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うちの猫・こにゃ&くう編

【時々連載】こにゃとくうの物語=最終話①

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    大変長い連載でしたが、
    お付き合いいただいてありがとうございました。

    今回が
    我が家の猫「こにゃ」と「くう」のラスト・エピソード。
 

     2003年12月12日(金)のできごとです

PM4:50



 冬至が近い。
 日没がグッと早くなったなあと、
 こにゃに夕ご飯を食べさせながら思った。
   じゃあね、こにゃ。
 そろそろワタシ達の夕ご飯の仕度だから。
   またあした。

        食べ終えるといつものように立ち去るこにゃ。
        たぶん、Bさんの家に行ったのだろう。
  
    ※「Bさん」・・・【番外編】で登場した、猫好きだけど無責任なご近所さん。

PM5:10

しばらくしたら、

「ウギャーーッツ!」   猫同士のケンカの叫び声が。

「えっ!?こにゃ?」   心配して庭に飛び出た。   

  慌てて我が家の庭に逃げてくるこにゃ。



 ケンカの相手は誰?
 ははーん、やっぱりクライド猫だ。
 こにゃにイジワルするな!
 だからキミは好きになれないんだよ。

 ※クライド猫・・・【番外編】に登場した、町内の野良ネコ。やさぐれててケンカが強い。

    「こにゃ、大丈夫?」

     こにゃの足をチェックして撫でてあげた。
     よかった、怪我はないね。 
     今度こそ、ほんとうにおやすみなさい。 また、あしたの朝ね。
     こにゃも「スッ」と、後を引く気配もなく闇の中に消えていった。

      「こにゃ、大丈夫かな?」
      気になって、今度はリビングの出窓から外を見た。



 すでに黒一色になった窓の外。
 裏のお宅の屋根の上。こにゃが座っているのが
 暗がりの中で浮かび上がっている。
 こにゃも振り向いて室内のワタシを見ている。
「ふふ。こにゃと目が合っちゃったネ」
 さてさて、夕食の仕度のつづきを・・・
 (この時の一連の映像は
  不思議な事に今でもリアルに脳内再生できる。
  黒い闇。
  冷え切った外気。
  半身をねじるこにゃの体。)

     でも、なんだか気になって数分後にもう一度、出窓からこにゃを探した。
     もうそこに、こにゃはいなかった。
     寒そうな空気があるだけで
     こにゃはどこかへ遊びにいったのだろう。
     おやすみ、こにゃ。 また、あした。

      あしたはなかった。

     ・・・・これが、こにゃとの最後になった。

この夜は、不思議な天気だった。

PM5:30
夜空にたなびく雲は消して厚くなく、雨など一粒も降っていないのに
晴天の霹靂(へきれき)」の言葉の通りのカミナリが一発。



「ドッガーーーッツ」 ワッ!! 近いネ。 
でも丹沢の山際に落雷だろうよ。
と、恐がるムスメに話す。
晴天の霹靂とは・・・急に起きる事件。不意の衝撃。 
その言葉通りの出来事の合図だったのだ。











 翌朝、こにゃがいつもの時間にごはんを食べに現れない。


      どうしたのかな?
      でも今までにも、一食くらい気まぐれで来ない日もあったからね。

 翌々日もやって来ない事態になってただならぬ気持ちになる


  こにゃの過去の行状からして、排水溝の中か?
  「こにゃー!」と排水溝の蓋を外して叫んで回る。
  前回のように「ニャー」って声がしてくれれば・・・



でも、こにゃは入り込んでいなかった。
そもそも、前回入り込んだ隙間はワタシがもう、封鎖しているのだし。
 ※こにゃと排水溝について・・・【その16】で起きた事件。
町内を探して歩く。
こにゃと同じ茶色柄の猫は、あと2匹このエリアにいる。



