パリの町でディナーを食べて、ごきげんでホテルに帰還。「明朝は帰国だ。さあ、寝るべ!」とドアを開けたら、ムスメの荷物が客室内に散乱。
嗚呼。やられたんだ。誰かが部屋に入ったんだ。鍵をかけたけど誰かが不法に侵入したんだ。
(
こにゃくう)「何が無くなってる?」(ムスメ)「トランクにしまっておいたパソコンが無い!(中学入学祝いにおじいちゃんに買ってもらったPC)いっしょにしまっておいたPSPが無い!(せっかくここまでやりこんだのにー
)現金千円札3枚盗難、小銭は無事(共に日本円です)服は全て無事だけど、なぜか帽子だけが無い!」 ・・・ムスメの被害状況は以上。ふむ。
ムスメにとっていろんなデータや記録が消えてしまった事はショックに違いない。だけど4年落ちのPCだよ?4年前のVAIOに何の価値が?キーボードは日本語配列だぞ?PSPは痛いね。時間返せ!だよね。もっと大事だというDSは金庫にいたので無事。(↑一枚目画像・二枚目画像共に当夜の実際の画像です)
あまたある服はスルーでなぜ帽子だけパクる?泥棒よ!
PCとゲーム機は分かる。だが他の衣類は手つかずで帽子だけパクったのはナゼ? 服はサイズが合わないのでせめて帽子だけでもいただく!的な感じ? この帽子。今は亡き帽子ちゃんの遺影 ↑
犯人はデブと見た!この推理には古畑任三郎もガリレオ先生も異論はないでしょう。
さて、ワタクシこにゃくうの被害。トランク丸ごと!ムスメはトランクに鍵をかけていなかったので物色の上、お好きなモノだけパクられた模様。私はというと、すっかり荷造りしてトランクを施錠していたからだろう。開けられないのなら丸ごといただいて、どこかでこじ開けようという極悪人の発想。
添乗員マドンナさんのお部屋に電話し、至急来ていただく。
こにゃくうさん、落ち着いてきいてください。この国フランスでは無くなったものは99%出てきません。ホテルに被害を訴えてもホテル側が非を認めることはありません。たとえ今回のように施錠した客室内で起き、従業員の犯罪が疑われる場合であっても、です。もちろん犯人探しや遺失物探しにもいっさい協力しません。そういうカルチャーの国なのだと諦めてください。
ただし海外旅行保険の申請に警察の被害届証明書が必要なので、今から警察署に行きましょう。またパリ警察が犯人探しや捜査をしてくれることも一切ありません。あくまで保険の為の証明書をもらうためだけと理解してください。
警察署へ行くべくマドンナさんとホテルのフロントにて再び合流。マドンナさんがフロント業務の女性に事件のあらましを説明してくれたが、フロント嬢は目検に皺を寄せて「ま~あ…お気の毒ねえ」みたいなリアクションをするのみで「ただちに館内を探させます!」的な対応は1㍉も期待できない事が瞬時に伝わった。ホントだ。マドンナさんの言う通り。この国での盗難被害は「うっかり落し物しちゃった!テヘ」と同等な扱いなんだろう。
ムスメには「誰が部屋をノックしてもドアを開けるな」と言い置いて、マドンナさん、オット、こにゃくうの3人で深夜のタクシーに乗り込み警察署に行く。ハイ、コチラが警察署↑
ホテルの部屋から荷物が無くなった云々…と警察の受付で言ったところで驚きのリアクションも無く(笑)淡々と「うーん、日本語の書類はどこにいったかな~?」という婦警さん^^;
婦警さん「あー。フランス語ダメなのね?英語オッケーのスタッフがそのうち来るから彼女に面接してもらって」やがてやってきた女性警官さん(美女)にこやかなマドモアゼル婦警さんは「本人だけ来て。付添はNGよ。」心細いけどしかたない。マドンナさんとオットは受付けで待ち、ワタシだけ3階の執務室が並ぶフロアに連行される。
はい、コチラ
が取り調べ室…じゃない、マドモアゼル婦警さんのオフィス。容疑者 被害者こにゃくうは手前の丸椅子に。美人なマドモアゼル婦警さんがデスクに腰掛けた。私から聴き取った事情をPCに入力していきます。デスク周りはラフな感じ。日本の警察とは雰囲気が違いますね。
美人婦警さん「朝は何時に出たの?ふんふん、9時…で、22時に部屋に入ったら、トランクとPCその他が無くなっていたのね、ふんふん…」
泣き出したい位のショックを受けているワタシに一切構うことなく、淡々と事務的に入力していく執務に忠実なマドモアゼル(笑)
ここまで「美女」だの「美人婦警さん」だの言ったら「どんなマドモアゼルなのか見たーい!」
みなさん、そうお考えですよね。おまかせください。こにゃくうはムダにブロガーやってません! キッパリ
はい、美女コチラ。
