆で手術代を出すにあたり「そもそも震源地はBさんなんだから、加わってもらおう」と思い、こにゃくうは「近所でカンパすることにしたので協力しませんか?」って言いにいったのだ。・・・笑われた。「猫になぜそこまでするの?わからない」ってニュアンスのことを言ってました。他の人に「あの家はドケチだから頼んでも無理だよ」と言われました。
Bさんったら猫が好きなのか、猫にエサをやるのが好きなだけなのか・・・

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asl*_*004  

2007-12-13 10:16

やっぱこういう人は動物を飼っちゃいかんのだ。。。

こっちでは確か飼ってはいけない人には法律で規制されてる、って聞いたような気がする。(虐待した人、とか愛護団体がチェックしてひっかっかった人、とか。。。)
その人も飼えなくなればいいのに、って思ったけど、その人の意識の中では
餌をあげてるだけで飼ってる、って観念もないのかな?
きっとそうだよね。。無責任だよ。

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こにゃくう  

2007-12-13 16:12

aslcさん、米国の動物に関する制度の先進的なことには羨ましいし、感心させられるなあ。DVの接近禁止みたいな、そんな法律が動物に対してあってもおかしくないよね。
米国のセンスに日本はいつ追いつくのだろう。今日コメントしたリスだって、サンタモニカでは不妊手術なのでしょ?日本だったら駆除という名の大量虐殺だよ、きっと。

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なべさく  

2007-12-16 12:34

なんだか、考えさせられるお話です。
いったい、どれほどのニャンコや犬たちが、人間の勝手で犠牲になってるんでしょうね(><)
そして、人として、こにゃくうさんの行動は見習うべきものがあります。
クチで言っても、なかなか行動に移せなかったりするので。。。

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こにゃくう  

2007-12-17 15:11

なべさくさん、こにゃに出会う前の自分だったらぜったい猫助けなんてしなかったと思います。こにゃや空太郎、風子に教えられました。自分を含めてですけど、人間って勝手で残酷ね。せめて、せめてウチの近所の野良ネコだけでも無事に暮してくれ!と思います。

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