2匹とも、元気に歩いているのを確認。
地域ネコの中で、こにゃだけがいない。
ネコ好きの義母さまにも伝えて、
近所を歩く時は気にしてみてください、と頼む。

     12月17日。 5日も経ってしまった。


  ぜったい、おかしい。 心配で胸がつぶれそうだ。



この日、義母さまがやってきて
「あのネこにゃくうさん、Eさんの奥さんって知ってるかしら?
 むこう側の角のおうちの。」(義母)
 「うん。
  猫好きで、50代くらいのおばさんですよね。」(ワタシ)

「Eさんに久しぶりに出合って、立ち話のついでに茶色い猫を見なかったか、って訊いてみたの」

    それで?

  「金曜日・・・なんでもカミナリが鳴った夜にね、茶色い猫が車にひかれて死んだんですって」

   ・・・・・・。



 それは、こにゃ?
 Eさんに直接訊かなきゃ!
パソコン内のこにゃの写真をプリントアウトして走った。
 E家は、ほんのすぐそこ。
 ちがいますように、違いますように。 
でもそっくりな猫は全員、健在だったのをワタシは確認しちゃった。
 それでも違いますように。
こにゃの写真を差し出して
「この子でしたか?」
Eさん「ご、ごめんなさいね・・・・・
この子だわ。たぶん・・・きっと・・・そう。」

   ワタシはEさん宅の玄関で大泣きした。
   こんなふうに人前で大声でオイオイと泣いたのは、おとなになって多分初めてだ。
   まるで小学生みたいに、涙もしゃくりあげる声も止まらなかった。


  Eさんのお話はこうだ。


   あの日、ね。
  暗くなってから、お友達が訪ねて来たの。
  「近くで茶色い猫が轢かれて死んでるけど、あなたがかわいがってる野良ネコじゃない?」って。
  慌てて行ってみたら、私の馴染みの猫ではなかったのよ。
  でもかわいそうだったんで、ダンボール箱に入れてね。
もう市役所も閉まった時間だったから、一晩うちで預かって翌日役所の人に持っていってもらったわ。」
(わが市では飼い主不明の動物の遺体は、市が契約している動物供養の寺に引き取られることになっている)

  遺体はね、そんな酷い状態にはなってなかったわよ。きれいだったわ。
  何度も轢かれた様子じゃなかったからね。
  でも、なんであんな場所で轢かれたのかしら・・・?」

  Eさんに事故の場所まで案内してもらった。
その場所は、我が家から一直線にワンブロック東に進んだ場所だった。
人間にとってはぐるりと廻り込まなきゃいけないけど、こにゃには普段使いの通路だったのだろう。
  こんな経路を行き来していたのか。
  ワタシの知らないこにゃの一面だった。



写真の通り、現場は住宅街の中の生活道路。
住民の車が行き来する程度で、交通量は少ない。
 なのに轢かれちゃったんだ。
「あの日、カミナリがあったわよね。そのすぐ後だったわ」
 と、Eさん。
 こにゃ。じゃあ・・・
 カミナリに驚いて道路に飛び出しちゃったの?
そこにちょうど車が差し掛かったの?
クライド猫に噛み付かれてナーバスになっている最中に、文字通りの「晴天の霹靂」。
室内のワタシたちでも飛び上がるほどびっくりしたんだもん。
こにゃも慌てちゃったの?



現場のアスファルトの上には
残酷な血の跡がしたたっていた。
ツッと指でその血を拭い取って
 匂いをかいだ。
こにゃのホッペの横からにおう、
脂っこい分泌物の香りがした。
(猫が柱にこすり付ける頬の部分の匂い)
もしかしたら、轢かれた猫はこにゃじゃないのかもしれない。
 こにゃはヒョッコリ帰ってくるかも・・・。

    けど、今日までこにゃは帰りません。


   長くなりすぎました。
   つづきはもうすぐに出せますので、ここで一度【つづく】にさせてくださーい。
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16 Comments