調書作成で聞き取りの真っ最中だというのに、被害者のワタシを丸無視して彼女の同僚婦警が
「ネー、ネー」と話しに割って入って来たよ~(-″-;)仕事そっちのけで世間話を始めたところ 
同僚婦警「ネーネー、捜査1課のメンズと合コンの話しがあるんだけど、マドモアゼルちゃんも行かな~い?」
美人婦警さん 「うーん。一応ヒマだけど、どうしようかな~?」
同僚婦警 「捜査1課のイケメン刑事アンドレも来るよ~」
美人婦警さん 「わーお!うっそ~♪ワタシ行く!絶対行く~」
ワタシを前にして楽しそうにオフの打ち合わせで盛り上がる婦警2名。お願い。ちゃんと仕事して。早く仕事して。(会話の内容はこにゃくうの勝手な妄想です)
そんな感じでゆる~く被害届を書き上げてくれましたわ。 とほほ。オットとマドンナさんが待つ受付に戻る際
こにゃくう「今晩がフランス旅行の最後の日だったのに。最後にひどい目に遭った」といったら苦笑いしながら
美人婦警さん 「フフフ。お気の毒。でもフランスをエンジョイしたでしょ?」と、まったく同情などしていない風情でおっしゃる。
ああ、エンジョイしたよ。フランスのいろーんな面を見られた。最後に滅多に出来ない経験もできたしね。
最低の4つ星ホテルホリデイイン・ラヴィレット(住所:216, Avenue Jean Jaures, Paris)に戻ったのは深夜12時頃か。
付き合ってくれたマドンナさんにお礼を言い激しく落ち込むムスメをなだめてベッドに入る。あと数時間で帰国だ。少しだけでも眠ろう。
【少々、事後処理のアレコレを】
添乗員マドンナさん曰く「このホテル ホリデイイン・ラ・ヴィレットは私の会社では安全であると判断して2か月後に行われる日本の某女子高の修学旅行での宿泊ホテルに選んでいます。
会社側に今回の事件を報告しますが、こうなると会社側としても考え直さなくてはいけないかもしれません。ホテル側も我々が高校修学旅行を斡旋したことを大変よろこんでいましたが、これでは困ります。私も仕事柄、お客様のいろんな犯罪に遭遇していますが、施錠した客室内から荷物がごっそり盗まれたのは初めてです。」
後日、旅行会社経由でホリデイインのゼネラルマネージャーから詫び状が届いた
この度は当ホテル滞在中に遭遇された事件について大変遺憾に感じると共に、こにゃくう様のご期待に沿えることが出来ず申し訳ありません。今回の件に関して誠意をもって調査しておりますが現段階では真相究明にいたっておりません。お詫びに今回2泊分の宿泊代金を返金します。このような事件が起きたことを重く受け止め二度と起こらぬよう最善を尽くします。こにゃくう様が再びいらした時にはスタッフ全員で最高のおもてなしをいたします。
バッキャロー!二度と行くかよ (゚Д゚#)で、旅行会社から見舞金1万円×2名とホテルから宿泊費1万5千円×2=5万円が振り込まれていたよ。
2014年4月追記:このホリデイ・イン・ラ・ヴィレットホテルは、
現在はメルキュール パリ19フィルハーモニー ラ ヴィレット ホテルに変わって営業中。(トリップアドバイザー)
【保険金の支払いについて】
保険会社の人にもどん引きされましたわ(笑)仕事柄いろんな事件を受けているだろうに、相対的にひどい例だったようだ。しかし「被害品の購入時の領収書・保証書を提出」なんてムチャなこと言いよる。だがラッキーなことにこのワタクシはお買い物をしたレシートを1年はとっておく人。ワードにぜーんぶ書き連ねて、レシートも大量に貼りつけて提出してあげました。トランク一杯に詰まっていた私の身の回り品と、ムスメの大事な品々…
結果、満額いただきました。でも携帯品の上限はひとり20万円なんだけどね。細々した物を書き連ねると、トランク一杯で20万円はいくのでした。義父がムスメにプレゼントしてくれたPCはまさに20万円でしたし。
しかしお金が返ってもがっかり感は埋められないんだよね。着古したTシャツ1枚だって大事なお気に入りだったんだ。旅行中に買った
猫の吟次郎用のご飯皿…かわいかったのにな(涙)
ムスメも私も、身の周り品に高価な物を持たない人なので、せっかくトランクを盗んだ泥棒も開けてびっくり!なカスばかりだったと思う。ざまーみろ。アジア人定番のパリ高級ブランド品買物を一切していないしネ。服だってほとんどがユニクロかしまむら(笑)一番赤面なのは、旅行中の洗濯物を一切合切盗られちまったことだ!
コラー!私の使用済みパンツ返せ~(゚Д゚#)
※今後の海外旅行ではチェーン鍵(自転車用)を持っていくことにしようと思う。トランクのハンドルと部屋の家具を括り付けちゃる!