ウインドーはホコリで曇り、もはや何時の秋の物だか分からない枯葉が隅に積もていたりするわけですけど、こにゃくうは見逃さない。「羽根屋」「田酒」の酒瓶を。
「鍋島」と「くどき上手」もラインナップに置いてる居酒屋なのかな? ラベルはすっかり陽に焼け、色褪せているワケだけどもw ついでに食べログベストレストランの表彰状まである!
ちょうど、店舗脇のガレージにお店の方が出ていらしたので突撃取材です。
「お店は何時からですか?」「8時からです」(うわー。遅いスタートなんだ)
「今晩、席ありますか?」「今日は団体さんが予約されてて…」(げ。人気店?)
「んじゃ、明日来ます。8時に1名!」「ハイ、お待ちしてます」
そんな経緯で訪れることになった居酒屋写楽でのおはなしです。
夜のライトに囲まれた写楽の店舗は、昼間とは一転してムーディだ。
「こんばんわー」と引き戸を開けたら、この内装。雑多。乱雑。混沌。そして摩訶不思議。
品々がてんでバラバラにとっ散らかっている。だけど、BGMのスタンダート・ジャズが店内をミステリアスに纏めてくれている。居心地いいぞ、この店。
えっと・・・ビ、ビールください(ドキドキ・・・)
ビールはヱビスの生。黒ヱビスか琥珀ヱビス、またはそれらのハーフ&ハーフのみ。(ジョッキ700円、グラス600円)
琥珀ヱビスのジョッキと共に提供されたコチラの突出し。わ!豪華♪
ちょびっとずついろいろ乗っていて、酒飲みの心にストライクど真ん中。
蓮やパプリカのピクルス、サザエ、鰻巻き玉子、枝豆、甘い玉蜀黍、ポテトサラダ・・・
品々の味のバランスも申し分なく、これだけあればお料理の追加は不要なんじゃ?と思わせるボリュームです。
ビールは2分で消滅してしまったので、気になる日本酒の部にいってみようかしら(ドキドキ・・・)ぎゃ。青煌1000円!志太泉1600円!鍋島・・・大好きだけど1800円!だ~(汗)
こにゃくうは懐が淋しい無職の能無し主婦ですからね。
好きだからといってお高いお酒は、自腹では呑めません(オットが一緒だったら迷うことなく鍋島いっちゃってますけど^^;)1,000円以下の酒から自分好みと思っている「風が吹く」を手堅く選ぶ。
壁に貼りだされた日本酒は、うっとりするような魅力あふれるラインナップ。
ただ、あと100円お安かったら貧乏主婦の懐にもやさしいのですが、ネ。1合入ってないし。
いちげんの客で、ひとりニヤニヤしながらちびちび呑むこにゃくうに、お髭のマスターがお話相手になってくださる。
「お近くの方ですか」「いえ、千葉県民です」←キッパリ田舎もん宣言。
やがて、カウンターの隣席には常連さんの紳士がお座りになる。
マスターと常連さんのお二人に向かって自分の状況を少しずつしゃべるこにゃくう。
実の母がこの近くの病院に入院しています。いつ急変しても不思議はない病状なので心配で遠く千葉まで帰る気がしません。病室に泊まり込んで・・・いや、もはや住んでる状態と化してます。自分の食事は自分でなんとかしないといけない。時にはこうして近所の飲食店を渡り歩いてます。今日は良いお店に巡り会いました(こにゃくう)
カウンターの他に、テーブル席(4人掛け1卓、6人掛け1卓)もある。やがてテーブル席へもお客様がやってきた。
さて、お刺身でもお願いしようか?と思案するも、どの品もかなりボリューミー。
「半量でもオーダーできる刺身もあるよ」と常連紳士が教えてくれる。
「いや、私のでよければ少し分けましょう。お食べなさい。関アジです。」(常連紳士)
・・・ということで、高級魚と名高い関アジをちゃっかり紳士より頂戴するこにゃくう。
ご、ごちそうさまですっ!看病の励みになりますっ!・・・う、うまっ!
関アジって鯵なのに鯖なみの大きさなのですね!味も普通の鯵よりずっと脂が乗っててとっても美味しい。
・・・なものだから、1合で帰る予定が「来福ください!」になってしまった^^;
母が寝込んでいるのにバカバカバカ!
さあ、長居はイカン。〆に玉子雑炊を食べて病院に帰ろう。
そうそう。この写楽というこのお店は「粥茶屋写楽」が正式名。お酒や刺身だけでなく、お粥も写楽の看板商品なのでした。コンビニおにぎりや簡単な食事つづきのワタシの胃袋にやさしい玉子粥。
「これも食べていきなさい」と、ご自分でオーダーしたイサキの塩焼きを
小皿に取り分けてくれる常連紳士。遠慮なく戴いちゃう、こにゃくう。
うう・・・ありがとーございます。超ウマイ~(涙)脂の乗ったイサキです。
なんだか、お貰いばっかりでちっともオーダーしなくて申し訳ない気がして
最後に奮発、而今(1000円)もいっちゃいましたー。おかあさん、ごめんよーう(涙)
豪華な突出し、ジョッキ生ビール、3種の日本酒、玉子粥でお会計5100円
先の見えない病院付き添い生活で、ちょっぴり気分が切り替えられた一晩でした。
「病室で食べなさい」とマスターが塩ゆで枝豆をお土産にくださった。
ありがとうございました(またお貰いしてしまうこにゃくう)
付き添い生活に煮詰まったら、またここに来てひと時を過ごさせてください。
★食べログでチェックしてみたら皆さん絶賛の人気店でした!