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釜職人  

2007-12-30 23:03

敬虔に静かに読みましたよ、釜職人

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こにゃくう  

2007-12-31 05:21

釜職人さん、長文なのにさっそく読んでくださってありがとうございました。そう言っていただけて、こにゃが喜んでいると思います。

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-  

2007-12-31 09:37

そんな・・・こにゃさん・・・
本当に轢かれたのはこにゃさんだったのでしょうか?
・・・帰ってこないのかな・・・帰ってくるかもしれませんよ。
わからないけど 僕はなんでも自分の目で確認するまでは信じないので・・・

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こにゃくう  

2007-12-31 10:55

のばふぐさん、目で見るまでは信じないのはもっともです。私もそう思いたい。もし、こにゃがひょっこり帰ってきたらどんなに嬉しいだろう。のばふぐさんもずっと読んでくれて感謝します!

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omansama  

2007-12-31 16:32

「あしたはなかった・・・」この一行でジュワァ~~の涙(゜ーÅ) ホロリです。
次の記事にコメントしますね。

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天ママ  

2007-12-31 23:34

ぽろぽろ・・天ままでしゅ・・・

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なべさく  

2008-01-01 22:45

・・・・・・
ゴメンナさい、うまくコメントできません。。。
でも、小生の何十、何百倍以上に、こにゃくうさんは辛かったとおもうと。。。(大泣)

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ゆーゆー。  

2008-01-02 09:13

ナミダがでました。。。

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こにゃくう  

2008-01-04 17:32

おまんさま、もう4年経つのですが、あの日のこにゃの仕草や屋根に座っていた姿は忘れていません。いつも通りに、また明日もこにゃに会えるとばかり・・・。別れが突然でした。

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こにゃくう  

2008-01-04 17:33

天ママさん、ぽろぽろ・・・ありがとう。
この話を書ける心境になるまで、時間がかかりました。

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こにゃくう  

2008-01-04 17:37

なべさくさん、つらかったですね。この時はほんとに。
自分のせいだなあ、と思います。

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こにゃくう  

2008-01-04 17:38

ゆーゆーさん、すみません・・・m(_ _)m

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taka_M  

2008-01-11 09:32

猫は毎日ご飯を食べに来ていると 明日も会えるよね♪という気持ちになってしまいます。突然会えなくなるととても淋しくて(T_T)
実家で暮らしているおかめくんの兄弟猫もある日突然居なくなりました。とても仲良しだったおかめは寂しがって体調を崩してしまいました。
事故に遭った猫ちゃんお寺で供養してもらえるのですね。こにゃちゃんに似ている猫と思いたいです。
こにゃちゃんの姿が見えなくても どこかで元気に暮らしているって信じたいです。

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こにゃくう  

2008-01-11 23:21

TakaMさん、突然に、ほんとに急に来なくなりますね。その唐突さがやり切れませんわ。猫には猫の都合があるでしょうが「電話の一本くらいくれたっていいじゃん」とか思います。悪い事を想像してはオロオロします。体調を崩しちゃったおかめちゃんも同じように心配しちゃったんでしょうね。
空太郎亡き今、こにゃが実は生きていて「戻ってきたよ!」なんて登場したら・・・どんなに嬉しいことか。

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トマトのん  

2008-01-12 03:12

うちのチャイが来る前の夜中に消防車の音が窓の外でしてビックリして目を覚まして、でも夢だったようで。。。
その次の日の朝出かける時にマンションの前にいたのですが、帰ってきてまだいたら家の子になる?って。で、家の子になったのですがね。やっぱり知らせってあるのでしょうね。。。

* どこかで元気に暮らしているよね。。。

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こにゃくう  

2008-01-13 12:05

トマトのんさん、チャイちゃんみたいなお高い目の猫ちゃんが家の前に座ってるって、コレは奇跡のような出会いですよね。じっと待っていたんだねぇ。縁があって、つながってるんですよ、きっと。

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